”グラスジョー”テテがカシメロに負け王座から陥落。バンタム級トップラインが動いた。オッズはテテ有利だったがカシメロが噛み付いた。11月30日、WBO世界バンタム級王座統一戦が英バーミンガムで行われ暫定王者ジョンリール・カシメロ(フィリピン)が、正規王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)と戦い3回、2度のダウンを奪いTKO勝ちし王座統一に成功。3階級制覇を達成した。

 ゾラニ・テテが負けたことで、期待されていたWBA・IBF世界バンタム級統一王者井上尚弥(大橋)との統一戦は消滅したが、勝ったカシメロは「井上、俺と統一戦をしてくれ」と統一戦を呼びかけている。実現の可能性はあるのだろうか。

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 賞金獲得トーナメントWBSS(ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ)を怪我で途中離脱したテテは、およそ13ヶ月ぶりのリング、WBSSバンタム級で優勝した井上尚弥との統一戦を熱望していた。負けたテテは32戦28勝21KO4敗2KO、カシメロは33戦29勝20KO4敗1KOとした。

 テテは、ポール・バトラー(英)をアッパーで沈め、世界最短11秒KOで話題を集めたが、今戦は不安材料がなかったわけではない。ソリッドなパンチを持っていることは確かだが、打たれ脆い面もありパンチャーのカシメロは注意が必要だった。

 場合によっては塩試合になっていたかもしれない。リスクをテイクしたのはカシメロだった。安全運転のテテ、いつも通り勝つつもりだったのだろう。序盤は探り合いが続いた。両者ともに強打を持っているだけに、互いにパンチを警戒していた感はある。
 
 1回、カシメロは、ロングから飛んでくるテテの右ジャブ、左ストレート。打ち終わりに左スレートをアジャストされ安易に踏み込めない。距離の遠いテテにはいつも以上に、踏み込む必要があった。一方、リスク・ヘッジに余念がないテテは安全運転、ポイント・メイクに徹した。

 2回も同じような展開が続いた。3回、決まったのは一瞬だった。カシメロは、ペースアップして攻勢を強めテテも対応してきたところ、カシメロはワン・ツーで踏み込み、テテがダックしたところに右をアジャスト、テテがよろめいた所に再度右をテンプルに当てダウンを奪った。

 テテは何とか立ち上がってきたもの、足元がおぼつかなくダーメジは深刻。カシメロの再アタックで2度目のダウンを奪われたテテは、立ち上がったがダメージは明白、カシメロがロープに追い込み連打を見舞った所でレフェリーが試合をストップした。

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カシメロは井上との統一戦を希望

photo by:boxingscene


 テテに勝ったカシメロ、もちろん欲しい戦いは井上尚弥戦だ。強豪を求め、ビッグ・ファイトを求め世界中を渡り歩くのがカシメロだ。母国フィリピンを含め、報酬が良ければ英国、メキシコ、北米どこへでも飛ぶ。

 アムナットとの再戦でリベンジに成功しIBF世界フライ級タイトルを獲得。その後、ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)や、同胞のジェルウィン・アンカハスを追いかけスーパーフライ級に転向しジョナス・スルタンとIBFエリミネーターを争ったが0−3の判定負けを喫したがその後、世界のトップラインに返り咲いた。

 再起戦を経て2019年4月WBO世界バンタム級暫定王座をリカルド・エスピノーザと争い10回KO勝ちし暫定王座を獲得。8月、WBO同級10位セサール・ラミレス(メキシコ)もKOで仕留め存在感を強めた。

 次戦、北米で試合を行う井上とカシメロが統一戦を行うことは考え難いが、2020年以降、可能性は十分ある。カシメロをプロモートする代理人ショーン・ギボンズ氏は井上とのマッチメークに積極的な姿勢を示している。開催地は日本以外はない。井上、カシメロが勝ち続けることが前提条件になるが、年末日本でセットされれば話題を呼ぶカードになることは間違いない。

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