WBSSで盛り上がりをみせるバンタム級戦線がさらに盛り上がりそうな気配だ。WBSS準決勝で井上尚弥(大橋)に負けたエマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)/20戦19勝12KO1敗1KOと日本ではすっかりヒールとなり嫌われ者のレッテルを貼られたルイス・ネリ(メキシコ)/30戦全勝24KOが11月23日米ラスベガスで対戦することが興行を主催するPBCから正式に発表された。この一戦はWBCエリミネーターとして認定され今後、WBC王座を巡り好カードが実現する。

 興行は、PBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)が主催し米地上波FOXがPPV(ペイ・パー・ビュー)配信する。ロドリゲス対ネリの一戦は興行のメインを務めるWBC世界ヘビー級タイトルマッチ、デオンテイ・ワイルダー(米)のPPVアンダーカードとして行われれる。

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嫌われ者ネリはヒール役

photo by:boxingscene


 日本ではすっかり悪者のネリ、ファンの脳裏には根強く記憶に残っていることから時間では解決されないだろう。かつて、山中慎介の対戦相手ネリは、パワー、スピード、タフネスと間違いなく当時バンタム級では間違いなくトップ・レベルの水準にあり山中にとって危険な相手だった。

 山中との初戦はストップの議論を呼んだが、会場ではネリの強さを認める声が殆どだった。ところが、試合後ネリのドーピング違反が発覚。本来であれば、試合は無効試合、最低でもサスペンド処分が課されるところだが、WBC(世界ボクシング評議会)は証拠不十分としてネリから王座を剥奪することはなかった。

 そして、あろうことか山中とネリの再戦が承認。迎えた再戦で前日計量でネリは体重超過の失態、興行のメイン・イベントであることから試合を中止にするわけにもいかず決行。体重超過を犯したネリが2回TKO勝ち、会場で見ていた殆どのファンは、この結果を受け入れることは難しかったはずだ。

 JBC(日本ボクシング・コミッション)から事実上の永久追放されたネリだが、ボクシングは統括団体がないため、日本以外であれば試合は可能だ。ネリをプロモートするサンフィール・プロモーションズは世界屈指のパイプ・ラインを持つ、代表のフェルナンド・ベルトラン氏と共に北米で最大の影響力もつPBCの事実上の最高権限もつアル・ヘイモン氏と契約を結ぶことに成功した。

 ネリは現バンタム級では実力者であることを認めざるを得ない。ネリのドーピング違反は決して許されるものではないが、米国で実績を上げバンタム級では無視できない存在となっている。PBCと契約を結んだネリは今ではPPV(ペイ・パー・ビュー)アンダーカード枠の常連で、軽量級ながら期待値は高い。

 PBCデビュー戦は、パッキャオ対ブローナーのPPVのアンダーカードで元オリンピアンのマックジョー・アローヨ(プエルトリコ)相手に4度のダウンを奪い圧勝。続いてパッキャオ対サーマンのアンダーカードで、WBSS初戦で井上尚弥に70秒KOで仕留められたファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)のファイト・スタイルに苦戦したが9回、パヤノにボディ・ブローを突き刺し勝ち星を上げている。

 一方のロドリゲスは、実は元WBA世界バンタム級ラウシー・ウォーレン(米)と再起戦を行うことが決まり、米国で史上初の3大会連続出場したウォーレンとロドリゲス自身も世界選手権で優勝し豊富なレジュメがあることから好試合として注目を集めていた。が、直前でウォーレンが負傷したことで中止。その空いたポジションにネリが入り込んできたという具合だ。

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どちらかが上に這い上がる

 パヤノ戦でも体重超過したネリは、バンタム級維持は難しくギリギリの状態、おそらくあと数戦でスーパーバンタム級に階級を上げるだろう。その前に、失ったWBCのベルトを取り戻し将来的に2階級制覇を目論んでいることは間違いない。井上が2回に下したロドリゲスは、ネリにとってアピールする絶好のチャンスでもある。

 ロドリゲス対ネリは、WBCバンタム級挑戦者決定戦として行われ、WBCから11月7日さいたまスーパーアリーナで挙行するWBC世界バンタム級王座統一戦、ノルディ・ウーバーリ(フランス)対井上拓真戦の勝者との対戦を義務付けていることから、どちらが勝ち上がったとしても面白いマッチメークとなる。

 ロドリゲスは、破壊的なパンチャーではないが優れたジャブと主導権支配に長けている。井上戦では、負けてしまったが井上は階級でもパワー、スピード、クイックネスは桁外れでロドリゲスが弱い選手ではない。

 2回にギアを一気に引き上げた井上に仕留められたもの1回、井上のジャブに対しクロス、丁寧なジャブで主導権を握り井上に支配させなかった。一方のネリは回転力のあるコンビネーションと破壊力のあるパンチがアドバンテージ。パヤノ戦では相手のリズムにのせられることなく、自分のペースに持ち込みパヤノに勝ち対応力の高さを証明していることから興味深い一戦となることは間違いない。

 ロドリゲスの再起戦の相手としてリスキーな相手だが、陣営からすればアローヨ、パヤノを下し株を上げているネリ戦を断る理由は見当たらない。そして、気になるのがウーバーリ対井上拓真戦だ。

 井上拓真が勝てば晴れて正規王者となるが、相手はこれまで戦った相手で一番手強い。豊富なアマ実績のあるウーバーリは、攻防とも現バンタム級ではトップクラスだ。パッシブのスタイルでは厳しい展開も予想される。何れにせ11月7日、11月23日の勝者同士の対決は確実。試合を楽しみに待ちたい。 

(Via:boxingscene

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