アマの雪辱を果たすことは出来なかった。アマ時代の因縁の再戦として注目を浴びていたレイ・バルガス(メキシコ)対亀田和毅(協栄)の一戦はバルガスが勝利した。WBC世界スーパーバンタム級王座統一戦が、2019年7月13日米ロサンゼルス近郊カーソンにあるディグニティ・ヘルス・スポーツパーク(旧スタブハブセンター)で行われ、バルガスが12回0−3(117−111 3者)大差の判定で亀田和毅を下し王座統一に成功した。

 勝ったバルガスは、34戦全勝22KO、敗れた亀田は39戦36勝20KO3敗とした。リスク・ヘッジに余念がないバルガスは勝ったとは言え、WBA・IBF世界スーパーバンタム級統一王者ダニエル・ローマン(米)との統一戦の期待感があがるような戦いではなかった。

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 南カリフォルニアに位置するディグニティ・ヘルス・スポーツパークは、数々の名勝負を生み出す会場としても知られているもの、今戦は激闘の期待は薄かった。亀田は試合前の記者会見でバルガスを煽ったが、バルガスは自分のボクシングを崩さなかった。

 過去には、ティモシー・ブラッドリー(米)対ルスラン・プロボドニコフ(ロシア)、ルーカス・マティセ(アルゼンチン)対ジョン・モリナJr.(米)、亀海喜寛対ロバート・ゲレロ(米)戦などが名勝負として記憶に新しい。

 ウィリアムス・ヒルのオッズは、バルガス1.3倍、亀田が3.5倍、正規王者レイ・バルガスが優勢だった。

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バルガスは亀田をシャットアウト!


 「手数を多く出しスマートに戦うことが戦略だった」
 試合後にバルガスがこう語ったように試合はバルガスが支配していた。ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)の元トレーナーで知られる名匠ナチョ・ベリスタインと綿密に練った戦略だったのだろう。ジャブで亀田の出鼻を叩き寄せ付けなかった。
 
  試合を終始コントロールをしたのはバルガスだった。身長179cm、リーチ179cmとスーパーバンタム級ではかなり長身のバルガスは、リーチを最大限に使い亀田の接近を許さない。単発の亀田に対し、バルガスはコンビネーション、カウンターで応戦。決して、観客が喜ぶスタイルではないが明白に勝った。
  
 バルガスのジャブは亀田と比較すればスピードはないが、独特のリズムで繰り出されるロングからのジャブは、亀田にとって厄介だったに違いない。亀田は、距離に入るには一歩以上、入り込む必要がありバルガスの長いリードを攻略する必要があった。
 
 リング中央であれば完全にバルガスの土俵だ。亀田がステップ・インすれば、その分ステップバックすれば殆ど安全圏に居られる。亀田のステップ・インに合わせ、下から突き上げる左右のアッパーを合わせ警戒させ、亀田に打たせない状況を作った。

 一方の亀田、バルガスの長い距離に苦労していた。得意のダブル、トリプルのジャブは、ステップ・バックでかわされバルガスの防壁を崩すことはできなかった。1回、クリーン・ヒットした右のオーバーハンドは有効だったが、単発でバルガスを崩すことは難しく手数は圧倒的に不足。打開するためのプランBが必要だった。

 中盤以降、バルガスは自身のボクシングを徹底した。好戦的な亀田は前にでてくる。亀田の入れない距離からジャブを出し、打ち終わりに軽打の速い連打をまとめ、着実にポイント・アウト、クリンチも巧みに使いペースを握った。

 いつもならシャープなジャブが光るが亀田和毅が放ったジャブはバルガスの半分にも満たなかった。CompuBoxによると、バルガスが放ったジャブは443発、亀田は77発。トータル・パンチ数はバルガスの半分程度だった。

 パンチ・スタッツは以下のとおり。

選手 トータルパンチ ジャブ パワーパンチ
バルガス 798発中173発 22% 443発中51発 12% 350発中122発 35%
亀田 384発中133発 34% 77発中13発 17% 317発中120発 38%
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バルガスはローマンと統一戦を希望

photo by:boxingscene


 「まずは、みんなにお礼を言いたい。彼はときにアグレッブでハード・パンチャーでもあった。今夜は彼の夜だった。彼のことはチャンピオンとしてリスペクトしています。ふたたびチャンピオンになるチャンスを得るためにはもっとトレーニング、学ぶことが必要です。メキシコのファンにはとても感謝しています」
 バルガスに雪辱できなかった亀田は、次のチャンスを目指す。好戦的な亀田、アピールは足りなかったかもしれないが、スペイン語も流暢に話せる。再起は海外のリングでも良いかもしれない。

 一方、メキシカンのバルガスは試合後にブーイングを浴びた。メキシカンはいつだって勇敢に戦うファイターをリスペクトする。そういった意味では、バルガスは試合に勝ったもの期待はずれだったのかもしれない。

 試合後、WBA・IBF世界スーパーバンタム級王者ダニエル・ローマン(米)との統一戦を希望。「メキシカン同士の戦いそれは戦争になる」と強調。しかし、バルガスがローマンと戦ってもメキシカンがリスペクトする好試合になるかは不安は残る。

(Via:ESPN

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