WBC世界ミドル級タイトルマッチが米コネチカット州アンキャスビルで行われ、ジャーモール・チャーロ(米)が3−0(116-112, 117-111, 118-110)の判定でセルゲイ・デレイビャンチェンコ(ウクライナ)を破り王座防衛に成功。ダークホースと言われながらも対戦相手の水準が指摘され実力が疑問視されていたジャーモールは実力者であることを証明した。
勝ったジャーモール・チャーロは31戦全勝22KO、負けたセルゲイ・デレイビャンチェンコは16戦13勝10KO3敗とした。
マット・コロボフ(ロシア)、ブランドン・アダムス(米)といった中堅クラス相手に苦戦。破壊力に定評があるものミドル級での評価はイマイチだった。ダニエル・ジェイコブス(米)、ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)が手を焼いた相手に判定とはいえ明確に勝ったことの意味は大きい。戦績、試合予想と展望はこちら。
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チャーロが実力者であることを証明
「やるべきことをやったよ。ゲープ・プラン通りできたとおもう。ロニー・シールズから今夜のテストは合学だと言われた。次なる目標を考えられるのが嬉しいよ」
ジャーモールは試合後にこう語ったとおり、デレイビャンチェンコを殆どのラウンドで支配。どちらが優れていたか明確だった。勝敗を分けるポイントの1つだったのが距離だ。ジャーモールは終始、リング中央でプレスをかけ長い距離からパワー・ジャブを打ち込みデレイビャンチェンコの出鼻を叩き、接近戦ではアッパーが上手く機能。スマートさを証明した。
一方、デレイビャンチェンコは、ジャーモールの圧力で手数は少なかった。ハードなジャブで中に入ることが難しく、接近戦でもジャーモールが突き上げるアッパーに苦戦した。CompuBoxの統計によると、ジャーモールは627発中219発はヒット、デレイビャンチェンコは681発中180発がヒット。ジャブの的中率は28.4%(299発中85発がヒット)、デレイビャンチェンコは9.8%(174発中17発)と大きく引き離した。
WHAT. A. FIGHT. @FutureOfBoxing improves to 31-0 after an all-out tactical war against a game @SDerevyanchenko.
ORDER #CharloDoubleheader: https://t.co/Unmne2BI8N pic.twitter.com/Wgo0zR0CDn
— SHOWTIME Boxing (@ShowtimeBoxing) September 27, 2020
ジャーモールは3ラウンド、コメカミあたりに右ストレートをあてグラつかせると、追い打ちのアッパーでデレイビャンチェンコがダウン寸前に陥るもゴングに救われた。その後もジャーモールの強打が襲う。6ラウンドにデレイビャンチェンコがジャーモールのショットで右まぶたの付近をカットすると戦況は厳しくなった。8ラウンド、終わり間際にジャーモールの右ストレートがクリーンヒット。これまでの被弾の影響かデレイビャンチェンコの両目がクローズするとますます厳しくなった。最終ラウンド、追い上げたを見せたがジャーモールを陥落させることはできなかった。
ジャーモールは30歳と全盛期。弟のジャーメルと同じく狙うは統一路線だろう。IBFタイトル・ホルダーのゲンナディ・ゴロフキンや、最大級の商品価値を誇るWBA・リング誌のタイトルを統一するカネロ・アルバレス、WBAタイトルを保持する村田諒太(帝拳)と戦っても白熱する戦いになるだろう。
もちろん、ホスト局の違いなど実現に向けハードルは高いがジャーモールがデレイビャンチェンコに勝ったことで今後のミドル級戦線がさらに盛り上がることは間違いない。
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