これだからヘビー級は面白い。殆ど動きはなかったがフィニッシュは7回突然やってきた。ヘビー級において最大のアドバンテージとなるのはパワーだ。テクニック、防御、どこか欠点があったとしても、たとえ劣勢で戦いを有利に進められてたとしても一発で全てを帳消しにできるからだ。そのパンチを持っているのが破壊的なパワーをもつWBC世界ヘビー級王者デオンテイ・ワイルダー(米)だ。

 WBC世界ヘビー級タイトルマッチが11月23日、米ネバダ州ラスベガス・MGMグランドで行われ王者デオンテイ・ワイルダー(米)が7回、ルイス・オルティス(キューバ)を沈めた。ワイルダーは2020年第1四半期にもヘビー級リネラル王者タイソン・フューリー(英)とのリマッチに動く。

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ワイルダーはなぜオルティスとの再戦に臨んだのか

photo by:boxingscene


 ワイルダーの欲求だろうか。オルティスとの第一戦ではダウン寸前に陥りキャリア最大のピンチに陥ったことは確かだが、タイソン・フューリー(英)との再戦が大筋合意したことが報じられ、ビッグ・ファイト前に危険なオルティスとのゲームをするのか理解できない面があった。

 もちろん、第一戦でピンチに陥ったが再戦となればオルティスは40歳と高齢、ワイルダーは勝算があるとふんでいたのかもしれない。一方、オルティスはワイルダーとの再戦を断る理由がなかった。40歳となりキャリア終盤、ヘビー級はチャンスが直ぐには回ってこない。今回、オルティスは700万ドル(約7億6045万円)、ワイルダーはキャリア最高の2000万ドル(約21億7698万円)の報酬が約束されていた。

 ワイルダーの試合はいつ終わるか分からない。今戦も立ち上がりからそんな緊張感があった。7回までペースを握っていたのはオルティスだった。オルティスは、優れた右ジャブ、ワイルダーの右ストレートにカウンターで迎撃して試合をコントロールしていた。

 実際、7回までのスコアカードは(56-58,55-59,55-59)でオルティスがポイントで優勢だった。そして、興味深いのがパンチスタッツだ。オルティスのほうが手数が多いように写ったが実際は殆ど差はなかった。ワイルダーのトータルパンチ数は184発、オルティスは179発でワイルダーのほうが手数は多かった。

 オルティスは無理に深追いしなかったのは、第一戦の教訓からだろう。ワイルダー戦では1つのミスが命取りになる。一方、ワイルダーは序盤は殆ど手数が少なかったが、ワイルダーは相手にダメージを蓄積させて勝つタイプではない。必殺のウェポンでいつでも倒せることができる。それほどワイルダーのショットは強力なのだ。

 10度防衛に成功してモハメド・アリ(米)と並ぶことになったワイルダー。右の威力と精度はドンドン上がっているように見える。ヘビー級にない華麗なスタイルを持つタイソン・フューリー(英)もうかうかはしていられない。フューリーとの再戦は2020年2月に基本合意されたと言われているから、リマッチが今から楽しみだ。

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