【結果】井上尚弥対ジェイソン・マロニー今後はどうなるのか占う

 WBA・IBF世界バンタム級統一タイトルマッチが米国時間10月31日米ラスベガスで行われ、統一王者井上尚弥が7ラウンドKOでジェイソン・マロニー(豪)に勝ち防衛に成功した。トップランク社の大きな期待を背負う井上はノックダウンだけでなく高度な技術があることを証明。米国2戦目となるラスベガスで存在感のある勝ちかたを披露した。

 次戦は対抗WBO王者カシメロ戦もすでに挙がっているが実現するだろうか。今回は、この試合の背景とレビュー井上の次戦について軽く触れてみたい。

Sponsor Link


Sponsor Link

井上は米ラスベガスでキャリア第2章が幕開け

 ウィリアムヒルのオッズは井上に大きく傾いている。井上とWBO王者ジョンリール・カシメロ(フィリピン)戦の交渉が決裂し井上戦を獲得したマロニーが勝てば大番狂わせとなる。オッズだけでなく米メディアの専門家らも井上勝ちで意見は一致している。

 井上にとって米2戦目は、キャリア第2章の幕開け。米有力プロモータートップランク社ボブ・アラム氏は「井上はファンが見たい戦いを提供してくれる。魅力的なファイターだ」。井上に大きな期待を寄せる。問われるのは勝敗だけではなく強烈なインパクトを残せるかどうか。モンスターの存在感を米国のファンや関係者に示せるかどうかだ。

 2017年9月井上はHBO(米プレミアムケーブルTV局)が中継したSuperflyで米国デビュー。今戦は、トップランク社と契約してはじめてトップランクのバナーで戦う重要な一戦となる。WBSS決勝でドネアと対戦し、2ラウンド眼窩底骨折を負いながら死闘を演じた井上の成長にも注目が集まっている。

「アンダードッグであることは嫌いではないんだ。ファンや関係者の見方が間違っていたことを証明することが好きなんだ」。圧倒的な不利予想をたてられてもマロニーは勝つと強調。自分の力を信じて疑わない。だが、冷静に考えて見ほしい。マロニーと井上の戦力の差はあまりにも大きい。スピード、パワー、フィジカル、スキルの差を埋める戦略があるかどうか。

 井上を倒すにはドネアが示したようにサイズ、パワーが必要。残念ながらマロニーはサイズ的なアドバンテージはなくパワーもバンタム級では並だ。マロニーが勝つにはWBSS(ワールドボクシング・スーパーシリーズ)準々決勝で戦ったプエルトリカンのロドリゲス戦のように、クリンチ、ダーティ・スキルを使いボディを刺し井上を消耗させるしかない。ただ、そんな光景は想像できないのが現状だ。

Sponsor Link

井上尚弥対ジェイソン・マロニー結果

 井上が全てを支配していた。主導権を握りダウンを奪うもガードの固いマロニーに致命的なダメージを与えることは難しかったが、精度の高いパワージャブ、カウンターをコツコツと当てマロニーを消耗させ最後は完璧なタイミングでマロニーを仕留めた。だが、マロニーのジャブで顔面をあげられるシーンなどもありドネア戦で浮き彫りになったディフェンス難は、今後、階級アップに向け不安材料になる。

 CompuBoxによると、井上は338発中107発を的中(32%)、マロニーは334発中62発(18%)だった。

 それにしても、スピード、パワーの差は思ったよりもあった。井上のパンチを受けそれを肌でリングで感じていたのがマロニーだろう。試合前、自信を覗かせていたマロニー、ベストを尽くしたことは間違いない。

 井上は、中間距離からハードなジャブを打ちマロニーの接近を阻んだ。井上が空間を支配するなか4ラウンドおわり、ショルダー・ロールのスタンスから右ストレート。そして、7ラウンド、フィニッシュの右ストレートのカウンター「ノックアウトだけでなく自分の高い技術や能力を魅せたい」。試合前に井上が言っていたとおり、スピード、パワー、タイミングと破壊力だけでなく高い技術力があることを証明したことは間違いない。

 1ラウンド、ややスロー・スターターの井上は相手の力量をはかるように様子見。それでも、ハードなジャブでマロニーの顔面を跳ね上げた。はやくも鼻の頭を赤くしたマロニーは攻勢をしかけるが井上の右クロス、ジャブに阻まれた。パンチを受けるとガード・スタンスから切り替えるのは容易ではなかったはずだ。

 井上は速く強いジャブで牽制。マロニーはインサイドに入れないどころか、井上のハードショットを受け止めるのに一苦労。攻撃できない状況が続いた。こうなってくると完全に井上のペースだ。
 
 3ラウンド、マロニーの左ボディに対し右アッパーをコネクトするとマロニーは警戒感からか一気に後退。井上は、インサイドでもフィジカルの強さを発揮。クリンチは引き離し、打ち終わりに左フックを被せ、ガードの隙間からショートのワンツーを放ちマロニーの思い通りにはさせなかった。

 4ラウンドが終了。井上はノックアウトを探していた。一方、マロニーは消耗し完全に後退モードでガードが高い。どう崩すし致命的なダメージを与えるか課題だった。5ラウンド、終盤に井上はL字スタンスから、最高のタイミングで右ストレートがマロニーの顔面にコネクト。マロニーはグラついたが耐え抜いたのは今戦にかけてきた強い思いがあったからだろう。

https://twitter.com/in44y1/status/1322748043305779208?s=20

 6ラウンド、井上はダブル・ジャブで前進するマロニーに対しステップ・バックとスリッピング・アウェイで避けると同時にチェック・フックを炸裂。マロニーからダウンを奪った。マロニーは足とクリンチ・ワークでなんとか凌いだが動きは鈍りダメージは深刻。迎えた7ラウンド、マロニーのワンツーに対し井上が即座に右ストレートのカウンターを突き刺すと、マロニーは膝からくずれ落ち試合終了となった。

Sponsor Link

井上の次戦はどうなるのか

 マロニーを退けた井上。次戦は対抗WBO王者ジョンリール・カシメロ(フィリピン)、WBC王者ノルディ・ウーバーリ(フィリピン)との王座統一戦がまとまらない場合は井上が持つIBFの指名防衛戦を課せられる可能性が高い。

 WBO王者カシメロ戦が決裂した段階でIBFとの指名戦の可能性もあったが、選択防衛戦が認められた背景には、コロナ禍で渡航規制がかかった影響もある。

 ボブ・アラム氏は対抗王者カシメロとの統一戦を期待する発言を残しているが、果たして実現するだろうか。王座統一戦の行方はトップランクの手腕にかかっている。

Sponsor Link

井上の関連記事

ミズノが井上対マロニー戦の記念Tシャツ、ウェアを販売

井上尚弥との対戦を待ちわびていたジェイソン・マロニー戦績エピソードを紹介

ジェイソン・モロニーが井上尚弥戦を実現した背景

井上尚弥が2021年バンタム級4団体統一できるのか占う。



コメントを残す

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください