村田対カネロ戦の交渉が決裂した理由を探る

 村田諒太(帝拳)対カネロ(メキシコ)日本で待望されていたメガ・ファイトは合意には至らなかった。5月日本開催に向け交渉が進められていたが2日、関係者の話で交渉が決裂したことが明らかになった。交渉は決裂したが両陣営は、東京オリンピック後の秋実現に向け、交渉を継続していく方針だという。交渉が決裂した理由はなんだろうか。

 米メディアが村田対カネロの対戦交渉が進んでいることを明かし交渉の行方に注目が集まり、週刊新潮が内々決定と報じたことで実現の期待が高まっていた。

 ただ一方で、内々決定と報じられたがソースが明確でないことに加え不透明な部分も多く疑問視する声も少なくなかった。週刊新潮がリークした情報はかなり関係者に近い情報を掴んでいた可能性があるが先行していた感はある。

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開催日程

photo by:boxingsene


 実はカネロ陣営が村田諒太戦に積極的だった。カネロは具体的に村田諒太に言及したわけではないが、カネロの本丸米ラスベガスでなく、契約するDAZNのインタビューで「日本で試合をしたい」と海外でビッグイベントを実施したい意向を示していた。

 ボクシングマガジンによれば、交渉は世界的にも有数なプロモーターの村田を抱える帝拳プロモーションズ本田会長が従事したが、交渉は合意することなく一旦中止。結果的に決裂となった。

 本田会長は5月24日さいたまスーパーアリーナを確保してカネロ陣営との交渉に臨むため渡米し、米国のゴールデン・タイムとなる日本時間正午頃スタートとかなり踏み込んだところまで交渉は進んだが合意には至らなかった。詳細な交渉条件などは明らかになってないが、2階級下のミドル級に落とすこと。日本で試合をすることに難色を示すカネロの関係者がいたという。

 懸念されていた点はいくつかある。まず、開催日程だ。毎年、カネロは5月のメキシコの祝日にあたるシンコ・デ・マヨの週末に行うのが通例で、開催日程を5月2日にできるかが1つのキーポイントだった。シンコ・デ・マヨはメキシカンだけでなくメキシコ系アメリカ人にとっても大切な日にあたる。そして、北米のボクシング界のけん引役であるカネロはメキシカンの代表でありこの日に戦う意味は大きい。

 しかし、この日東京ドームには空きはなかった。フロイド・メイウェザーJr.(米)の復帰も囁かれるなか、選択肢としては日程や会場を移すしかなかった。

村田対カネロの契約ウェイト

 そして、2つ目が契約ウェイトだ。カネロは、2019年11月にWBO世界ライトヘビー級王者セルゲイ・コバレフ(ロシア)戦に臨みミドル級から2階級上のライトヘビー級へ上げており、とりわけミドル級で合意できるか懸念されていた。

 ボクシング・マガジンによると、ミドル級へ落とすことをカネロ陣営が難色を示していたという。しかし、ウェイト面はクリアできる可能性はあった。普段、ライトヘビー級近くあるカネロの負担は低いと思われるがコバレフ戦に向け筋肉量は増え、2階級下に体重を落とすことは身体的な負担は大きくなる。

 だが、1階級下のスーパーミドル級ならば村田陣営が歩み寄ればカネロ陣営が同意する可能性はある。カネロは現在WBAのミドル級王座だけでなく、1つ上のWBAスーパーミドル級王座のホルダーでもある。村田は譲歩する形になってしまうがこの際、カネロ戦が合意するなら大きな問題ではないだろう。もちろん、タイトルマッチであるか否かは重要ではないが、一般層からタイトルが懸けられるかは重要だ。

カネロ戦決裂の理由は

 上記にあげた日程やウェイト面はどちらかが譲歩すれば同意を得られる可能性があり決裂理由としては弱い。では、なぜカネロ陣営がサインをしなかったのだろうか。

 カネロ陣営がサインしなかったのは米メディアが村田戦に臨むことを報じたことで受けた批判だろう。筆者は村田がカネロの相手として十分だと思っているが、欧米ではどうだろうか。

 まず、世界的に見れば村田諒太の知名度はそれほど高くない。もちろん、ロンドン五輪メダリストで世界王者ということは知られているにしても、まだエリート・クラスのミドル級相手との対戦経験がないことは批判を受けてしまうのは当然かもしれない。

 欧米のファンからすれば五輪前の日本は稼ぐには丁度良いし、何より村田諒太が安パイだと思われた可能性もある。であれば、依然としてファンから要求の高いゴロフキンとの3戦やWBA世界スーパーミドル級王者カラム・スミス(英)との統一戦にカジを切って欲しいという願いは理解できる。

 村田は直近でスティーブン・バトラー(カナダ)、ロブ・ブラント(米)に対しインパクトの強い勝ち方をしている。これだけでもカネロの対戦相手として名乗りを挙げても十分だが、何れもミドル級強豪ではない。ブラント再戦にしても米メディアは村田が勝って当然の相手だったという見方がほとんどだ。

 そして、東京ドームが抑えられなかったものカネロ陣営が同意に踏み切れなかった材料の1つだろう。実はカネロは10代の頃に亀田一家と交流があり来日経験がある。東京は思い出深い場所でいつか試合をしたい場所だったという。「東京はもっとも重要な場所なんだ」レガシーを追い求めるカネロがこの会場にこだわったのは間違いない。挙行すればタイソン対ダグラス戦以来のメガ・ファイトが実現する。

 カネロはDAZN(ダ・ゾーン)と独占契約を結び強い影響力があり、対戦相手を自由に選べる立場にあるが、それだけにファンがのぞむマッチメークをしなければ批判は大きくなる。レガシーを追い求めるカネロ。DAZNと契約してからダニエル・ジェイコブス(米)、セルゲイ・コバレフ(ロシア)と連戦強豪をピックアップしていることから、強豪を避けていることまず考えられない。

 メキシカンの期待を一斉に背負うカネロは重責を担う立場で、批判は無視できない。両陣営は秋に向け交渉を継続していく構えをみせているが、もし村田の戦績がネックならば交渉は難航する恐れがある。

 日本でスーパーファイトを締結するなら欧米のボクシング・ファンが認めミドル級の中心にいるIBF王者ゴロフキンや、WBC王者チャーロ、WBO王者アンドレードら実力者に勝ち自分の力を世界に示す必要があるのかもしれない。そうなってくると、年齢的にも残り少ない試合のなかで、村田陣営が今後どういった形でカネロ戦締結やビッグ・ファイトの活路を見出すのだろうか。何れにせよチャンスはあるが時間は限られてくる。

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