皆様、ご無沙汰しております、asukaです。
いよいよ井上vsドネアの試合ですね!
私も、現地にて観戦予定です!(5万円と奮発しました笑)
それでは、今回は、井上とドネアの予想の記事です。
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正六角形をイメージしてみよう。(辺ではなく、頂点が上にくるように正六角形をイメージしてほしい)
上半分の3つの要素はオフェンス。下半分の3つの要素がディフェンスとする。
オフェンスの3つの要素は、パンチ・スピード・カウンター(本来ならコンビネーションだが、今回は鍵となるカウンターに変更)としよう。
ディフェンスの3つの要素は、タフネス、防御テクニック、対応力としよう。
※1ここでは、防御テクニックは、ダッキング・パリィ・スウェー等を指す。
※2対応力とは、ダウンに陥った際・ピンチに陥った際の行動とする。
さて、これらの要素を基に井上とドネアを比べてみよう。
各項目を10点で評価。(バンタム級内評価ではなく、あくまで井上とドネアのみで評価する。)
1.パンチ
井上 10-9 ドネア
これは、井上に軍配が上がるはず。10-8としなかったのは、やはりドネアの溜めからの強振。つまるところ左フックである。井上のパンチ力は全体的にバランスよく、かつタイミングがベストであり、意識外からのパンチとなり、KOに結びつきやすい。
一方でドネアのパンチは、溜めからの強振であり、ここにタイミングが合うことによって、鮮烈なKOに結びつく。言い換えると井上は、タイミング×スピードに依存しているパンチであり、ドネアは、溜め×タイミングに依存しているパンチである。
ここで井上に10を付けた理由としては、ベストなタイミングでパンチを放つ回数がドネアを上回っていること。左ジャブをついていくなかでのワン・ツーやボディーへのつなぎ。対するドネアは相手のパンチに合わせたカウンターでの左フック。
要は、パンチに力が真にこもったパンチがどのくらいの頻度で出現するかにかかっているのではなかろうか。また、ドネアは自身からボクシングを組み立てて試合の主導権を握るといった試合が少なくなってきているのも確か。もちろん、対戦相手のレベルが軒並み高いということもあるが、直近の2試合を見てもやや苦戦しているように感じられる。そう考えると、やはり力がこもったパンチを放つ回数は井上が上回るのではなかろうか。
また、井上はまだまだ体が成長していっている最中。対するドネアは、フェザー級にいたとはいえ、体はもう成長はしないだろう。そう考えると当日の体の戻し具合を考えてもパンチは、井上に軍配があがるのではなかろうか。
2. スピード
井上 10-9 ドネア
これは全体的に井上が上回っているのではないだろうか。「パンチ」のところでも記載はしたが、ドネアのパンチは「溜め」を起因としている。一方で井上は、瞬間的な溜めはあったとしても、強振という強振があまり見受けられない。ハンドスピードしかり、パンチのつなぎの間隔しかり井上が勝っているだろう。
3. カウンター
井上 9-10 ドネア
ドネアの最も優れている武器は何か。カウンターのタイミング取りである。左フックのカウンターはもちろん、筆者が驚嘆したカウンターはvs西岡で放ったストレートである。自身がダメージを食らわないようガードを固め、ぎりぎりまで引き付け、ガードが下がったタイミングで、最小の距離で抜群のタイミングを見計らった上で一閃したストレートは今でも脳内に焼き付いている。
また、カウンターということに関しては、経験が必要ではないかと筆者は考える。多様なボクシングスタイルに対して、どういったパンチを放つのか、ベストなタイミングがどこなのかを探すのは、やはり経験がものを言うはず。そういう意味では、ドネアの経験が最も生きてくるのがやはりこのカウンターになるのであろう。井上はどちらかと言えば、自身から崩していって相手の隙を見計らってパンチを打ち込んでいくスタイルである。
4. タフネス
井上 10-10 ドネア
タフネスは正直、未知数のところが多い。井上に関しては、優れた防御技術からパンチを被弾し、ピンチに陥ったケースがほぼない。対するドネアは、階級を上げたフェザーではあっても、バンタム級となるとそこまで数は多くない。
両者共に1発で相手をKOする力を持っているところから、タフネスが両者に与える影響はそこまで大きくなるとは考えられない。しいて言うのならば、タフネスというよりかは、被弾による腫れが影響するのではないだろうか。特に、ジャブの被弾に伴う見づらさの影響は今回の試合に大きな影響をもたらすのではないだろうか。
5. 防御技術
井上 10-8 ドネア
井上のすごさを一言でいうのであれば、攻防のバランスではないだろうか。特にオーソドックススタイルでの最高峰が井上のように思われる。(次点では井岡)防御技術によるパンチの被弾を避けるケースはおおけれど、攻防のバランスを徹底してパンチの被弾数を減らすのは、井上が一番なのではないだろうか。筆者が最も好きなメイウェザーは、ダッキング・パリィ・スウェー・スリップ・ブロック・ステップでパンチの被弾を減らす。ロマチェンコは、徹底した距離感と足さばきで相手のパンチを避ける。
つい先日コバレフをKOしたカネロは、ダッキングとスリップ、ブロックでパンチを避ける。一方で井上は、自身の攻撃と防御の瞬間を見極めてパンチの被弾を減らすといった選手のように思われる。引退したアンドレウォードが構えは違えど、井上と近いような防御をする選手に思われる。井上然り、ウォード然り、攻防の技術、総合力が高いからこそなせるオーソドックススタイルの究極系なのではなかろうか。
さて、ドネアはどうだろうか。昨今、ドネアに関する衰えがパンチやスピードのみ指摘されているが、一番はこの防御技術ではないだろうかと筆者は考える。特に目で避けることを中心とするドネアは、反応面が衰えてきているのではないだろうか。
そして、スタイルの変化も多少は関係しているであろうが、昔に比べ左ジャブの被弾数が圧倒的に増えているように思われる。ダッキング・パリィ・スウェー・スリップ・ブロック・ステップによって、相手のパンチを避けることはするものの、最終的にパンチの被弾を避ける際は、反応(=目で避ける)を中心としているように思われる。また、肉を切らせて骨を断つということわざ通り、カウンターを狙いで相手を打ち伏せるスタイルにあるため、多少の被弾は覚悟しているようにも感じとられる。そう考えると、ここでは井上優位とするのがよいのではないだろうか。
6. 対応力
井上 9-10 ドネア
ここは、タフネスに加えて予想が難しい。井上は、圧倒的な総合力の高さから相手を封殺してきた。そのため、自身が対応しきれない相手というのに、ここまで出くわさなかったともいえる。一方で、ドネアはvsリゴンドー然り、vs西岡しかり相手のスタイルに対して、ある程度順応できるように思われる。vsリゴンドーでは、封殺されてしまったが、試合中に局面を打開しようとしている姿勢が見受けられ、ダウンを奪ってみせた。またvs西岡では、徹底した左フック対策にアッパーや右ストレートで局面を打開して、ダウンを奪って見せた。正直両者にあまり差は見られないが、経験を考慮して、ドネア優位か。
キーパンチ
さて、キーパンチを考えてみよう。正直、このパート筆者が一番書きたかった部分でもある。
間違いなく鍵となるパンチは、左ジャブと右ストレート。
左フックが鍵となる場合は、ドネアのみであって、逆転を狙うとき、序盤からKOを狙う場合のみに見られるパンチだろう。
井上のカギとなるパンチは、左ジャブと右ストレート。
ドネアは、上述した通り、左ジャブは被弾しやすい傾向であり、井上からするとワン・ツーで相手をピンチに陥れるための有効なパンチである。
vsヤングやvsバーネットを見ても、ドネアは左ジャブの被弾が特に多い。
いかにして、ドネアの出鼻をくじき、自身の距離を徹底できるか、そしてツーへとつなげるかが勝負の鍵になりそうである。
また、ツーで放つ右ストも、ノーモーションから放たれる右ストも、左フックのカウンターを狙うドネアのガードが下がりやすいため、当たりやすい。やはり鍵となるパンチは、左ジャブと右ストレートであろう。
一方で、ドネアは井上に対して最も有効的なパンチは右ストレート。
ドネアはKOのイメージから最も怖いと思われるパンチは左フックだが、溜めが必要なパンチであり、警戒されていることもあってそう易々と当てさせてはくれないだろう。
(備考1)左フックが相手をKOしやすい要素としては、
①相手の意識外からのパンチとなりやすい
②テンプルやアンダージイヤーといった急所に当たりやすい
(備考2)左フックが当たりやすい要素としては、
①相手がブロッキング主体でガードを固めて(強振が当たりやすい)
②右ガードが下がっている
さて、今回vs西岡の例を意図的にあえて多めに出したのだが、一番井上が警戒すべきパンチで、井上に有効なパンチは右ストレートと筆者は考える。直近2試合を見ても、鋭角かつコンパクトでそして最もスピードがあるパンチが右ストレートである。
また、右ストレートでKO勝ちにするには、条件がそろう必要がある。
・相手のガードがテンプルの横に置かれている場合
・ガードの向きがハの字になって顎の部分が空いている場合
井上がどの程度、左フックに意識を持っていくかは、当日になってみないとわからないが、いずれにせよ、ガードをテンプルの横に構えるという状態は予想できる。そして、ドネアが右ストレートを狙うのであれば、ロープ際が最も有効とも思われる。(ロープ際に詰められたとき然り、詰めた時然り)
理由としては、井上がロープ際で相手に猛攻をするときに、比較的ガードが疎かになりやすいということ。もちろん、左フックを狙うこともよいが、左フックより溜めを必要としないスピーディーな右ストレートが効果的ではなかろうか。
また、相手をロープ際に詰めた際、ドネアのスタイルが真骨頂を発揮する。いってしまえば、どの角度からでもパンチを打つ準備ができた時のドネアは非常に強い。vsアルセもvsバーネットでも、その他多くの試合でこのシーンが見られ、強さを発揮していた。左フックを餌に、右ストレート、右ストレートを餌に左フック、ボディーを餌に顔面へ打てる状態になったときのドネアは強い。
そして、ドネアの鍵となるパンチはやはり、左ジャブ。左ジャブをもらわないために左ジャブを放つということが重要である。前述したとおり、ドネアは左ジャブの被弾数が多い。理由としては、①反応の衰え ②左フックのカウンター狙い。特に②に関しては、左フックをあてるためには、ある程度左ガードを下げ、自由にしておく必要があるため、ジャブの被弾が増える傾向にある。そして、例外なく左ジャブの被弾が多い試合は、苦戦している。
ドネアは彼のアイドルであるロイ・ジョーンズJr.のスタイルを真似しており、全盛期は反応でかわし、左フックのカウンターという理想的なスタイルを築いていたが、昨今はそれが裏目に出ている。今回のvs井上で仮に左ジャブの被弾を増やした場合、KO負けするリスクが非常に高まる一方で、ガードをあげてしまうと本人が武器とする左フックをだしづらくなる。であれば、被弾を防ぎ、またコンビネーションへとつなげるためにも左ジャブを放つことが効果的ではないだろうか。
鍵となるパンチを考察したが、勝負を左右するのは試合の組み立て方であろう。
出るのか、引くのか、どのように出てプレッシャーをかけるのか、引いてどのようにプレッシャーをかけるのか。
この試合で最も面白いのは、試合の組み立て方であり、心理戦であろう。
左ジャブをどのように機能させるのか、相手が警戒している中でどのように自身のストロングパンチを当てるのか、相手の警戒をいかに外してパンチを当てるのか。
答えは、試合当日で是非確かめてみたい。
筆者が井上のトレーナーならば…
①序盤:ジャブをついてすぐにステップバック、左ボディーを
②中盤:ワンツーを狙いつつ、時折ノーモーションの右を
③終盤:左ボディーを餌に、返しの右
④終始:ロープ際にはつまらない、つめられないようサークリング
筆者がドネアのトレーナーならば…
①序盤:左ジャブ、圧力でロープ際につめて、左ボディと返しの左フック
②中盤:ロープ際に意図的に詰めさせて、カウンターの右ストレート
③終盤:左フックとアッパー
④終始:ジャブの被弾が多ければ、左ガードを上げて、左フックは餌に。
パンチを放ったら、角度を即座に変える。
最後に、あてにならない筆者の予想を。
井上の5RKO勝ち。 決着は右ストレート
ドネアの2RKO勝ち。 決着は、左フックで(結局左フック)
・・・どちらの予想も書いているのは、ご愛嬌。
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