ボクシング再開スティーブンソン戦の視聴件数は40万件に届かずその理由は

 新型コロナウイルス(COVID-19)がパンデミック(世界的流行)となり、2020年3月から中止に追いやられていた米国のボクシング帰ってきた。TopRank社(米有力プロモーター)は現地時間6月9日、米ネバダ州ラスベガスMGMグランド・カンファレンス・センターでこれまでに前例のない無観客開催として再スタートを切った。

 これまでボクシング興行でこんな大掛かりな検査はなかっただろう。コロナ禍のなかネバダ州のコミッション(NSAC)が新型コロナウイルス感染症対策のガイドラインを設置。会場内の人数制限、選手の新型コロナウイルスの検査が義務付けられ、人との接触は最小限に制限。、新型コロナウイルス検査をクリアすると、感染予防策として会場となるMGMが用意したホテル、練習施設で過ごすことが義務付けられた。

ヘッドラインにセットされたWBO世界フェザー級王者シャクール・スティーブンソン(米)はこの日は130ポンドノンタイトル10回戦でフェリックス・カラバリョ(プエルトリコ)を6回TKO勝ちした。

Sponsor Link

 TopRankと契約するESPNが中継、全米でメジャー・スポーツが中止になっていることから好視聴件数が期待されたが、ニールセン・メディア・リサーチによると39万7000件と40万件に届かず不発。大きな課題を残した。

6月米国にボクシングが帰ってきた

photo by:boxingscene


 多くのファンが待ち望んでいたことは間違いなかった。2020年2月、米国で新型コロナウイルスの感染が拡大。3月、米国の主要都市で都市封鎖が相次ぎ米国からプロ・スポーツの需要が蒸発した。都市封鎖の効果もみえ新規感染者数の推移が鈍化してきたとこでUFCが無観客開催でのPPV(ペイ・パー・ビュー)興行を打ち、PPVが好セールスを叩きだしマーケット需要が高いことは明らかだった。

 米トランプ大統領が経済再活動に向けてのガイドラインを発表したことで、各州で停滞していた経済を再開させる動きが強まった。なかでも、メジャー・リーグ(MLB)やNBAなどと違い少人数で開催することが可能なプロ・ボクシングは再開の機運が高まっていた。

 プロ・ボクシングが再開となったネバダ州では、規制緩和が進み知事がカジノ営業の感染症対策のガイドラインを発表。スポーツは無観客での開催が認められた。そして、6月ラスベガスのストリップ通りのホテルを運営するMGM社が営業再開を決め舞台が整った。これを受け、ネバダ州の格闘技イベントを統括するNSAC(ネバダ州アスレチック・コミッション)はTopRank興行の申請を承認した。

低調だった理由は

 米国のメジャー・スポーツがコロナ禍で停滞を余儀なくされ、プロ・ボクシング復活は好視聴件数を獲得できるチャンスだったが低調に終わった。用意された対戦カードは興味をひくものだったのだろうか。いくら、ボクシングが見れるといっても視聴者を納得させる対戦カードを用意できなければ視聴件数は伸びない。

 メインを務めたシャクール・スティーブンソン(米)がまだ全国区レベルでないこともあるが、対戦相手のプエルトリカンのカラバリョは殆ど無名。ノンタイル戦も視聴件数に影響を及ぼしたことは間違いないが、マッチメイクは興味をそそるのもではなかった。一方、成功したのが5月フロリダで無観客開催に踏み切ったUFCだ。

 ダブルタイトル戦として興行を打ち無観客を前提としたイベントでは批判はあったが、新型コロナウイルスの感染症対策を実施。施設内にはいれる人数を制限し選手には新型コロナウイルスの検査を実施した。

 興行は豪華2本のタイトル戦がセットされインパクトは十分だった。トニー・ファーガソン(米)対シャスティン・ゲイジー(米)のライト級暫定王座決定戦がセット。プロモーターのダナ・ホワイトは勝者と王者ハビブ・ヌルマゴメドフ(ロシア)を目論むシナリオだ。そして、セミにはヘンリー・セフードとドミニク・クルーズのバンタム級タイトルマッチがセットされPPVセールスも好調、好スタートを切っている。

トップランクは好カードを組めるかどうか

 TopRank主催のイベコロナ禍の興行でメインを張ったスティーブンソンが130ポンド・ノンタイトル戦となったのは、階級アップの試運転ではなくコロナ禍で十分な練習ができなかったことが理由だった可能性もあるが、米国に対戦相手を呼べなかったことが大きい。

 もちろん、TopRank社が好カードをまとめることは困難な状態だったことは理解できるが、この状況が続ければ、視聴離れは加速しかねない。コロナ禍のなか有力な人材を集めれるかどうか。視聴者の興味をひくマッチメイクを組むことができるかが問われる。

 新型コロナウイルスがパンデミックとなり、欧米を中心に都市を封鎖。各国が感染拡大防止策として、渡航規制をかけたことで中南米の選手はもちろんグローバルに散らばる人材を集めことが難しくなっている。4月、ラスベガスでWBA・IBF世界バンタム級統一王者井上尚弥はWBO王者ジョンリール・カシメロ(フィリピン)と対戦する予定だったが、会場となるMGM社が運営するホテルで、従業員がコロナウイルスに感染したことでMGMはクローズ・アウト。米国で新規拡大したこともあり延期となった。

 TopRankボブ・アラム氏は、人気選手を米ラスベガスやテキサスの屋外会場で観客を動員してのイベントを示唆しているが、ワクチンが供給されるまで厳しい状況が続くだろう。米フロリダ州では新型コロナウイルス感染者数が増加し、第2波到来への不安が広がり感染再拡大の現実味が帯びてきている。

 7月からTopRank社のライバルPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)も再開する見通しだが、TopRank社と同じようにスター・クラスの選手が登場する気配はない。プロモーターは選手の米国入、米国での感染再拡大、マッチメイクと頭を悩ませる問題は山積み。コロナ収束の見通しがたたない中、ベテランのボブ・アラム氏がどう再建するシナリオ描くのか手腕の見せ所となる。

(Via:boxing scene

Sponsor Link

関連記事

米カリフォルニア州でコロナ禍のなかプロ・ボクシング復活の兆し

シャクール・スティーブンソン6月米ボクシング再開の一戦はノンタイトル戦の見通し

DAZN新型コロナウイルスにより放映権料は支払わない意向



  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください