”フィリピーノフラッシュ”、峠は過ぎているものバンタム級の実績レベルから言えば井上にとってビッグ・テストになる。WBSS(ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ)は現地時間11月7日、さいたまスーパーアリーナでWBSSバンタム級決勝、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(大橋)対WBA世界バンタム級スーパー王者ノニト・ドネア(フィリピン)戦を行うことを正式に発表した。井上は、勝てば米最有力プロモーターのトップランク社と契約することが確実視されている。

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 WBSSの発表が遅くドネアをプロモートし、WBSSが発足した際はメンバーを務めていたこともあるリチャード・シェイファー氏が「これ以上待てない」とドネアをWBSSから撤退を示唆するコメントを残し、日本のメディアも一斉にこれを報じたが、どう考えてもWBSSに対しての牽制だったことは周知の事実だ。

 ドネアが、多額の報酬を約束される井上戦を回避する理由が見つからない。仮に、ドネアがWBSSを辞退したとして、バンタム級で井上戦以上の報酬を得られるカードはあるだろうか。PBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)と契約した日本では嫌われ物のルイス・ネリ(メキシコ)とやったところで、軽量級に無関心な北米では殆ど話題にならないし報酬も期待できない。

photo by:boxingscene

 「決勝が待ち遠しい。僕にとってドネアはレジェンド、WBSS決勝でドネアとリングで戦えることを光栄に思っています。レジェンドに勝ちモハメド・アリ・トロフィーを獲得するためベストを付くします」
 井上のキャリア、いまさら説明するまでもない。バンタム級でジェイミー・マクドネル(英)、ファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)、エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)ら強豪を粉砕。米国でも評価は高く最も権威ある米リング誌のパウンド・フォー・パウンド(PFP)4位にランクしている。

 もちろん、対戦相手の水準が低いという声もあるかもしれない。ただ、冷静に考えて見てほしい。歴代のバンタム級王者と比較して井上のように圧勝できるファイターがいるだろうか。パワー、スピード、クイックネスは高い次元にある。そして、井上の真骨頂でもあるその打法は爆発的なパワーを生み出し、貰えば立っていることさえ困難になる。もうすでに、バンタム級レジェンド、ジョフレ、サラテ、オリバレス、ファイティング原田と肩を並べる存在と言っても過言ではない。

 一方、一時は軽量級シーンで輝きを見せたが、適正階級を超えてからは瞑想感が漂うノニト・ドネア(フィリピン)は、36歳を迎えキャリア晩年、この舞台がラストチャンスになる。「日本での決勝を楽しみにしている。彼は素晴らしいファイターだけど、準決勝で欠陥をみせたんだ。戦略を練ればアリ・トロフィーを獲得できる」自信を覗かせるドネアだが、決勝まで上がってこれたのはラッキーだったとしか言いようがない。

 準々決勝でライアン・バーネット(英)と対戦。バーネットが試合を有利にすすめていたが、途中で腹斜筋を痛め棄権。準決勝でWBO王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)と対戦が決まっていたが、テテが怪我をしてWBSSを離脱を発表。無名のステフォン・ヤング(米)に勝ち決勝に駒を進めている。

 ドネアが井上より優れたところがあるといえば、プロ通算45戦のキャリアだ。近年ではキャリアの中で苦戦を強いられる戦いも少なくないが、それでも何とかサバイブし勝った経験がある。ただ、それでも鋭いステップインから繰り出される井上の強打は、目先で避ける感頼りのドネアにとって脅威になる。

 もちろん、一度もトラブルに陥ったことの経験がない井上、まだタフネス、メンタルは証明されてなく不安はある。ドネアの左フックが顎を捉えれば倒れるかもしれない。ただ、その空間をドネアが作り出すことができるかどうか。ドネアがどんなゲーム・プランを描くのか。オッズは井上に大きく傾くのは間違いなくドネアが勝てば大番狂わせになる。11月7日が今から楽しみで仕方がない。

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