DAZNマッチルーム日本進出か!村田諒太のメガファイトを占う

 ボクシング・WBA世界ライトフライ級王者京口紘人が、米英で精力的にプロモーター活動を行うマッチルーム・ボクシングと複数戦契約したことを発表。日本人ではマッチルームと契約した第一号となる。今回は、京口が契約したマッチルームを簡単に紹介。そして、グローバル展開を強めるマッチルーム、DAZNが日本に上陸するとどうなるのか。スーパーフライ級王座統一戦、村田諒太のビッグ・ファイトを占ってみたい。

 マッチルーム率いるエディ・ハーン氏は「グローバル展開を続けるなか、日本の世界チャンピオンを迎え2021年最初のショーを楽しみにしている」。と期待を寄せている。

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マッチルームはカネロとの協力関係を深めた

 マッチルームと契約した京口は所属するワタナベジムは移籍ではないと強調。マッチルームと契約した京口はエディ・レイノソ氏がマネージメントを務めるという。

 エディ・レイノソ氏はボクシング界の顔カネロのトレーナーとして知られ世界的に評価が高い。カネロの他、ライアン・ガルシア(米)、ルイス・ネリー(メキシコ)、アンディ・ルイス(米)らを教え子を持つ。レイノソ氏はトレーナーの他、カネロ・プロモーションズのマネージメントも兼務している。

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京口が契約したマッチルームとは何か

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 京口にとってマッチルームと契約したことの意味は大きい。最近では、TV局のバックアップがなく自身のYouTubeチャンネルで世界タイトルマッチを配信するなど模索。興行面で厳しかったが、マッチルームと契約することで安定した基盤を手にすることができる。

 マッチルームは、ボクシング界の重要人物エディ・ハーン氏が率いるプロモーターである。マッチルームはネット配信大手DAZN(ダ・ゾーン)と提携関係にあり米国で勢力を拡大。DAZNは2020年、200カ国にサービスをローチンしグローバル戦略を打ち出している。

 マッチルームは、WBA・WBO・IBF世界ヘビー級統一王者アンソニー・ジョシュア(英)や、WBO世界スーパーミドル級王者ビリー・ジョー・サンダース(英)、WBC世界フライ級王者フリオ・セサール・マルチネス(メキシコ)らと契約。元統一ミドル級王者ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)を共同プロモートしている。

 英国を拠点としビッグ・ファイトを仕掛けるマッチルームは2017年、米国へ初進出。HBO(米プレミアム・ケーブルTV局)とタッグを組み米国のプロ・ボクシング界に新規参入。しかし、HBOの予算縮小が進み親会社の方針が変わりボクシング中継から撤退。エディ・ハーン氏は、HBOが離脱したことで米国における中継パートーナーを探してた。そこで、手を結んだのがDAZNだった。

 DAZNは英国を拠点とするパフォーム・グループ傘下で動画配信サービスを世界7カ国に展開。当時、新たに米国進出を目論んでいた。そこで、マッチルームはDAZNと8年10億ドルという超巨額な契約を結んだ。

 10億ドルという数字は途方もない金額だが、HBOがプロ・ボクシング中継から撤退したことで大型投資するチャンスだった。北米ではプロ・ボクシング人気は低迷しているが、米FOXの人気番組スマック・ダウンに匹敵する視聴件数を叩き出す潜在力があり、プロ・ボクシングは米メジャー4大リーグと比較すると放映権は安く割安に放置されていた感はあった。

 もちろん、DAZNが北米でボクシングにフォーカスしたのは4大リーグ(MLB、NHL、NFL、NBA)の放映権が数年先まで握られ、ネット配信サービスが台頭したことで放映権争いが加速していたことも背景にある。DAZNは、業界でも影響力の高いウォルト・ディズニー傘下ESPN(米スポーツ専門チャンネル)元社長のジョン・スキッパー氏をエグゼクティブ・チェアマンとして迎え入れている。

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なぜ、マッチルームは京口と契約を結んだのか

 欧米で精力的にイベントを行うマッチルームが、なぜ軽量級の京口と契約したのか疑問に思う人もいるだろう。京口獲得はマッチルーム、そしてグローバル戦略を打ち出すDAZNにとっても大きなメリットがある。

 DAZNは新たに200カ国にボクシングを中心としたサービスをローンチ。2019年、イタリアやスペイン、欧州にサービスを拡大したことで全世界の購読者を800万人まで増やし2020年グローバル戦略にカジを切っている。日本でもボクシングを提供しているが欧米の興行が中心。京口を獲得したことは、日本で新規ユーザー獲得につなげる足がかりになる。

京口対マルチネス

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 京口は海外遠征なのか。それとも日本で挙行するのか定かではないが、欧米だけでなくグローバル戦略を打ち出しているDAZNは、軽量級の中心地日本のマーケットで興行を視野にいれていることは間違いないだろう。獲得した京口、統一戦が期待されるスーパーフライ級頂上決戦の青写真。そして、DAZNのアンバサダーを務めたこともある村田諒太のメガ・ファイト実現の期待も膨らむ。

 京口はライトフライ級だが3階級制覇も視野にはいっているだろう。そうなれば、同じマッチルーム傘下でエディ・レイノソ氏の教え子、WBC世界フライ級王者フリオ・セサール・マルチネス(メキシコ)戦が契約に盛り込まれていても不思議ではない。

 もちろん、北米でのマッチメークも可能だが、軽量級の関心が低い北米より軽量級の中心地である日本開催が理にかなう。

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スーパーフライ級3団体統一戦開催か

source by:The Ring

 そして、エディ・ハーン氏が参入することで期待が高まるスーパーフライ級王座統一戦実現が現実味を帯びてくる。強豪が集うスーパーフライ級、年末にWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ、2021年3月WBA・WBCの王座統一戦が控え統一戦の機運が高まっている。

 2020年末にWBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔と田中恒成が激突。そして、2021年3月にWBC・WBA統一タイトルマッチ、WBC王者ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)とWBA王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)の再戦が行われる。

 勝者同士が戦えばスーパーファイトとして国内外の大きな注目を集めることができる。実現に関してもエストラーダはマッチルームと契約。ゴンサレスは帝拳プロモーションズと契約していることから、どちらが勝ったとしても報酬など条件さえクリアーできれば合意は難しくない。

 井岡一翔はフライ級時代、WBAスーパー王者ファン・フランシス・エストラーダとの統一戦が命じられ、交渉したが決裂している。破談になったのは他でもない興行権だ。井岡は日本でメジャー、エストラーダもメキシコで人気がある。つまり、日本開催に持ち込むにはアウェイで戦うエストラーダ陣営が納得する報酬を用意しなければ招致することは難しかった。

 マッチルーム、DAZNが介入することでどうなるのか。マッチルームは出し惜しみなくマッチメークすることでも有名。そして、近年では統一路線がトレンドであることから2021年3月に行われるエストラーダ対ゴンサレス戦の勝者と他団体王者との統一戦のシナリオを描いていることは間違いない。

 DAZNはコロナ禍で大打撃を受けたが、バックには富豪の投資家レン・ブラバトニックがつき潤沢な資金源をもつ。今以上に購読者を獲得するには好カードを継続的に提供することが急務だ。
 
 3団体統一に関して資金の心配はないが、日本開催の場合マッチルームと日本の井岡や田中のジムと共同開催になるのか。放映権に関しては日本のジム陣営とTV局と契約を握っていることもあり不透明な面もある。

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村田諒太、カネロ、ゴロフキンとのビッグ・ファイト実現なるか

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 ただ、何れにせよマッチルーム、DAZNが日本のマーケットに関心を示していることは間違いない。ここで期待されるのが、カネロやゴロフキンとの交渉が浮上したことがある村田諒太のビッグ・ファイトだ。2020年は1試合も消化できずに終わった村田は34歳とキャリア後期に差し掛かっている。

 村田は、カネロとの交渉が具体化したが決裂したが、来日経験のあるカネロはいまだ日本での試合に強い関心を示している。カネロはDAZNとの契約は解消されたが、両者の利害が一致すればカラム・スミス(英)戦と同じようにカネロがDAZNと手を結ぶことは難しくない。


 そして、カネロ同様に交渉が進みながら実現しなかったゲンナディ・ゴロフキンも村田との戦いに興味を示している。カネロがいたことでミドル級は注目を浴びていたが、カネロはスーパーミドル級にあげ、ゴロフキンの求めるカードが難しくなっていることも背景にある。グローバル戦略を本格化したDAZNにとって、村田諒太はビッグカードを握る鍵である。

 何れにせよ、マッチルームが日本進出を本格化することで、ビッグ・ファイトは実現しやすくなる公算が高い。京口の試合が決まればマッチルーム、DAZNの方向性もはっきりしてくるだろう。2021年に期待したい。

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