ロペスがコミーに勝ちIBFライト級王者にライト級はどうなるのか

  ”Take Over”完璧なクロス・カウンターだった。12月14日米ニューヨークMSGアリーナで、IBF世界ライト級タイトルマッチが行われ、テオフィモ・ロペス(米)が王者リチャード・コミーと戦い2回TKOで仕留めIBF世界ライト級王座奪取に成功した。ロペスがIBF新王者となってことで、2020年以降WBA・WBO世界ライト級統一王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)との統一戦に向け一歩前進した。

 中谷戦で大苦戦したことで評価が鈍化したが、ライト級で紛れもない実力者のコミーに勝ちIBFタイトルを獲得したことの意味は大きい。2020年、ライト級には若いタレント達が揃う。ライト級トップ戦線がどうなるのか今から楽しみだ。

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ロペスは実力を示せるかどうか

photo by:boxingscene


 ロペスにとって、ライト級強豪の1人リチャード・コミー戦は実力を示す最大のチャンスだった。しかし、これまでロペスはコミーのような、パワーがありジャブが上手い選手との経験はなく厳しい戦いになる見方も少なくなかった。

 米国期待のホープがテオフィモ・ロペスだ。TopRank社と契約したロペスは、実はそこまで期待値の高い選手ではなかった。堅実なボブ・アラム氏のマッチメークのもと、評価をあげてきたが最近では過大評価という声も耳にするようになった。

  リオ五輪で米国代表権はとれなかったが米大陸予選を通過しホンジュラス代表としてライト級で出場。1回戦で敗退した。その後、TopRank社と契約を果たしメイソン・メナード(米)、ディエゴ・マグダレノ(米)、エディス・タトリ(フィランド)らを一蹴。ライト級で強い存在感を示すPFP傑作のワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)を脅かす存在とまで言われたが、まだ強豪との対戦はなく過大評価感はあった。

 そんな中、中谷正義とIBF挑戦者決定戦が決まった。オッズは中谷が13倍、オッズが示すとおり誰もがロペスが圧勝すると見ていた。だが、ロペスのL字ガードはルーズで防壁はそこまで厚くなく中谷がノー・チャンスではなかった。結果は中谷の距離に大苦戦、判定勝ちしたものロペスの評価は上がらなかった。

 中谷戦で苦戦したことで、IBF王者リチャード・コミー(ガーナ)戦に舵をきるか不透明な面もあったが、ライト級リミットを作ることに苦労しているという話もあり、何よりビッグ・マネーを一日でもはやく手にしたいロペスに選択の余地はなかった。

 一方のコミー、ロマチェンコとの統一戦が約束されていたもの、ロマチェンコの怪我で延期。6月にレイ・ベルトラン(メキシコ)を8回KOで葬り、IBF指名挑戦者ロペスを下せばロマチェンコとの統一戦が基本路線だった。

 世界各国を渡り歩いたジャーニーマンのコミー。ライト級で頭角を現すも世界戦にたどり着くのは長い道のりだった。トップコンテンダーとして存在感を強めていたが世界タイトル挑戦を獲得することは簡単ではなかった。

 2016年9月、当時無敗のIBF世界ライト級王者ロバート・イースターJr.(米)に挑んだが僅差の判定で敗れIBFに判定結果を不服として再戦を申し出たが叶わなかった。その代わり、IBFランキングを落とすことなくデニス・シャフィコフ(ロシア)とIBFエリミネーター・マッチを争うことが決まった。しかし、敵地ロシアに出向いたのも判定負け、プロモーターから契約を切られたコミーは窮地に立たされた。

 その後、ニューヨークのイベントを取り仕切るディ・ベラ・エンターテイメントと契約しイサ・チャニエフと空位のIBF王座決定戦を制しIBF王座を獲得。ロマチェンコとの統一戦が内定していたが、拳を負傷したことでロマチェンコ戦は一旦白紙となり、怪我が回復して6月にレイ・ベルトラン(メキシコ)と戦い8回KO勝ちした。

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コミーが優勢だった

 主導権を握っていたのコミーだったが、ロペスの一撃で全てが変わった。スピード、反射神経、身体能力が高いロペスだが、この日ばかりは苦戦を強いられた。

 ジャブでは明らかにコミーが優れていた。ロペスが入り込めない距離からソリッドなジャブでロペスの前進を阻み顎を跳ね上げた。身体能力は高いが決してディフェンスは良くない。L字ガードはルーズで多くの欠陥がある。

 2回長い距離に苦戦したロペスはコミーの長い距離を潰す必要があった。2回、ジャブの差し合いでは依然として厳しい。迎撃スタンスに切り替えたロペスは、得意の左フックのカウンターでコミーをグラつかせ、右のクロス・カウンターが火を吹きダウンを奪った。コミーは立ち上がったがフラフラ、ロペスの猛攻を受け防戦一方、レフェリーが試合を止めた。

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2020年ライト級はどうなるのか


 ライト級といえばPFP傑作ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)が強い存在感を示しているが、才能溢れる若いタレントが多く揃っている。

 まずは、休養王者となったWBC(世界ボクシング評議会)王座を保持するデビン・ヘイニー(米)だ。サンティアゴ戦は苦戦を強いられたが、まだ20歳で成長の余地はある。ヘイニーが休養王者となり空位の王座決定戦がルーク・キャンベル(英)とハビエル・フォルトゥナ(ドミニカ共和国)で争われることが決まっている。

 そして、ヘイニーとライバル関係にあるのが、ゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)の若きエース、ライアン・ガルシア(米)だ。ガルシアは、ロメロ・デュノ(フィリピン)を1回で沈めたことは記憶に新しい。試合でも実績を積んでいるガルシアは、何より人気が高く会場を満員にする観客動員能力に長けている。

 ガルシアは、同じ傘下のホルヘ・リナレス(ベネズエラ)戦を熱望。2020年にも実現する可能性がでてきている。ガルシアは、2月に米アナハイムにあるホンダ・センターでメインを務め、そのアンダーカードにリナレスの出場が内定。順当に2人が勝てば、プロモーターは2人のマッチメークを目論んでいることは周知の事実だ。

 そして、次はこの3人の中で最も実績のあるガーボンタ・デービス(米)だ。スーパーフェザー級でアブネル・マレス(メキシコ)戦が締結したことで、課題だった知名度を上げる機会を得たがマレスが網膜剥離を患い試合が中止となってしまった。

 いまだ知名度が大きな課題だが、故郷米メリーランド州ボルティモアでは絶大な支持層がある。2019年7月地元ロイヤル・ファーム・アリーナで行われたリカルド・ヌネス戦ではアリーナは満杯となり、その日グーグル・トレンド入りを果たしている。次戦は古巣ユリオルキス・ガンボア(キューバ)との対戦が決まっている。

 TV局のハードルが厚く立ちはだかるが、この4人がリーグ戦のように戦えばライト級戦線は大きく盛り上がることは間違いない。1つの階級にこれだけのスター候補が集まることはまず少ない。マッチメークを締結することは容易ではないが、プロモーターらは歩み寄り実現に向け動いて欲しい。

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