米国ボクシング6月にWBO世界フェザー級王者スティーブンソンの防衛戦で再スタートか

 北米のプロ・ボクシングが6月に復活の兆しが見え始めている。選手、関係者らの安全が確保される環境作りが急務だ。米アスレチック記者のマイク・クッピンガー氏によれば、イベント再開を探っていたTopRank社(米有力プロモーター)は6月9日米ネバダ州ラスベガスにあるMGM系列の会場でWBO世界フェザー級王者シャクール・スティーブンソン(米)の初防衛戦が大筋合意。TopRank社は6月から週に2つのイベントを計画しているという。

photo by:boxingscene


 メインイベントはジョエト・ゴンサレス(米)に完勝したTopRank期待のホープ、シャクール・スティーブンソン(米)がラファエル・リベラ(メキシコ)/34戦27勝(18KO)4敗2分を相手に初防衛戦を行う。TopRankと提携するESPN(米スポーツ専門チャンネル)が中継。北米のボクシングは2020年2月に停止して以来3ヶ月ぶりの興行再開となる。

 ボクシングはMLB(メジャーリーグ・ベースボール)やNBAと違い北米ではメジャー・スポーツではないが、イベント再開が決まれば多くの視聴件数が見込まれるだろう。ESPNのネット配信サービスのESPN+は、殆どが過去のアーカイブだ。イベントを待ちわびている人も多い。

 先日、米フロリダで行われたUFC249はESPN+で50万世帯、ESPNでは約146万件と高いスコアを記録。米国では雇用統計が発表され、失業率は過去最悪の14.7%と上昇したが、マーケットはスポーツに飢えていることは間違いない。

ラスベガスでは規制が緩和

 再開の見込みが見え始めたのは、ネバダ州が都市封鎖の緩和に動いたからだ。新型コロナウイルスの感染が拡大した影響でラスベガスはゴーストタウンとなっている。各州で感染者増加のスピードが鈍化したことで、規制の緩和が進められストリップ通りに面するMGMも6月営業再開に向け動いている。

 カジノ再開の指針も発表された。新型コロナウイルスの影響で深刻な経済的打撃を受け、客足をはやく戻したいといった意向もあるだろう。だが、各州で規制が緩和されても足元では新型コロナウイルスの感染再拡大がくすぶる。営業再開するとはいえまだ規制対象のサービスは多く、元のラスベガスの姿に元通りになるのには時間がかかりそうだ

 ソーシャルディスタンス(社会的距離)を保つことが前提となるが、レストランや理髪店、ショッピング・モールなど一部では営業再開が認められている。先日、韓国で感染拡大したナイトクラブや、バー、フィットネスジム、ショー、スポーツイベント、コンサートなどは主要なサービスはまだ規制対象だ。

アラム氏は6月-7月再開を目指す

 新型コロナウイルスの影響でイベントの延期や中止に追い込まれたTopRank社ボブ・アラム氏は、ネバダ州、コンバット・スポーツを管轄するNSAC(ネバダ州アスレチックコミッション)と協議、医療関係者らと新型コロナウイルスの対応、再開時期を巡り協議していた。

 イベント再開にあたりいくつか課題をクリアする必要がある。まず、懸念されるのが新型コロナウイルスの感染再拡大だ。選手やTVクルー、関係者らはMLB、NBAと違い少ない人数だが感染症対策は徹底する必要がありウイルス対策の指針を示す必要がある。

 選手を含め関係者らの新型コロナウイルスの検査は必須だ。UFC249は興行的に成功したが、出場選手から新型コロナウイルス検査で陽性反応がでている。無症状だったが待機用のホテルで自主隔離される事態となっている。

 スポーツメディソン調査&検査研(SMRTL)は、UFC、MLB、NBAの選手に対し新型コロナウイルスの調査を試験的に導入。PCR検査と違い血液検査で10分で結果がわかるという。各州のコミッションと連携すれば安全性を担保できる。選手が積極的に検査を受けることで全体像の把握にもつなげることができる。

 もう1つは、関係者ら全員が外部との接触機会を極力減らすことだ。出場する選手の練習環境の確保、トレーナーやチーム、家族、関係者ら全員に対し安全な隔離環境が必要になってくる。隔離環境は、日経新聞によるとMGMが再開プランを提案しているという。

 NBAに提案したオファーは、MGMが所有するストリップ通りに面したホテルを宿泊施設を提供。隔離環境の施設を練習環境とし、コンベンション・センターで無観客での試合を行いTV中継するというプランだ。プロ・ボクシングでもこうした対応策がとられれば安全性は増す。

新型コロナウイルスと共存できるか

 今後は、新型コロナウイルスとどう共存していくのかがポイントになってくる。ワクチンができるまでビッグ・ファイトはしばらくの間見れないかもしれない。グローバル環境に依存するプロ・ボクシング、人の移動制限が解除される可能性はあるが、最大のネックは会場での新型コロナウイルス感染再拡大だ。

 米国でワクチン開発のプロジェクト「オペレーション・ワープ・スピード」の計画が進んでいる。通常、数年かかるワクチンの開発を8ヶ月短縮にさせ2020年内に1億人分のワクチンを用意するプロジェクトだ。だが、ワクチンがこの期間で開発できる保証はなく、年内に出来たとして全世界に普及するまでどれだけ時間がかかるか不透明だ。

 ニカラグア、メキシコで社会的距離を確保して実施されたが、大人数が集まるイベントは北米では、しばらくのあいだ規制対象になる公算が高い。米国の感染者は鈍化しピークアウト傾向だが、各州で行動制限を緩めたことで感染者は増加傾向にあり第2波を警戒する声は多い。各州に従うことになるが、ラスベガスでスポーツイベントは規制され大型イベントはワクチンが開発されるまでは難しいだろう。

 いずれにせよ、ESPN(米スポーツ専門チャンネル)やTopRankもこのまま企業活動を停滞するわけにはいかない。新型コロナウイルスの感染症対策を徹底してリスクをできる限り軽減した新たなビジネスモデルを構築する必要がある。選手にとっても報酬は死活問題、現役の時間は限られキャリアにも大きな影響を及ぼしている。TopRankがコロナ禍で仕掛ける6月北米での再始動が新たなニューノーマル(新常態)になるかもしれない。

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