フロイド・メイウェザーJr.王座を量産するWBC他、承認団体に苦言

 愛弟子のガーボンタ・デービス(米)のタイトルマッチが迫りフロイド・メイウェザーJr.(米)が米メディアのインタビューで「それにしてもボクシング界は王者が多すぎる。スーパー王者なんて存在するのか」。昨今、問題となっている承認団体の王座乱立について苦言を呈している。王座乱立の背景を探ってみよう。

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現状は各階級に4人の王者がいる

 誰が強いのか。もクエッションだが誰がチャンピオンなのかすらわかりにくいのが今のボクシング界だ。承認団体がWBA(世界ボクシング協会)のみだたっ時は王者が1人だったが、時代は急速に進みチャンピオンを認める機関はWBC、WBO、IBFとメジャー4団体となっている。

 17階級で各階級に4人の王者が君臨するが、WBAはスーパー王者、正規王者の2王者体制。さらに暫定王座、最近ではゴールド王座が新設された。そして、WBCはダイヤモンド王座、新たにフランチャイズ王座を新設。承認団体の王座乱立は進んでいる。これが、王者の権威が薄れたと言われる理由だ。

 最近の例を見てみよう。10月17日米ラスベガスで行われたワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)対テオフィモ・ロペス(米)戦は国内ではWBA・WBC・IBF・WBO、4団体王座統一戦として謳われたもの厳密に言えば4団体王座統一戦ではない。ライト級の王者をおさらいしてみよう。

WBAスーパー王者ロマチェンコ
WBA正規王者ガーボンタ・デービス
WBA暫定王者ローランド・ロメロ
WBAゴールド王者イバン・メンディ

WBC正規王者デビン・ヘイニー
WBCフランチャイズ王者ワシル・ロマチェンコ

 ロマチェンコがWBC王座を持っていたが、これは2019年6月WBCが新設したフランチャイズ王座で正規王者にはデビン・ヘイニーが君臨していたからだ。そして、さらにWBAライト級正規王者にはメイウェザー・プロモーションズ傘下のガーボンタ・デービス(米)が王座に君臨。スーパー王者が君臨する場合、WBA正規王者は2番手王者で、WBO、IBFといった承認団体の他、米メジャー誌のリング・マガジン、ESPNでは王者として認めてない。

 もちろん、ライト級最強の呼び声の高いロマチェンコを倒したロペスがタイトルを統一したことは事実だが、メジャー4団体制覇、議論の余地の無い王者であるかは議論する余地はある。

ロマチェンコはWBC正規王者ではなかった

 もともと、ロマチェンコは正規王座を保持していたが、当時暫定タイトルを持つヘイニーとの統一戦を指示されていたが、トップランク、ロマチェンコ陣営が拒否。トップランク陣営はWBCにロマチェンコをフランチャイズ王座として認めるよう要請しロマチェンコがフランチャイズ王座となった背景がある。

 WBCが新設したフランチャイズ王座は規定が決まっているわけではなく、王座乱立と言わざるを得ない。WBCは、フランチャイズ王座を優れたボクサーに対し与え、指名戦などの義務はなく階級を飛び越えタイトルマッチも承認するとしている。つまり、プロモーターや承認団体にとっては都合が良い王座で正規王者よりも格が低いと認識されても仕方がない。

WBA、WBCが王座乱立する理由はなにか

 「ベルトを獲得すれば承認料を払う必要がある」。
 メイウェザーが承認料に言及したように承認団体の王座乱立がとまらないのは、承認料を徴収できるからだ。

 タイトルマッチとして試合が承認されるには承認団体に承認料を支払う必要がある。例外はあるが、WBAは両選手に支払われる報酬の3%。WBCは両選手に支払われる報酬の3%とプロモーターも承認料を払う必要がある。承認団体にとっては大きな収益源でタイトルマッチを乱立すれば収入は増えていく。

 WBAは一時期、各階級王座を1人とすると明言したもの、最近ではスーパー王座認定、暫定王座乱立が目立つ。。スーパー王者は複数階級制覇した際や防衛回数を重ねるなど優れたボクサーに認めるとしてきたもの、人気選手同士がマッチメイクするとすぐさま設置に動くのが承認団体だ。

 2015年8月、WBAはフェザー級で全く実績がゼロのサンタ・クルスとアブネル・マレス戦を空位のフェザー級スーパー王座決定戦として承認。そして、WBCはダイヤモンド王座として承認した。人気選手同士が戦えば報酬も桁違い、興行規模が大きくなれば承認団体に入る承認料も大きく変わってくる。

 もちろん、承認団体の金儲けもあるが興行主催者にとってもプラスに動く。興行がノンタイトル・マッチと世界タイトルマッチとでは世間的な注目も大きく変わる。”チャンピオンシップ”となれば箔がつくからだ。

 最近ではWBSS(ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ)、4団体王座統一戦も見られるようになったが、4団体王座となれば承認料や12%徴収される。団体が義務付ける指名戦などがネックとなり、プロモーターや選手が敬遠。ビッグ・ファイトを優先してきている。最近では、WBSSクルーザー級を制覇したオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)、バーナード・ホプキンス(米)、ジャーメイン・テイラー(米)、テレンス・クロフォード(米)がメジャー4団体を制覇している。

 「ボクシングはクリーンでなければならない」。
 こうメイウェザーは指摘するが改革は簡単なものではない。プロ・ボクシングはメジャースポーツと異なりルールや規制を統一する機関が無いため、ルールは規制は米国であれば州のコミッションやWBC(世界ボクシング評議会)に委ねられている。

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