WBCロマチェンコをフランチャイズ王者として承認したことは正しかったと主張

 今に始まったことではないがボクシング界は有望株は優遇される。WBC(世界ボクシング評議会)の決断を巡り論争を引き起こしている。WBC会長マウリシオ・スライマン会長は、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)をフランチャイズ王者とし、デビン・ヘイニー(米)を正規王者へ昇格させたことを正しかったと主張。WBCの迷走は続いている。

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 本来であれば、ロマチェンコは、当時暫定王者だったヘイニーとの王座統一戦が義務付けられていたが、WBCは突如ロマチェンコをフランチャイズ王者へ、ヘイニーを正規王者へ昇格させ両雄の一戦の回避に動いた。そして、ヘイニーが休養王者となり、キャンベル対フォルトゥナの一戦が正規王座決定戦となり、休養王者との統一戦が義務付けられるはずだったが、ヘイニー陣営から正規王者への移行要請を受けたWBCはあっさりヘイニー陣営からの要請を承認。全てを撤回しヘイニーを正規王者へ引き上げた。

 WBCは、ライト級王者デビン・ヘイニーが怪我のため防衛戦を行えいことを受け休養王者へ移行を決定。空位となった王座をルーク・キャンベル(英)対ハビエル・フォルトゥナ(ドミニカ共和国)に命じ、両陣営は合意。挙行日程も決まっていたが、休養王者だったヘイニーを正規王者へ戻し、キャンベル対フォルトゥナ戦は暫定王座決定戦へ格下げした。

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ヘイニーはロマチェンコへの挑戦権を保持していた

photo by:boxingscene


 WBCスライマン会長は、現在ライト級にはフランチャイズ王者を含め2人、暫定王座が量産される王座乱立状態だが「素晴らしいマッチメークだ。キャンベル対フォルトゥナ戦は暫定タイトルを争う形になる。ヘイニーには素晴らしい戦いの機会がある」これが正しい決断だったと主張。マッチメイクが難航を極めると分かれば、都合よく空いているダイアモンド王座、フランチャイズ王座へ王者をスライドさせ解決するのがWBCの手段だ。

 現在のWBC王者を整理してみよう。フランチャイズ王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)、正規王者デビン・ヘイニー、そしてキャンベル対フォルトゥナの暫定王座決定戦が見込まれている。もちろん、ヘイニーと契約するマッチルーム・ボクシングにとってはロマチェンコ戦よりもマッチメイクは容易となり、その後のシナリオも描きやすくなったということもある。

 もともと、WBC暫定タイトルを保持するデビン・ヘイニーは正規王者となる前、当時、WBA・WBC・WBO3団体を統一するワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)とWBC王座統一戦が義務付けられていたもの、ロマチェンコ陣営と契約するTopRankとは契約するTV局の違いから統一戦の実現は難しいという見方が殆どだった。

 もちろん、TV局の障害だけでなくヘイニー陣営がロマチェンコとの統一戦を避けたかった可能性はある。ヘイニーはライト級若手有望株の1人だが、まだまだ成長途中だ。フロイド・メイウェザーJr.(米)に近いと言われているが直近のアフレド・サンティアゴ(ドミニカ共和国)との初防衛戦は、相手のフレームと反撃に苦戦を強いられたことで評価は停滞。スピードがあり的中率も高いが、やや単調の試合運びで見せ場は少なかった。ただ、まだ20歳と若い。盤石なスタイルを武器に成長の余地があり、ロマチェンコ戦を数年先延ばしにもシナリオとしては悪くない。

 そこで、WBCは両陣営を納得させるため、ロマチェンコをフランチャイズ王者へ昇格させ、暫定王者だったデビン・ヘイニーを正規王者へ格上げする手段をとったのだろう。フランチャイズ王者はWBCが2019年に新設した王座で、その王座は明確に定義が決まっているわけではなく、統一戦など政治的な理由で難しくなった際にWBCが用意している王座だと断言していい。

WBCフランチャイズ王座はWBCの都合で設置された王座

 2019年6月にWBC・WBA・IBF3団体のベルトを保持していたメキシカンの人気者サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)はWBC暫定タイトルをもつジャーモール・チャーロ(米)との統一戦を命じられていたが、どういう訳かWBCはカネロに王座統一戦を強制することはなかった。

 当時、カネロはミドル級3団体の統一王者、WBCは多くの金を生み出すカネロ陣営とは揉めたくなかったはずだ。カネロとWBCはゴロフキンとの王座統一戦の交渉をめぐり関係が悪化したことが背景にある。カネロは、WBCから当時WBC暫定タイトルを持つゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)との王座統一戦を命じられたが、カネロとGBP陣営は強制された交渉はしないと事実上ゴロフキン戦を回避。カネロとWBCの間に亀裂が生じた。

 2015年、ミゲール・コット(プエルトリコ)戦を終え晴れてWBCミドル級のベルトを巻いたカネロ。本来であれば、このあとWBC暫定王者ゴロフキンとの統一戦に臨むはずだったが一戦先送りとなっている。米ラスベガスにあるT-Mobileアリーナのこけら落としでアミア・カーン(英)戦後に統一戦を実施することでWBC、ゴロフキン陣営と一旦は合意したが、カーン戦のあと交渉はまとまらずカネロ陣営はWBC王座を返上。ゴロフキン戦は約18ヶ月以上先延ばしとなった。

 一時はWBCとカネロの関係が悪化したものその後は関係は回復。ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)との再戦が終わりチャーロとの王座統一戦が決められていたもの、WBCは新設したフランチャイズ王座にカネロを承認。チャーロを正規王者へ昇格しカネロとの王座統一戦義務解除というファンや関係者が到底理解できない荒業に転じたのである。

(Via:boxing scene

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