英国ではスーパーミドル級は伝統的な階級だ。歴代でも名王者が誕生している。そして、今、英リバプールの人気者がWBSS(ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ)スーパーミドル級を制したWBA世界スーパーミドル級スーパー王者カラム・スミス(英)だ。メキシカンのカネロとの対戦が期待されるスミスだが、ジョン・ライダー(英)に大苦戦の末3-0の判定勝ち。ライダー勝ちの論調も少なくなかった。

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ライダーの健闘が光った

photo by:boxingscene


 スコア・カードほど差の開きは感じなかった。スミスはホームに救われ勝ったという印象。12ラウンド、フル・アクションを見せたライダーの健闘が光った戦いだった。ライダーは攻め込むスミスに対しても反撃を見せスミスに主導権を渡さず、スミスを追い込んだ。

 まず、リングで対峙すると印象的だったのは2人の体格差だ。大型のスミスは、191cm、リーチ198cm。一方、ライダーは身長175cm、リーチ183cmの差がある。ライダーは体格差があり不利な状況だったが、スミスのスピード、パワーに対し屈強なフィジカル、タフネスで対抗した。

 1回、体格差で不利のライダーはスミスの長い左リードが邪魔になるが、ロング・レンジでやれば不利になる。積極的に手を出しスミスとの距離をつめていった。スミスの硬いブロックを貫くことは簡単ではかったが、リスクをテイクし懐に入らなければ勝機はなかった。

「最高のパフォーマンスを示すことができなかった。ジャブをもっと使うべきだった」
 一方、長いリーチを持つスミスは長いジャブと右ストレートをうまく使ったが、強いプレスをかけるライダーを崩すことは難しく、ジリジリとプレスをかけ強打を投げ込んでくるライダーの侵入を許しアウト・ボックスを強いられる厳しい戦いになった。

 ライダーは、スミスの左、右はヘッド・スリップ、パーリーで外し、チャンスを伺い強打のワンツーでスミスを警戒させ懐に入り、下から突き上げ顔面・ボディに強打を打ち込んだ。長い手を折りたたまなければいけないスミスに有効だった。

 ライダーがプレスをかけスミスがコーナーに追い込まれる展開が続いた。重厚な戦車のように突進してくるライダー、確かにタフだがパンチの外し方も上手い。接近戦だと下から突き上げるライダーが有利だ。7回、コーナーに追い込み左右の強打を浴びせた。止まったスミスは、長い手を持て余しガードに徹するしかなく接近戦から打開することが出来ず、コーナーに攻め込まれると苦しかった。
 
 11回、ロープに追い詰められたスミスは疲労困憊。あれだけ、手数をだしたライダーのスタミナはまだ落ちない。ここぞとばかり打ち込んでくる。右ジャブから左フックを浴びせスミスは後退。スミスも負けじと反撃するが疲労・ダメージが蓄積され、右フックで一瞬ぐらつき防戦一方となったが、ゴングに救われた。

 12回、初回から飛ばすライダー。スミスはまたしてもロープに追い込まれた。ライダーは、顎を下げ低い体勢から下から突き上げるジャブ、フックでスミスを追い込んだ。ここまでくるとスミスは完全に逃げ切りモード、アウト・ボックスしたが打ち返す余力は殆どなかった。

スミスとの次戦は誰に


 「ビッグネームが欲しい」
 WBSSを制したスミスの株は上がったが、ライダーに思わぬ苦戦を強いられたことで米リング誌のベルトを巻きWBAスーパー王座を保持するが、スーパーミドル級でトップ選手であることは間違いないが、傑出した存在ではないかもしれない。

 他団体王者にはWBC王者デビッド・ベナビデス(米)IBF王者カレブ・プラント(米)、WBO王者ビリー・ジョー・サンダース(英)といった強豪らがひしめく。そして、この一戦を見て次戦スーパーミドル級に階級を落とすカネロが、スミス戦に舵をきる好材料になったことは間違いない。

(Via:boxingscene

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