Quitter、不確実性に満ちた戦いは波乱の終わりとなった。ダニエル・ジェイコブス(米)がスーパーミドル級デビュー戦でフリオ・セサール・チャベスJr.(メキシコ)と戦い、チャベスが5回棄権し再起に成功したが後味の悪い結果となってしまった。
5回が終了、チャベスがコーナーに戻ると棄権した。場内アナウンスでチャベスJr.の棄権が伝えられると、観衆達はリングへビールなど物を投げつけ不満を爆発させる最悪の事態となった。ジェイコブスは39戦36勝30KO3敗1KO、チャベスJr.は57戦51勝33KO4敗2KO1NCとした。
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ジェイコブス対チャベス戦は予定どおり開催

photo by:boxingscene
ジェイコブス対チャベス、開催を危惧する声は多かった。チャベスは過去にドーピング違反、体重超過とレジュメはクリアではないからだ。そして、今回チャベスJr.はNSAC(ネバダ・アスレチック・コミッション)からサスペンド処分を課されていてたことも開催に関して不安材料の1つだった。
試合が締結するまえ、チャベスがVADA(ボランティア・アンチ・ドーピング機関)の薬物検査を拒否したのである。もともと、開催地はメキシカンのチャベスの本拠地である米ネバダ州ラスベガス開催の方向で交渉は進んでいたが、チャベスがVADAの薬物検査を拒否したことで暗雲が立ち込めた。
これを受け、NSAC(ネバダ州アスレチック・コミッション)はチャベスJr.に対しライセンス停止処分を科したのである。ベガス開催が出来なくなったことでイベントを主宰するマッチルーム・ボクシングを率いるエディ・ハーン氏は、開催地をネバダ州以外に移すことを迫られた。
Sponsor LinkチャベスJr.がまた体重超過
ドーピング検査拒否から体重超過。チャベスJr.が体重超過で契約ウェイトが変更になった。またか、と思ったがこの結果に驚いたファンは少ないだろう。何せチャベスJr.は体重超過の常連だ。
もちろん、主宰者側もこうした事態を想定済みだ。エディ・ハーン氏「チャベスが168ポンドのウェイトを作れると思っていなかった」。と語るとおり。バックアップ・オプションとして、ガブリエル・ロサド(米)が待機していた。
フリオ・セサール・チャベスJr.(メキシコ)が現地時間12月21日米アリゾナ州フェニックスで挙行されるダニエル・ジェイコブス(米)とのスーパーミドル級(168ポンド)の前日計量が20日に行われ、172.7ポンドで計量に失格した。5ポンド近い体重超過、落とす気はさらさら無かったのだろう。
チャベスJr.は契約体重を大幅に上回ったが、チャベス陣営は100万ドル(約1億円)の罰金を支払うことでジェイコブス陣営は試合に合意。チャベスJr.は300万ドルの報酬が約束されていたが、100万ドル減額され200万ドルになった。
Sponsor LinkチャベスJr.5回棄権
チャベスJr.は多くのファンの期待を裏切った。メイン・ストリームに戻れる可能性があったが途中棄権、自ら棒に振ったことで再びビッグ・チャンスが掴むことは難しくなることは間違いない。そして、ドーピング検査拒否、体重超過の失態。救いようがない。
クルーザー級に仕上げてきたチャベスJr.、確信犯であることに疑いの余地はない。
リングで対峙するとジェイコブスよりも遥かに大きく開始のゴングから、体格差を活かしジェイコブスに圧力をかけ攻勢を掛けていった。4回、ジェイコブスがペースを握りかけるとチャベスは、レフェリーにしきりにエルボーをアピールしていた。
The moment #JacobsChavezJr was stopped. pic.twitter.com/ZnpaUN1sgs
— DAZN USA (@DAZN_USA) December 21, 2019
そして5回終盤、鼻血を出したチャベスは失速、コーナーに戻ったチャベスは棄権。チャベスJr.は「彼は肘とヘッドバッドを見舞った。鼻血で呼吸できなかったので続行は難しかった。ファンに謝罪したい。再戦をしたい。ジェイコブスはダーティだ。レフェリーは減点すらしなかった」と主張した。
ジェイコブス次戦はタイトル戦が濃厚

photo by:The Ring
おそらく、チャベスの鼻血はジェイコブスのアッパーだろう。何れにせよ、途中棄権したチャベスJr.に次はないだろう。
一方、チャベスJr.戦を受け入れたジェイコブスは最大の被害者だ。チャベスJr.戦を無理に受け入れる必要はなく待機していたガブリエル・ロサド戦に切り替えることも可能だった。スーパーミドル級デビュー戦ではなくクルーザー級でのテストマッチとなったが、この先は、スーパーミドル級同傘下のWBO世界スーパーミドル級王者ビリー・ジョー・サンダース(英)、WBA世界スーパーミドル級スーパー王者カラム・スミス(英)への挑戦が濃厚だ。
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