米ラスベガスに上陸しジェイソン・マロニー(豪)にKO勝ちを収め国際的に高い評価を得たWBA・IBF世界バンタム級統一王者井上尚弥。そして、WBA王者ギレルモ・リゴンドー(キューバ)との交渉が具体化したWBO世界バンタム級王者ジョンリル・カシメロ(リフィリピン)の最新情報から2021年バンタム級タイトルマッチの行方を占ってみたい。
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カシメロ対リゴンドー戦が濃厚
カシメロは、9月Showtime(米ケーブルTV局)が配信した有料課金PPV(ペイ・パー・ビュー)のアンダーカードに登場。デューク・マイカー(ガーナ)を自慢の強打を打ち込みKO勝ちを収めた。ライバルのIBF・WBA世界バンタム級統一王者井上尚弥との統一戦の期待が高まっている。
ソーシャルメディアでカシメロ陣営の挑発がエスカレートし話題があがっているが、次戦で井上と統一戦は実現しない見方がほとんどだ。すでに、カシメロ陣営はWBA世界バンタム級王者ギレルモ・リゴンドー(キューバ)との対戦交渉にカジをきり2021年第1四半期に合意を目指しているという。
米Athletic記者ランス・パグミア記者によると、カシメロをプロモートするMPプロモーションズのショーン・ギボンズ氏との会話のなかで、ギボンズ氏が井上がIBF1位マイケル・ダスマリナス(フィリピン)との指名戦をかせられることで、ギレルモ・リゴンドー戦に照準を定めていることを明かしたという。
Sponsor Linkカシメロ、リゴンドー戦合意が高い理由
カシメロ、リゴンドーは第1四半期に合意しても不思議ではない。カシメロ陣営はリゴンドーを傘下に収めるPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)、PBCと提携関係にあるShowtimeとも協調関係にあるからだ。
2020年4月に米ラスベガスにセットされた井上尚弥との統一戦が延期となったカシメロ陣営は、進捗がない井上との統一戦交渉に終止符をうち、Showtimeへ接近し次戦を模索していた。チャーロ兄弟が登場するPPV(ペイ・パー・ビュー)のアンダーカードでデューク・マイカー戦が締結。すでに次戦のオファーもあるという。
カシメロ、リゴンドー、北米では話題を集めるには乏しいカードだが、アクションが多いカシメロがビッグ・ファイトのアンダーカードにセットされる可能性は充分ある。その先にはPBCとの契約も視野に入ってくるだろう。
Sponsor Link井上はマイケル・ダスマリナス戦が濃厚
井上はバンタム級で存在感を高め国際的に評価をあげている。10月米ラスベガスで行われたジェイソン・マロニー(豪)戦で最高のパフォーマンスを示した。ダウンを奪った左フックは最高のタイミング、決め手となった右ストレートのカウンターも見事。パワーだけでなく高いスキルがあることを証明した。統一戦やビッグ・ファイト路線が期待されるがIBF(国際ボクシング連盟)との指名戦が濃厚だ。
もともと、井上はノニト・ドネア(フィリピン)に勝ったあとIBFから1位マイケル・ダスマリナスとの指名戦を命じられていた背景がある。指名戦は他団体王者との統一戦に限り一旦、回避することができる。ただ、その後に指名戦を行うことが条件だ。
ドネア戦がおわり、井上を米国でプロモーションするトップランク社は、WBO王者ジョンリル・カシメロとの統一戦をまとめることで指名戦を回避したが、その後、新型コロナウイルス(COVID-19)が世界中に蔓延したことで情勢が変わった。
本来であれば、カシメロとの統一戦交渉が破断となった時点で、マイケル・ダスマリナス戦との交渉に移る必要があったが、コロナ禍で渡航規制が敷かれ米国入りが難しくなったことも背景にあり、ジェイソン・マロニーとの選択試合が特別に認められた背景がある。
Sponsor Link2021年バンタム級マッチメークのまとめ
WBO世界バンタム級タイトルマッチ
カシメロ対リゴンドー
WBA・IBF世界バンタム級タイトルマッチ
井上対ダスマリナス
WBC世界バンタム級タイトルマッチ 中止
ドネア対ロドリゲス
関連記事:WBCドネア対ロドリゲスを王座決定戦として承認井上の4団体統一戦は
2020年12月19日にドネア対ロドリゲス戦が行われることが決まっていたが、ドネアがコロナ陽性となり中止となっている。2021年上半期に上記のタイトルマッチが行われ、下期に勝者同士の統一戦がセットされれば最適なシナリオだ。4団体メジャー制覇は来年難しいが、カシメロかリゴンドー戦を実現すれば話題にはあがるだろう。
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