【結果】シーサケット対アムナット今後を占う

 シーサケット・ソー・ルンヴィサイ(タイ)がアムナット・ルエンロン(タイ)と対戦し3−0(97−94、96ー93、99−91)の判定勝ち。ベテランのアムナットを前に印象的なシーンは見せることは出来なかったが、約16ヶ月ぶりのリングで圧倒的な手数、パワー、スタミナは十分であることを示した。シーサケットは今後、米国でローマン・ゴンサレス(ニカラグア)、ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)との再戦に臨む可能性が高い。

 勝ったシーサケットはプロ通算54戦48勝(41KO)5敗2KO1分、アムナットは24戦20勝6KO4敗2KOとした。


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シーサケット対アムナットは生き残り戦

 もともと、4月1日タイでセットされていたが新型コロナウイルスがパンデミック(世界的流行)となった影響で試合が8月に延期となっていた。元王者の肩書きをもつ両者の対決は文字通りトップラインに返り咲くためのサバイバル・マッチだった。

 ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)に2戦2勝スーパーフライ級トップに躍り出たシーサケットは、スーパーフライ級タレントの1人ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)を退け存在感を強めたが再戦で判定負けを喫した以来リングから遠ざかっている。

 アムナットは40歳を迎え峠を越しているもの油断は出来ない。今戦はエストラーダに敗れてからおよそ16ヶ月ぶりのリングだからだ。直近では高水準のレベルの相手と戦っているが、33歳となったシーサケットは錆びついていないかどうか。スーパーフライ級トップの実力者であることを証明する戦いだった。

アムナットはあとがない

 一方、一時は日本でも有名人となったのがムナットだ。2014年5月井岡一翔と対戦しIBF世界フライ級王座奪取に成功。一時はフライ級戦線で存在感を示したが、ジョンリール・カシメロ(フィリピン)との再戦で敗れトップ戦線から離脱している。

 フライ級では、井岡一翔に勝った以降、オリンピアンのマックウィリアムズ・アローヨ(プエルトリコ)、五輪金メダリストのゾウ・シミン(中国)、ジョンリール・カシメロ(フィリピン)と実力者達に勝利している。

 カシメロとの再戦に敗れた以降、リオ五輪に出場。ムエタイ復帰し日本で那須川天心と対戦しKO負け。主戦場を転々としたがプロ・ボクシングの舞台に戻っている。しかし、WBC(世界ボクシング評議会)、WBO(世界ボクシング機構)の地域タイトルで敗戦。40歳となったアムナットはラスト・チャンスだった。

シーサケットは存在感を示せるか

 立ち上がりから手数を出したのはシーサケットだったが、老舗アムナットをフィニッシュに持ち込むのは困難だった。40歳のアムナットは後半は失速したもの前半はシーサケット相手にカウンターと距離で上手くポイント・アウトし健闘が光った。

 1回からパワーショット、コンビネーションを叩き込んだがアムナットは、距離とブロッキングを上手く使い分け対応。攻勢にでるシーサケットの攻撃を距離で外し右フックのカウンターを上手くコネクトしシーサケットの追撃を許さなかった。

 3回、アムナットの偶然のバッティングでシーサケットが左目をカット。4回、カットしたシーサケットは先を急ごうとするが、カットしたシーサケットは視界不良。アムナットは、下から突き上げるアッパー、ジャブ、右ストレートで対抗した。

 両者はクリーン・ヒットはなく一進一退の攻防が続いていたが、アムナットが7回以降、スタミナが切れたのか手数が減り急激に減速。これまでは、打ち終わりにカウンターを浴びせたがクリンチ・ワークに逃れるシーンが目立ってきた。フラストレーションが溜まるシーサケットは10回、ラッシュを仕掛けKO決着を探るが終わりのゴングを迎えた。

シーサケットはエストラーダと再戦か


 パズルのピースがどう埋まるのか。次戦は流動的になりそうだ。タイトルホルダー達の動向を見てみよう。まず、新型コロナウイルスに感染し現在は回復したと報じられているWBC世界スーパーフライ級王者ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)は10月17日に次戦が予定されている。

 エストラーダは次戦、WBA(世界ボクシング協会)王座返り咲きに成功したローマン・ゴサンレス(ニカラグア)、シーサケットとの再戦に言及。「まだ相手は決まっていない」とコメント。プロモーターのマッチルーム・ボクシング、エディ・ハーン氏はエストラーダ対ゴンサレスの再戦を匂わせている。

 ロマゴンとの8年ぶりの再戦は契約するマッチルーム・ボクシングとDAZN(ダ・ゾーン)にとって最有力オプションとなるが、条件面で合意できるか懸念される。数年前にも再戦が期待されたもの米プレミアム・ケーブルTV局と契約したロマゴンは100万ドルの報酬を要求していた。

 最近でもエストラーダとの統一戦の動きがあったが、ロマゴンが100万ドルを条件にだし報酬をめぐり難航する恐れがでている。コロナ禍で予算が削減するなかDAZNが2人が納得いく条件を掲示できるかどうか。

 ロマゴンはシーサケットとの再戦でキャリア最高となる60万ドル(約6451万ドル)の報酬を受け取っている。HBOが高額報酬を支払ったのは軽量級にフォーカスしたことも理由にもある。ボクシング予算を削減されたHBOの興行は100万ドルを下回るスケール・ダウンを強いられた。HBOが軽量級にフォーカスしたのは資金調達が難しくなったことが背景にある。

 エストラーダ、ロマゴンが合意するか不透明だが、アムナットに勝ち再起に成功したシーサケットは「パフォーマンに満足している。エストラーダと話がしたい。WBCタイトルを再びタイに持ち帰りたいね」と試合後のリングインタビューでコメントしている。

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