週末の試合結果。試合前、舌戦を繰り広げたダニエル・ジェイコブス(米)対ガブリエル・ロサド(米)、英国ボクシング界期待の新人ダニエル・デュボア(英)対ジョー・ジョイス(英)戦の英国人同士のライバル対決を振り返ってみたい。
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ジェイコブス対ロサド戦はワースト
レビュー記事:【結果】ダニエル・ジェイコブス対ガブリエル・ロサド 11/27
週末もっとも期待を下回った試合がジェイコブス対ロサドであることに議論の余地はない。ジェイコブスが2−1の判定勝ち。ジェイコブスは「次はビッグネームと対戦できることを楽しみにしている」。と試合後のインタビューで語ったが、終始安全運転スタイルは、とても次にビッグ・ネームとの対戦が期待が湧く内容ではなかった。
舌戦していたことで期待されていた試合だが、リングにあがると試合前の舌戦はうそのように2人とも静かだった。両選手がディフェンシブなボクサーであり大きな期待はできなかったが想定を大幅に下回る内容だった。ジェイコブスが主導権を握っていたが、ロサドを効かせることはできず、ロサドも慎重な姿勢を崩さなかった。
「スパーリング・セッションのようだね」中継したDAZN(ダ・ゾーン)の解説を務めるセルヒオ・モーラ氏が言ったとおりの内容。コロナ禍で試合が停滞したことで約1年ぶりの試合だったが、チェスマッチの試合は退屈だった。
ジェイコブスの次戦は
今戦でジェイコブスとマッチルーム・ボクシングの契約期限切れを迎える。スーパーミドル級王座獲得を目指すジェイコブスはマッチルームとの契約延長。デビッド・ベナビデス(米)やライバルのジャーモール・チャーロ(米)が契約するPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)との契約がオプションに入る。
レビュー記事:【結果】ダニエル・ジェイコブス対ガブリエル・ロサド 11/27
Sponsor Linkデュボア対ジョイス
レビュー記事:【結果】英国期待の新星ダニエル・デュボア対ジョー・ジョイス
ヘビー級で番狂わせが起きた。ジョー・ジョイス(英)がダニエル・デュボア(英)と対戦し10回TKO勝ちでライバル対決を制した。「次のタイソンだ」。英国ボクシング界で最も期待されていたヘビー級新鋭の評価をつけるには早すぎた。
デュボアは連勝レコードを伸ばしヘビー級タイトル奪取に大きな期待がかかっていたが、ジョイスとのステップ・アップ戦に失敗。最後はジョイスのジャブで自ら膝をついたことでデュボアの評価は大きく割れそうだ。
デュボア対ジョイス
決めてとなったジョイスのジャブのカウンター・シーン。デュボアはダメージというより嫌気という印象。キャリアの差が出た試合ですね。
— in44y.com (@in44y1) November 29, 2020
中盤以降、ジョイスのジャブでデュボアの左目は完全に塞がっていた。米メディアによれば、左目は眼窩底骨折、神経を損傷していたことが判明。デュボアはジャブの衝撃を受け視界が真っ暗になったという。
自ら膝をついたことで試合を諦めたようにうつり批判的な意見もある。9回までのスコアは86−85でデュボアがリード。12回まで戦えば勝てた可能性も考えられるが、専門医は「もし戦い続けていればキャリアに終止符をうつ深刻なダメージとなっていた可能性がある」と警鐘を鳴らしている。
レビュー記事:【結果】英国期待の新星ダニエル・デュボア対ジョー・ジョイス
デュボア、ジョイスの今後はどうなるのか
眼窩底骨折したデュボアはプレートを入れる手術をする可能性があるという。いずれにせよ、3ヶ月間はスパーリングはできない。
しばらくは休養を強いられヘビー級トップ戦線にふたたび上り詰めるのは容易ではないがまだ23歳のデュボアには充分な時間がある。怪我の完治を祈り再起に期待したい。
過小評価されていたのがジョイスだろう。試合数はデュボアと殆ど同じだったが、トップアマ、プロではステイバーン、ウスチノフ、ジェニングスに勝ち大きな経験を持っていた。そこまでスピードはないもの、優れたジャブ、ヘッドムーブ、顎も強くタフだ。
次戦は五輪で負けたトニー・ヨカ(フランス)。クルーザーからヘビー級に転じたアレクサンドル・ウシク(ウクライナ)戦も面白いかもしれない。ウシクはチゾラに勝ったが消耗する厳しい戦いだった。ジョイスはヘビー級二次試験にはぴったりの相手だろう。
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