ガーボンタ・デービス(米)対ユリオルキス・ガンボア(キューバ)、そそるマッチメークだ。12月28日米ジョージア州アトランタにあるステート・ファーム・アリーナで行われることが正式に決定。空位のWBA世界ライト級王座がかけられる。かつてスパーリングしたこともある2人の対決は新旧対決の構図だ。 デビュー当時からスター候補と言われるデービスは24歳。未だ負けなしで全勝街道を歩んでいるが、ビッグ・ネームとの対戦は叶ってなく、治安の悪いボルティモア出身ということもあり聴こえてくるのは警察沙汰になったトラブル関係の話も少なくない。

 相手はかつてデービスの実力を測るため用意されたスパーリング相手アテネ五輪金メダリストのユリオルキス・ガンボアだ。古巣ガンボアは峠を過ぎているが悪くない相手だ。もっとも、この2人が戦うことは既定路線だった。

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 ガンボアは、デービスが地元ボルティモア凱旋防衛戦のアンダーカードで元WBO世界スーパーフェザー級王者ローマン・マルチネス(プエルトリコ)にTKO勝ち。PBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)と新規契約を掴んだガンボアは契約当初からデービス戦を臨んでいたこともあり、2人のマッチアップは早期に期待されていた。

 一時代を築いたガンボアは37歳と峠は過ぎ去っているが4連勝中、商品価値をあげるのが急務のデービスにとって五輪メダリストで2階級制覇のレジュメを持つガンボアに勝てば大きな実績に繋げられ、ライバルのロマチェンコが台頭するライト級で存在感を強めることができる。

 はやくからスター候補と言われたデービス、挑戦者らをことごとく撃破しプロモートするフロイド・メイウェザーJr.(米)と密接な関係にある米ケーブルTV局Showtimeのメインをはるまで上り詰めたが、もう一段階上のステージに上るには人気・実力を兼ね備えた選手との対戦が必須だった。

そして、スーパーフェザー級で猛威を奮っていたデービスだが、まだその経歴は厚くはない。実際、これまで戦った相手で世界水準の強豪といえる相手は、タイトルを奪取したプエルトリカンのホセ・ペドラサのみだ。直近戦ったウーゴ・ルイス(メキシコ)はスーパーフェザー級では実績ゼロ、他階級の活躍を見てもスピード、パワー、スキルと傑出したものは持ち合わせていない。KO率80%近いリカルド・ヌネス(ニカラグア)にしても、デービス相手では役不足であることは明白だった。

 もちろん、当時の状況を考えると統一戦にしても難しい状況だったことは理解できる。デービスをプロモートするメイウェザー・プロモーションズは、ロマチェンコをはじめWBC世界スーパーフェザー級王者ミゲル・ベルチェル(メキシコ)を抱えるTopRank社(米有力プロモーター)とは敵対関係にある。Showtimeとがっちり組んでいるメイウェザーがデービスをやすやすとTopRank社に貸し出すことは考え難かった。

 こうしたなか、デービスは軽量級で3階級制覇した米本土で右肩あがりにのびるヒスパニック・コミュニティから支持のあるアブネル・マレス(メキシコ)とのビッグ・ファイトが成立したもの直前でマレスが網膜剥離を患ったことで試合は中止となり、ウーゴ・ルイスと対戦することになったのである。

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ヌエスを初回でKO

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「ここボルティモアで地元のファンや知り合いを前にして戦うことは大きな意味がある。今日の勝利はボルティモアに捧げたい」

 ウィリアム・ヒルのオッズはデービス50倍、ヌネス15倍という驚異的な数値だった。ハード・ヒッターで知られるリカルド・ヌエス(パナマ)は、戦績はプロ通算24戦21勝19KO3敗(2KO)。パワー、スピード、スキルと高水準のデービスとは戦力の違いは明白。結果はオッズが示したとおりデービスの圧勝だった。

 2回、ヌエスを見切ったデービスは、プレスを強めコーナーに追い込み一気に畳みかけた。得意のクロスレンジから、パワフルなショットをヌエスの、顔面に集中、顎を打ち抜きレフェリー・ストップでゴングとなった。

 6年ぶりに地元ボルティモアで凱旋防衛戦をおこなったデービス。まだ、知名度こそ全国区には届いてないがこの日、5年ぶりにボクシング会場となるロイヤルファームズ・アリーナで開催され1万4686人の観客を動員。チケットは完売、デービスの地元人気は本物で、検索大手グーグルのトレンド・キーワードにも登場を果たしている。

 ガンボアはかつて自分の実力を示すために戦ったこともある相手。たとえ勝ったとしてもWBA王者はPFP傑作ロマチェンコが抱え、争われるのはWBAセカンド・タイトルで厳密に言えば2階級制覇とはならないが、デービスがタイトルを獲得すれば、ライト級トップ戦線は今以上に盛り上がりを見せるにちがいない。

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デービス対ロマチェンコ戦は実現するのか


 デービスがライト級に上げた今、クローズ・アップされるのはWBA・WBO・WBC3団体のタイトルを保持するワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)との統一戦だが、早期に実現することは難しいだろう。

 実現に向けとりわけ懸念されるのがTV局の問題だ。ロマチェンコはTopRank傘下でESPN(米スポーツ専門チャンネル)と独占契約を結んでいる関係上、デービスをサポートするShowtimeのリングには上がることは難しい。いつ、TopRankが、メイウェザー、SHOWTIME陣営と歩み寄り合意するのか興味深い。

  もう1つ理由として、PBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)に所属するデービスはライト級で相手に困ることはない。ライト級ではデービスと同傘下のロバート・イースターJr.(米)、ハビエル・フォルトゥナ、ランセス・バルテレミー(キューバ)と実力ある選手は多く経験を積ませ商品価値を最大化してからでもロマチェンコ戦は遅くない。そうは言っても2020年後半に決まってくれれば嬉しいが・・。まずは、戦力で大幅に上回るデービスが、ガンボアにどういった勝ち方を示せるかどうかだ。

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