勝てば4階級制覇メキシカンのレジェンドらと肩を並べることになる。基本合意したことが伝えられ、交渉の動向に注目が集まっていたメキシカン・スター、サウル・カネロ・アルバレスとWBO世界ライトヘビー級王者セルゲイ・コバレフ(ロシア)戦が正式に決まった。

 先週、米メディアより交渉に大きな進展があり大筋合意と報じられ公式アナウンスが待たれていた。合意するうえで、課題は報酬だった。カネロ陣営が有利となるスーパーミドル級からライトヘビー級のあいだのキャッチ・ウェイト(両陣営が同意の上で行われる契約ウェイト)のカードを切り、難航する見方があったが、カネロは交渉でキャッチ・ウェイトのカードを切ることはなくライトヘビー級リミットで行われことが決定した。

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コバレフ陣営の抱えていた問題は解決

 実は、コバレフはプロモートするメイン・イベンツ社の他、ESPNと提携するトップランクが共同でプロモートする権利を保持しており、DAZN(ダ・ゾーン)と契約するカネロ戦をまとめるにはTV局の問題を早期に解決する必要があった。

 コバレフは、米プレミアム・ケーブルTV局HBOが長いあいだサポートしてきたが、HBOがボクシング中継から手を引いたことで、トップランク社と共同プロモートする契約を取り付けた。エレイディル・アルバレス(コロンビア)との再戦でコバレフと契約したトップランクはカネロ戦締結に向け、イベントに関与しない代わり数百万ドルの支払いをコバレフ陣営に求めていた。

 メイン・イベンツ社は、トップランク社との契約に応じ数百万ドル支払い、カネロ戦をゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)と契約を結んだ。コバレフはキャリア最高額となる1000万ドル以上の報酬を手にする。そして、コバレフはカネロ戦の契約でDAZNと複数戦契約を交わした。コバレフが負けた場合、トップランク社と契約するESPN(米スポーツ専門チャンネル)への出戻りはなし。DAZNで戦うオプションがあるという。

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カネロ9月のメキシコの独立記念日の試合は辞退

 ようやく、決まったカネロ対コバレフだが場合によっては、交渉が再開される保証はなくカネロにはバックアップ・プランが用意されていた。もともと、カネロ対コバレフは9月のメキシコの独立記念日の週末をターゲットにし交渉が進められていたが、交渉は複雑だった。

 コバレフはアンソニー・ヤード戦が合意したことで、コバレフ陣営は指名挑戦者アンソニー・ヤード陣営と話し合い待機料を支払うことで、指名戦を回避する手はずは整ったものヤード陣営への待機料、トップランクへの支払い、と合意するにあたり課題が山住み。結局ヤード陣営の待機料などがネックとなり、カネロ戦は持ち越し。コバレフはヤードとの指名戦に方針を固めた。

カネロとGBP不仲説が浮上

 コバレフ戦が破断となり、デレイビャンチェンコとの指名戦に方針を転換せざるを得なくなったカネロ。交渉締結が近いとみられていたが、報酬を巡り交渉は予想以上に長引き失敗、挙げ句の果てカネロの保持するIBFミドル級王座は剥奪されることになった。実はここで大きな問題があった。

 IBFは最終期限を設置し期限まで合意しなかった場合、さらなる期限の延期、入札はなしとGBPと合意したが、カネロ陣営は契約を知らなかったとツイッターを通じて主張。以前から、カネロとGBPの不仲説があり、ここにきてそれが浮き彫りになった。

 カネロは王座を剥奪されたことはもちろん、コバレフ戦を締結できなかったGBPに対して不信感を露わにしていた。その後、コバレフ戦が白紙となったカネロの対戦相手に同じDAZN傘下のWBO王者デメトリアス・アンドレード(米)、WBC王者ジャーモール・チャーロ(米)らをDAZNが承認し注目が集まっていたが、カネロはコバレフ一択だった。

カネロはリスキーなコバレフ戦一択

Photo by Tom Hogan via:boxingscene


 北米最大の商品価値のカネロは富は手に入れている。あとは名声だ。が、ミドル級を見渡しても、ゴロフキンにしても人気・実力を兼ね備えカネロが勝つことで今以上の地位を確立できる相手は少ない。メキシコの重責を担う立場のカネロ、ファンが納得しかつビッグ・イベントを成立する相手を選ぶ必要があった。

 ライトヘビー級の住人コバレフは36歳。年齢からいえばアスリートとしてピークは過ぎているとはいえ、カネロにとって危険極まりない相手だ。ヤード戦ではタフな戦いを強いられたが、タフネス、豪腕はまだ健在。若いヤードのスピードに苦しみ一時はロープに追い込まれピンチに陥ったが、後半は重いコンビネーションを浴びせ、最後はハードなジャブでヤードを沈めている。

 関係者によれば、カネロ陣営はコバレフがヤードに負けた場合やコバレフ戦の交渉が再び破断となった場合に備えバックアップ・プランを用意。WBO世界ミドル級王者デメトリアス・アンドレード(米)がプランBとして浮上。しかし、カネロはこの契約にはサインしていなかったという。

 「コバレフは俺よりも大きいし彼は危険なパンチャーだ。でも、それが俺がテイクしたいリスクでありチャレンジなんだ」
コバレフは直近でアルバレス再戦、トップコンテンダーのヤードを下した紛れも無いライトヘビー級屈指の強豪、カネロがコバレフを撃破すれば文句なしの4階級制覇、PFP上位も入れ替わることは間違いない。そして、ウェルター級からライトヘビー級を制したシュガー・レイ・レナード(米)、トーマス・ハーンズ(米)らレジェンドと並び多くの称賛を集めることになるが、カネロはキャリアで最大のリスクを伴う。

 あとは、気になるのがカネロとGBPの関係だ。GBPはコバレフ戦を締結させたが、カネロとのわだかまりは溶けていない。現地時間18日米ロサンゼルスで記者会見が行われ、カネロは記者からオスカー・デラ・ホーヤ氏との関係性について問われ一瞬ダンマリ。オスカー・デラ・ホーヤ氏は、記者へ2020年ゴロフキンとの3部作目を示唆するが、カネロは「オスカーは理解できないことを言っている」と反論。GBPにとってカネロは生命線といっても過言ではない。失えば、大規模なイベントは打てなくなる。今後、カネロとの亀裂をどうやって修復していくのだろうか。頭を悩ます課題は多い。

(Via:boxingscene

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