井上尚弥対モロニー戦が具体化カシメロ戦は交渉難航その理由は

 井上対カシメロ戦は先送りになる可能性が高い。井上は4月米ラスベガスでカシメロ戦が決まっていたがコロナ禍で中止。交渉が再開されたが新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大で世界情勢が大きく変わり報酬が減額された影響で条件面で交渉は難航。一旦、仕切り直しになる公算が高い。報酬が減額された理由、井上、カシメロの新たな対戦候補を探る。

 2020年8月17日、井上対カシメロは交渉決裂。カシメロの対戦相手はデューク・マイカー、最新の情報はこちらからご覧ください。


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井上はジェイソン・モロニーが候補日程は10月31日

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 井上、カシメロの交渉が決裂したという確かなソースはないが、2人には新たな対戦候補が浮上している。米Athletic社マイク・コッピンガー氏によれば、井上の対戦候補に新たにジェイソン・モロニー(豪)が交渉テーブルにあがり合意する可能性があるという。米メディアによると10月31日米ラスベガスが有力視されている。

 ジェイソン・モロニーは、オーストラリア出身。プロ通算22戦21勝18KO1敗。アマチュアでは2010年コモン・ウェルスゲームスにフライ級で出場しマイケル・コンラン(アイルランド)に勝利。その後、オテン・オテン(ボツワナ)に負け準々決勝で敗退した。

 その後、2014年8月にプロへ転向。地元オーストラリアでキャリアを積みWBA(世界ボクシング協会)の地域タイトルを獲得。世界ランク入したモロニーはIBF世界バンタム級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)の指名挑戦権を獲得。同時期に開催していた井上も出場したトーナメントWBSS(ワールドボクシング・スーパーシリーズ)に出場しロドリゲスと戦うことが決まったが僅差の判定負けに終わっている。


 現状のバンタム級は井上が傑出した存在。周りを見渡してもタレント達は若くライバルになるような圧倒的な強豪はいない。老舗米リング誌のバンタム級評価は6位の評価だが、井上の好敵手となるとは思えない。


 キャリアで戦った世界基準の相手はロドリゲスのみ。ロドリゲス相手に接戦を演じたことは事実だが、スピード、パワーといった特質的なものは持ち合わせていない。タフネスを武器にパワー、スピードと大幅に戦力で上回る井上と得意のインサイドで上手く立ち回れるかどうか。もし、井上と戦うことが決まればオッズは井上に大きく傾くことに議論の余地はない。

カシメロはウォーレンが候補

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 カシメロには3大会連続で五輪に出場したアマエリート出身で元WBA世界バンタム級王者ラウシー・ウォーレン(米)/21戦17勝4KO3敗が候補に挙がっている。

 ウォーレンは決定力にかけるがディフェンスに長ける選手だ。米リング誌バンタム級ランキングでは圏外だが、しぶとくトップ戦線に残っている。

 元王者ファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)相手に2戦して1勝1敗しWBA世界バンタム級王座を獲得したもの、ザナット・ザキヤノフ(カザフスタン)に負け王座から陥落した。

 その後、アマで因縁のあるノルディ・ウーバーリ(フランス)とWBC世界バンタム級王座決定戦を争ったが12回判定負けを喫している。その後、挑戦者決定戦をエマヌエル・ロドリゲスと争うことが決まっていたが怪我でキャンセルとなっていた。


 ウォーレンはチューン・アップ戦としては最適。カシメロが大きく株を上げることができる相手ではないが、ストップ負けのないウォーレンを仕留めれば評価は上がるだろう。

井上、カシメロ報酬削減の理由

 まず1つ、中継局のESPN(米スポーツ専門チャンネル)が興行を主催するトップランク(米有力プロモーター)側に支払う放映権料を削減した可能性がある。米国では新型コロナウイルスの影響でスポーツ・イベントがなくなりESPNの広告収入が減少。コロナ禍で予算が見直された可能性は十分ある。

 トップランクと提携関係にあるESPNはコロナの影響で主力のスポーツ・イベントが全面的に中止になったことで大きな打撃を受けている。ESPNの親会社ウォルト・ディズニーの4−6月期の決算は5000億円の赤字に転落。ディズニーの主力事業の1つESPNが加担するメディア事業は売上高は前期と大きく変わらなかったが、営業利益は前年同期比21億3600万ドルから31億5300万ドルと50%増収、増益している。

 営業利益は改善したように見えるが、コロナ禍でMLB(メジャー・リーグ)、NBAといったメジャー・スポーツの中止が相次ぎ制作費がなくなったことや、放映権の支払いが先送りになりコストが大きく押さえられたことが理由にある。しかし、来季以降はコストが増大する恐れがでている。

チケット収入が期待できない

 もちろん、選手の報酬は放映権だけでなくゲート収益(チケット収入や、販促品)などプロモーターが得る収入から選手に支払うこともできるが、今回ゲート収益は期待出来ない。そして、プロモーターはコロナ禍のイベント開催に伴いコロナ検査費用が重くのしかかる。米メディアによるとコロナ検査費用は2万5000ドル(約270万円)に及ぶという。

 井上をプロモートするトップランク社(米有力プロモーター)ボブ・アラム氏は、9月、10月に米ラスベガスで観客を入れてのイベントを示唆しているが、6月にMGMが再開したものコロナ感染者が急増。州政府が観客を動員してのイベントを承認するかは慎重に判断することになり現段階では無観客となる公算が高い。そうなればゲート収益はゼロだ。

井上、カシメロは2021年以降へ延期が妥当

 もうすでに、井上の新たな対戦候補に同じトップランク傘下のジェイソン・モロニー(豪)が挙がり交渉が具体化。ソーシャルメディアでも大きな話題となり、カシメロ戦は暗礁に乗り上げている。

 ゾラニ・テテ(南アフリカ)を倒し苦労してタイトルを取り戻したカシメロも無理に井上戦を急ぐ必要はない。納得しない条件で同意せず、数試合、米国でお披露目しインパクトを残してからでも遅くはない。それに、2021年には各国の渡航規制が緩和される可能性がある。

 「2000人から2500人の観客を集めることができるだろう」ボブ・アラム氏は日本からの現地観戦者を多く見込みゲート収益を期待していた。井上対カシメロはバンタム級屈指の好カードだが軽量級の関心度は米国では低い。米国2戦目の井上、米国にゆかりのないカシメロというカードにESPN(米スポーツ専門チャンネル)がどこまで報酬を支払うかは不透明感が漂う。補填出来ないところはプロモーターが支払う契約だったのかもしれない。
 
 ただ、契約するトップランク社は井上に長期投資していることは間違いなく、米国で結果を残していけば着実に報酬はあがっていくだろう。来年以降、日本から米国への渡航規制がPCRの陰性条件などで緩んでいけば日本のファンも現地で観戦できる期待は今よりも高まる。

 もちろん、新型コロナウイルスが鈍化し渡航規制が緩まるかは予断を許さない状況だが、井上、カシメロにとってチューン・アップ戦を挟むプランも悪くない。何れにしても井上の次戦は10月以降だろう。

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