トップランク10月ロマチェンコ、井上尚弥の防衛戦を発表!

米トップランク社(有力プロモーター)が2020年後半の第1弾スケジュールを発表した。10月、毎週末の土曜日、提携関係にあるESPN(米スポーツ専門チャンネル)が5つのイベントを配信。米ラスベガスのMGMグランドにあるザ・バブルが会場となる。試合決定までの経緯とざっと見どころを紹介したい。

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トップランクが本格稼働

 2020年3月、新型コロナウイルス(COVID-19)がパンデミックとなり世界中のプロ・スポーツが延期や中止、目の前の需要が一気に消滅。北米のプロ・スポーツイベントは、プロ・ボクシング含め、メジャースポーツは全て停止した。

 そんななか、米国で右肩あがりに増えていたコロナ感染者が鈍化し、米ネバダ州が規制を緩和したことでラスベガスのストリップ通りに複合施設を運営するMGMリゾーツ社が営業を再開。イベント再始動を模索するラスベガスを拠点とするトップランク社はMGM、NSAC(ネバダ州アスレチック・コミッション)と協業し6月に再スタートに踏み切った。

 6月にプロ・ボクシングが再開。コロナ禍で巣ごもり需要、北米でスポーツイベントが再開することもあり高視聴件数が期待されていたが、視聴件数は振るわなかった。これは、顔見世的な興行だったことが理由だ。いくら、スポーツの需要があがったとはいえカードが低水準であれば視聴件数には繋がらない。もちろん、これは世界各国が渡航規制をしている関係でマッチメークは米国内限定となったのが理由だ。

ゼペダ対バランチェクでキックオフ

 注目の一戦はなんと言ってもWBA・WBO世界ライト級統一王者で米リング誌のタイトルをホールドするワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)対IBF世界ライト級王者テオフィモ・ロペス(米)のライト級メジャー3団体統一をかけた一戦だ。勝てば事実上のライト級で最強王者となる。キックオフの10月3日、ホセ・ゼペタ(米)/36戦32勝25KO2敗1KOと、WBSS(ワールドボクシング・スーパーシリーズ)に出場したイバン・バランチェク(ベラルーシ)/21戦20勝13KO1敗が対戦。ESPN+が配信する。

 そして、翌週9日には元WBO世界スーパーバンタム級王者エマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)/33戦31勝27KO1敗が登場。シャクール・スティーブンソン(米)が返上し空位となったWBO世界フェザー級王座を、ルーベン・ビラ(米)/18戦全勝5KOと争う。翌週にIBF・WBC2団体の王座を統一するアルツール・ベテルビエフ(ロシア)の防衛戦が決まっていたが、ベテルビエフがキャンプで怪我をしたことで延期となることが決まっている。

ロマチェンコ対ロペス 10月17日

 正式発表が待たれていた2020年後半もっとも注目されるカードがロマチェンコ対ロペスだ。誰よりも鼻息が荒いのがロペスだろう。相当なプレッシャーだ。だが、この一戦を今やることの意味は大きい。ロマチェンコは32歳と全盛期。そして、世界でもっとも優れたボクサーだと評価されているからだ。

 米リング誌のPFP(パウンド・フォー・パウンド)で2位、ESPNでは1位の評価だ。よく、プロモーターがピークを過ぎたスター選手に対し、未来を担うホープを当て込むことがあるが今戦はそれとは異なる。まだ、PFP傑作としても力の衰えがないロマチェンコに勝てば一気にスターダムにのし上がることができる。

 ロペスはまだ23歳。もし、ロマチェンコに負けたとしてもそこまで評価を下げることはないだろう。年齢からしてもまだいくらでもキャリアを再構築することはできる。

 一時、報酬をめぐり契約成立が危惧されたが合意に至った。当初、ロペスは契約するトップランク陣営から受けた125万ドル(約1億3250万円)では不満を示しサインをしなかったことで、トップランク社のボブ・アラム氏が交渉決裂の可能性を示唆したたことでトーン・ダウンしたが、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)が報酬の減額に応じ無事に合意に至った。

 PFPの地位を確立し報酬を300万ドル以上に引き上げたロマチェンコ。今戦はさらに報酬はアップし350万ドル(約3億7000万円)受け取ることで同意していた。ロマチェンコが25万ドルの報酬減額に応じ、25万ドルアップ、150万ドルに報酬を引き上げることに成功したロペスは同意。合意に至った。

 コロナ禍でゲート収益(チケット、販促品)がなくなったことが、資金調達を難しくした理由だろう。大きなアリーナであればプロモーターが補填することは難しくなったかずだが、コロナ禍でゲート収益はゼロ、新型コロナウイルス(COVID-19)の検査費用などが重くのしかかっている。

 ロペスがどうロマチェンコに対抗するのか興味深い。一発のパワーショットならロペスだが、ポジショニングに長けるロマチェンコに当てることができるが焦点にある。変幻自在に動くロマチェンコを捕獲することができるかどうか。

 そして、まだロペスの実力に疑問を抱くひともすくなくない。リチャード・カミー(ガーナ)をカウンターで葬り王座を獲得しロマチェンコ戦に近づいたが直前の中谷戦では大苦戦。減量苦が囁かれていたが、身体能力を活かしたボクシングは中谷に封じられ疑問符がついた試合だった。今戦は、劣勢になったときの挽回力、タフネス、スタミナ、ディフェンス全てが試される戦いになる。

井上対モロニー 10月31日



 2020年4月25日米ラスベガスにあるマンダレイ・ベイで挙行が決まっていたが、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で延期。ふたたび、交渉再開の動きも見られたが進展することなく破断した。

 トップランクは報酬減額を示唆したことで、井上対カシメロ戦合意に暗雲が立ち込めた。そして、カシメロは所属するMPプロモーションズと強調関係にあるPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)の舞台で無名のデューク・マイカーと対戦することが決まり井上戦は完全消滅した。

 トップランク カール・モレッテイ氏は交渉決裂の理由の1つとしてゲート収益(チケット、販促品)について言及。おそらく、井上の報酬は試合を中継するESPN(米スポーツ専門チャンネル)が仕払う放映権だけでなく、日本からの現地応援を含めチケット収入を割り当てるつもりだったのだろう。詳しくはこちらの記事を御覧ください。

 ジェイソン・モロニーに決まり落胆する声が多いのは理解できる。モロニーは、井上尚弥が優勝したWBSS準々決勝でエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)に敗れている。モロにーは決して弱い選手ではないが、これまでトップ・コンテンダー相手に圧勝してきた井上との地力の差は大きい。カシメロであればキャリアも十分、話題性もあるしパンチャーといったところも期待感があがっていた要因の1つだろう。

 一方のモロニー。キャリア、戦力で比較するまでもない。バンタム級でのキャリアで世界基準を満たす相手は、エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)のみ。直近、レオナルド・バエス戦はコロナ禍の顔見世イベントで相手は格下だ。

 オッズは当然、井上に傾いている。モロニーが勝てば大番狂わせ、オーストラリアのボクシング史に歴史を刻むことになる。井上の脅威になるパワー、フィジカル、特質的なものを持ち合わせてないなか、井上とどう戦うのか戦略が興味深い。

 得意の接近戦で井上のガードをこじあけビッグ・ショットをあて、ペースを乱すことができるかどうか。井上の距離で戦えば序盤1〜4ラウンド、はやいラウンドで終わる可能性も十分ありえる。

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