村田対カネロ村田がバトラーに勝ち米有力プロモーターTopRank社ボブ・アラム氏がカネロとの対戦交渉を示唆したもの、いつものリップ・サービスだと感じていたファンが殆どじゃないだろうか。しかし、ここにきて米メディアが村田とカネロが交渉中であると報じ一気に実現の期待が高まっている。実現の確度はどうなのだろうか。

 現状、詳しい交渉の進捗状況は分かってないが、これまでリークされてこなかったことは、交渉が順調に進んでいる証かもしれない。合意に向け好材料は揃っている。

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 米メディアによれば、開催日程はメキシコの祝日シンコ・デ・マヨにあたる日本時間5月3日が有力視されている。現段階で不透明なことは多いがカネロの対戦相手として村田諒太が有力候補の1人であることは間違いない。

 カネロは、メキシコ出身の29歳。北米で最大の商品価値を誇る正真正銘のスーパースターだ。2019年DAZN(ダ・ゾーン)と5年契約で3億6500万ドルというスポーツ史上最大の契約を締結。1試合の最低報酬金額は3500万ドル(約39億7500万円)で、2013年Showtime(米ケーブルTV局)と6戦、最低報酬3200万ドルで契約を結んだフロイド・メイウェザーJr.(米)氏を凌いでいる。

 村田の最大のミッションはミドル級のスターと戦うことだ。ミドル級の帝王と呼ばれていたゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)との対戦が期待されていた時期もあるが37歳と高齢を迎え、セルゲイ・デレイビャンチェンコ(ウクライナ)に勝ったが急速な劣化をみせ以前より存在感は弱まっている。

 もちろん、ゴロフキン戦は好ファイトが保証されるが、29歳と全盛期に近いカネロに照準を合わせたほうが、報酬や得られる名声は大きい。日本でスポーツの枠を超えたメガ・スターの地位を確立した村田は34歳とキャリア後期に突入し、残される時間は限られ「カネロ、ゴロフキン」と戦いたいと村田自身もメガ・ファイトを切望している。

 そして、この一戦を日本で実現させることの意味は大きい。内需型で経済が停滞する日本、今年はオリンピック・イヤーでインバウンド効果ができる。米ラスベガスで統合リゾートを運営するMGMリゾーツ社が大阪IR参入を表明。ブラック・ストーン社と共同で新会社を設立しラスベガスにあるストリップ通りの主力ホテルMGMグランドガーデン、ベラッジオを新会社に売却したことで、日本でのカジノ建設資金とする見方が強い。ここでメガ・ファイトを実現することは試金石にもなる。

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村田、カネロの報酬は問題ない

photo by:boxingsene


 北米でAサイドのカネロを日本に招くには報酬がハードルになると思われているが、交渉において重要になるのは開催日程、カネロのウェイトだろう。報酬に関しては、カネロはDAZNと独占契約を結び1試合約3500万ドル(約39億7000万円)が約束されているから条件面が大きな障害となることはない。

 そして、村田の報酬面に関してもクリアできる公算は高い。大型スポンサーの電通、米ラスベガスを本拠地にカジノを運営するMGMリゾーツ社、そして日本DAZNではアンバサダーに就任。日本開催であればフジテレビが動くことで資金調達は問題ないだろう。

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DAZNにとっても好機

 そして、2018年9月米国に参入したもの思うように購読者獲得のスピードが上がらないDAZNにしても追い風になる可能性はある。世界各国でローンチし購読者は急速に拡大しているが、肝心の米国での伸びかたは鈍化している。実現すれば米国、日本、2カ国で新規ユーザーを獲得する機会をえられる。

 OTT事業者として世界各国にローンチし存在感を強めるDAZNにとっても日本のマーケットは魅力的なはずだ。2020年日本はオリンピック・イヤー。世界各国から強い関心を集め国際的なスーパースターを目指すカネロとグローバル競争で収益を増やすDAZNの利害は一致する。

 2018年米国に参入したDAZNは苦戦を強いられている。DAZNが米国でボクシングに投資することを決めたのは、米4大リーグ(NBA、NHL、NFL、MLB)の放映権が数年先まで握られていたのが理由。HBO(米プレミアムケーブルTV局)が撤退し、割安に放置されているボクシング・コンテンツに投資をすることに決めた。

 報じられているとおり米国でのDAZNは厳しい状況下に置かれている。圧倒的にブランド力がないためイベントの集客は空席が目立ち興行は契約する大型のカネロやアンソニー・ジョシュアだのみは否めない。赤字興行に違いないが実は、加入者は増え負債額も大幅に減り地域別での売上も増収している。
 
 2017年7億2600万ドルだった負債は、2018年93%減少し5000万ドルにまで減少。収益は2017年から2018年にかけ増収、2億7760万ドル売り上げ、親会社のアクセス・インダストリーズ社が約8.5億ドル、電通イージス・ネットワーク社が4億ドルの出資を受けている。

 そして、世界各国の契約者数も増加。DAZNは具体的な加入者数は明らかにしてないが北米での売上は1430万ドル、アジアでは6520万ドルで収益の割合はアジアが42%、欧州が44%、残りが北米となっている。2019年Q2にはAppStore、Google Playストアの売上が9300万ドルに到達、前半期の7300万ドルを大きく超えている。

 2019年12月時点でおよそ800万人と2019年はスペイン、ブラジルにローンチしたことで急速に拡大している。米国の加入者数は全体の10%前後120万人前後と試算されている。

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日本に関心を示すカネロ

 カネロとしても日本で試合をすることは世界的に名を広める絶好の機会だ。依然としてBJサンダースやカラム・スミスといった英国勢の可能性も否定できないが、村田との交渉が本格しているのであればプランBだろう。カラム・スミスはWBA世界スーパーミドル級スーパー王者でカネロの文句ない相手だが、英国でアイコン的なアンソニー・ジョシュアほど爆発的な人気はない。

 「サウジアラビア、日本、英国でも良い。日本で戦うことができたら素晴らしいだろうね」
 カネロは中東サウジアラビアに加え、日本に対しても強い関心を示している。独占契約するDAZNのインタビューでカネロの口から日本というワードが出たことが大きな話題になっている。
 レガシーを追い求めるカネロ。本拠地の米ラスベガスだけでなくグローバルに活躍することを強くのぞんでいることは間違いない。

 マーケットの成長が鈍化気味の北米より、興行的に成功が約束される海外に出向いたほうが注目は集まる。2019年11月ベガスのMGMグランドガーデン・アリーナで挙行されたコバレフ戦は”Massive Fight”として扱われたが、前日計量は空席が目立ち盛況とは言えず、当日の観客動員数は1万1648人と低調に終わった。

 依然として北米は外せない市場だが、村田諒太、井上尚弥というメガ・スターを抱える日本は集客力で有利だ。WBSSで優勝した井上尚弥は、WBSS(ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ)で準々決勝で横浜アリーナ、決勝でさいたまスーパーアリーナの大箱を埋め尽くした。決勝では当日券もなかったほどで米メディアは称賛する声は多い。

 そして、今回の交渉は米DAZNと日本のDAZN、フジテレビと利害関係は複雑だが交渉において障害はない。カネロをプロモートするゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)は村田をプロモートする帝拳プロモーションズとは良好な関係にある。帝拳プロモーションズの本田会長は日本の交渉窓口として大きな役割を担い、村田を米国でプロモートする権利をもつTopRank社とも密接な関係にありGBPとはビジネス・パートナーである。

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村田対カネロ戦交渉のキーは

 合意に向けとりわけ懸念されるのが開催日程と会場だ。TopRank社アラム氏は、日本開催であれば5月メキシコの祝日にあたるシンコ・デ・マヨに固執する必要はないと楽観視しているが、メキシカンの代表であるカネロにとって日本開催だとしても日程は重要視してくるはずだ。

 だが、5月2日開催(日本時間3日)は厳しいといわざるをえない。この日、東京ドームでは巨人ー広島戦が決まり動かすことは難しいだろう。そして、会場だけではなく開催日程も重要になってくる。

 中継に乗り出すと予想されるフジテレビ、DAZNで足並みを揃える必要があり、村田戦を臨むカネロも譲歩せざるをえないかもしれない。米国時間5月2日開催、メインを昼頃に中継すれば北米のプライム・タイムに流すことができる。

 ただ、この日程を強行するのであれば新たに会場を探す必要がでてくる。懸念されるのがゴールデン・ウィークにあたるこの日に会場を抑えられるかどうかだ。最悪、カネロ陣営にはシンコ・デ・マヨを諦めてもらい別日で同意を得るしかないかもしれないが、現段階で村田が最有力候補で実現の確度は高いと考えていいだろう。

 そして、開催日程とハードルになるのがカネロのウェイトだ。カネロは直近でミドルからライトヘビー級と2階級増量している。2階級下げれば肉体的な負担は増え、コンディション不良に陥る可能性がありミドル級でまとまるかどうか不安視される。ウェイト面は村田陣営が譲歩を強いられるかもしれない。何れにせよ、数週間の内に交渉結果がわかる。メガ・ファイト締結に期待したい。

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