予想以上の売上か。米メディアによると、9月27日米カリフォルニア州ロサンゼルスにあるステイプルズ・センターで行われたIBF・WBC世界ウェルター級2団体王座統一戦、エロール・スペンスJr.(米)対ショーン・ポーター(米)戦のPPV(ペイ・ーパー・ビュー)が30万世帯を超え35万件前後に到達する見通しであることが分かった。FOXは、今後も提携するプレミア・ボクシング・チャンピオン(PBC)と関係性を強めPPVを加速させそうだ。

 スペンスは前回、AT&Tスタジアムで挙行されたマイキー・ガルシア(米)戦が初のPPVイベントで37万5000件を記録。前回の購買件数より振るわなかったが興行的には成功したと見ていいだろう。激戦だっただけに次回以降ユーザーの期待値はあがり購買意欲向上に繋がりそうだ。

期待値の高い試合だった

photo by:boxingscene


 PBC傘下のウェルター級屈指の強豪2人が対決するだけあり試合前から大きな話題となっていた。PPVを配信した米FOXの番宣はエピソード4まで制作され、エピソード3の視聴件数が97万1000件、エピソード4は平均170万件を超えた。

 2人ともモチベーションは最高潮だったはずだ。勝てば、直ぐに実現しなくてもキース・サーマン(米)に勝ったフィリピンの英雄マニー・パッキャオとの統一戦に一歩前進するからだ。

 直近、スペンスはマイキー・ガルシアを完封、スマートな一面も披露したが、やはりスペンスの真骨頂はファンを沸かす打撃だ。一方のポーター、すでにキース・サーマン(米)、ダニー・ガルシア(米)ら強豪と戦った経験がある。何より後退をすることを知らないファイト・スタイルは、スペンスと噛み合うことは言うまでもなく年間最高試合になっても不思議ではなかった。

 2人の最低報酬額は200万ドルずつ(約4億3304万円)、PPV収益が2624万ドル(約28億4000万円)プロモーターの取り分1049万ドル(約11億3565万円)としても報酬を全て賄える。PPV報酬分配は明かになってないがAサイドのスペンスが分配率は高そうだ。2人が手にする報酬は、PPVボーナスを含めると最低でも500万ドル以上になるだろう。

 35万件と聞くとミリオン・ヒットを連発したPPVキングのメイウェザーやパッキャオと比較すると低い数値だが、パッキャオ戦で400万件を売ったメイウェザーも米プレミアム・ケーブルTV局HBOPPVデビューとなったガッティ戦は32万件。オスカー・デラ・ホーヤ戦以降一気に商品価値を引き上げている。

2020年PBCはPPVを促進

 PPVは死んだ言われているが本当だろうか。米FOXと新契約を結んだPBCは勢力を拡大。HBOやShowtimeより大きな母体があるFOXは地上波で選手を売り出し、PPVイベントを促進していことは間違いない。

 FOXは、2019年11月23日米ラスベガスでWBC世界ヘビー級王者デオンティ・ワイルダー(米)対ルイス・オルティス(キューバ)再戦をPPV配信することを発表。FOX幹部は2020年以降もPPVを定期的に打ち出す方針を示している

 今年、FOXはスペンス対マイキー、パッキャオ対サーマン、スペンス対ポーターのPPVイベントを実施し何もミリオン・ヒットに届いてないが好成績を収めている。ワイルダー対オルティスは今年4回目のPPVイベントとなる。

 まずは、著名タレントが揃うウェルター級、そして世界的にも注目が別格に高いヘビー級でPPVイベントを行う方向で間違いない。ウェルター級は、WBC・IBF世界ウェルター級統一王者エロール・スペンスJr.(米)を軸に著名タレントが揃いPPVイベントを打ち出しやすい。

 すでに、スペンスの次の対戦候補にはポーター戦後リング上に現れたダニー・ガルシア(米)が有力だと考えられ2020年1月25日という具体的な日程も出てきている。プエルトリコ系アメリカ人のガルシア戦が実現すれば、ヒスパニック層の購買も期待できポーター戦以上にPPVは伸びるだろう。それに相手としてもサーマン、ポーターに敗戦したがウェルター級では中堅クラスのアドリアン・グラナドス(米)を序盤でストップに追い込んだガルシアであれば不足はない。

 DAZNが参入しサブスクリプション・モデルに移行したことで、PPVビジネス・モデルは死んだとも言われるが、まだそういった結論を下すのははやいかもしれない。今回のケースで言えば十分興行的には成功しているし、選手の商品価値を最大化することができれば、選手は一夜にして莫大な報酬を手にすることだって可能だ。ただ、PPVスターは限られている。今後、PBCがFOXと連携してPPVファイターを育て上げ100万世帯を超えるメガ・ファイトを創出できるか注目したい。

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