ワイルダーはDAZN(ダ・ゾーン)と契約しなかったのは正解だったのかもしれない。もし、契約していればアンソニー・ジョシュア(英)が王座陥落で、今ごろはどうなっていたことか。

 筋書き通りワイルダー、フューリーが次戦をクリアして実現すれば近年、米本土で行われるヘビー級のイベントでは最大規模になる。WBC世界ヘビー級王者デオンテイ・ワイルダー(米)対タイソン・フューリー(英)の再戦が本格的に動き出した。

 ワイルダー対フューリー再戦交渉は、トップランク社(米有力プロモーター)が介入したことで締結は難しくなったが、結果から言えば先延ばしにしたことは正解だった。ワイルダーとの再戦が行われればPPV(ペイ・パー・ビュー)は100万世帯は期待できる。

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フューリー次戦は米ニューヨーク

photo by:boxingscene


 タイソン・フューリー(英)は現地時間7日、デオンテイ・ワイルダー(米)との再戦に同意したことを発表。トップランク社と組んだフューリーは、米ラスベガスで再起戦を行い9000人の観客を動員。次戦は9月か10月米ニューヨークで試合を行うことが決まっている。

 米ネバダ州ラスベガスにあるMGMグランドガーデン・アリーナ、ESPN+がネットストリーム配信する大舞台でジェームス・ブラウンが流れるロッキーの演出で登場したフューリー、無名のドイツ人のシュワルツと対戦し2回TKO勝利でサビ落しを完了。ワイルダー戦前に今度は東海岸のニューヨークに上陸し2020年にワイルダーと再戦する流れだ。

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ワイルダーはオルティスと再戦

 フューリーがヒーローだとすればワイルダーは悪役か。すでにワイルダーは公式ツイッターでルイス・オルティス(キューバ)との再戦後フューリーとの再戦に向かうことを発表。当初、9月米ロサンゼルスでオルティスとの再戦がまとまる予定だったが、10月か11月にずれる見通し。

 ワイルダーは2019年5月米ニューヨークでドミニク・ブラジール(米)との防衛戦に臨んだが、ブラジールは第二候補だった。もともと、タイソン・フューリーとの第2戦に向け交渉が進められていたもの、急転直下フューリーがトップランク社と契約を交わしたことで、再戦は暗礁に乗り上げた。

 ワイルダーはトップランクと対立するアル・ヘイモン氏と契約。ワイルダーは米大手ケーブルTV局ShowtimeやPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)と契約する米地上波FOXと直接契約を結んでいないが、PBCの事実上最高権限があるヘイモン氏はShowtime、FOXとの関係は強く早期に締結することは難しかった。

 もちろん、2015年ようやく実現したメイウェザー対パッキャオ戦のように、HBO、Showtimeが合同でPPV(ペイ・パー・ビュー)したように、FOXやShowtimeとESPNが合同でPPV配信することは可能だったにしろ、報酬分配など早期に交渉をまとめることは困難。ボブ・アラム氏の意向もあり流れる公算が高かった。

ワイルダーDAZNのオファーを拒否

 実は、タイソン・フューリー戦が消滅したワイルダーにDAZN(ダ・ゾーン)が急接近していた。交渉テーブルには8000万ドル(約86億76000万円)積まれ、ワイルダーがDAZNと契約する見方が強かったが結局、ワイルダーはDAZNのオファーを蹴った。

 ワイルダー獲得には元ESPN社長で、現在DAZN執行役員を務めるジョン・スキッパー氏自らワイルダー陣営のヘイモン、シェリー・フィンケル氏と米ニューヨークでトップ会談に臨んだ。

 もっとも、スキッパー氏自らワイルダー獲得乗り出したのは、交渉が進められていたタイソン・フューリーとの再戦が決裂したことも大きい。トップランクとの交渉が決裂した今、DAZNにとってヘビー級でメジャー選手の一角であるワイルダー獲得は最大のチャンスだった。

 米記者のマイク・クッピンガー氏によれば、DAZNは3戦契約総額1億ドルという超破格のオファーをワイルダーに掲示したという。内訳は、ドミニク・ブラジール戦が2000万ドル、ジョシュア戦が再戦含めて8000万ドルの契約内容だったという。

 トップランクのボブ・アラム氏はワイルダーとの再戦交渉を引き続き、前向きに交渉する姿勢を示していたが、再戦を引き伸ばしたい意向だったことは間違いない。アラム氏は、ワイルダーとの再戦は数戦挟み実現させたい意向を示していた。

 第一戦はヘビー級米英対決として注目を集めたがPPVは35万件と低調。もちろん、米国ではヘビー級3団体を統一したフューリーの知名度は殆どない。両選手がPPVデビュー戦ということを考えれば、決して低い数値ではないにしろ、キャリア晩年を迎えるパッキャオ対ブローナーのPPV40万世帯を超えることが出来なかった。

 こうした背景を考えれば、アラム氏が先延ばしにしたかった理由も理解できる。ワイルダー戦のあと、米国でも大きな話題を呼んだだけに、ESPNでフューリーの売出しが成功すれワイルダー対フューリー再戦の期待が高まり、PPVで即時再戦するよりスケールは断然大きくなる。

 もちろん、ワイルダー対フューリー再戦実現にはフューリーが次戦をクリアして、ワイルダーがオルティスに勝つことが条件だ。ただ、40歳となるテクニシャンのオルティスは簡単な相手ではない。先のことがクローズ・アップされると足をすくわれる可能性は十分ある。

(Via:boxingscene

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