元WBA世界ミドル級王者ダニエル・ジェイコブスがHBO、マッチルーム・プロモーションズと契約!


photo by:HBO Boxing

 ボクシング界の重要人物の1人、マッチルーム・プロモーションズ エディ・ハーン氏が兼ねてから公言していた米国進出をついに果たす。米・老舗プロモーター トップランク社は、長年タッグを組んできたHBOを離脱しESPNと契約するなどボクシング界に新たな風が吹いている。

 現地時間23日、エディ・ハーン氏は元WBA世界ミドル級王者ダニエル・ジェイコブス(米)と複数戦を締結したことを発表。さらにダニエル・ジェイコブスがHBO(米・最大手ケーブルTV局)と契約したことを同時に発表した。ジェイコブスがHBOと契約したことで、2018年以降ミドル級戦線が活発化しそうだ。

 マッチルーム・プロモーションズは、11月11日に米国進出の初戦のイベントを開催。2018年に米国で4〜6回のイベントを開催、有数のプロモーターと協力しイベントを開催する方針であることを示している。米国進出初戦は、11月11日に米ニューヨークにあるナッソー・ベテランズ・メモリアル・コロシアムで開催する。

 最大の関心はジェイコブスがHBOと電撃契約を果たしたことだろう。ジェイコブスは、HBOと相反するShowtime(米・ケーブルTV局)に強い影響力をもつアル・ヘイモン氏と契約しているからである。

 「マッチルーム・ボクシング、HBOと契約したことに本当に興奮している。これは新しいキャリアの始まりだよ。世界に自分のスキルを誇示する機会を得た。11月にリングへ復帰することが待ちきれないよ。ミドル級王座を取り戻す」。

 ジェイコブスがこう語っているとおり、この契約はジェイコブスのキャリアにおいて重要な分岐点となるだろう。さらにHBOと契約したことで、今後のミドル級トップ戦線の要のファイターとなることは間違いない。

ヘイモン傘下の選手がHBOと契約

 ジェイコブスがHBOと契約したことはアル・ヘイモン氏が契約するファイターの中では異例。アル・ヘイモン氏と契約した選手は例外を除きプロモーターと契約することはあっても、ホスト局との契約は交わさないのが慣例である。

 アル・ヘイモン氏は、自前のPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)とShowtime、米地上波CBSを連携させイベントを開催。ライバルであるトップランク、GBP(ゴールデンボーイ・プロモーションズ)と協力することなく、基本的に自前の選手はHBOのイベントに上げず完全に排除。独占的とも言える戦略はPBC開幕当時、老舗トップランクやGBP、HBOの脅威になると言われていた。

 ダニエル・ジェイコブスはShowtimeとの契約はないものShowtimeの顔の1人。地元ニューヨーク、ブルックリンでの集客能力は高くニューヨーク興行の顔でもあった。それだけに、Showtimeとライバル局であるHBOとジェイコブスが契約したことは驚きの発表だった。

ジェイコブス、HBOでビッグマッチ

 「ジェイコブスとヘイモンは、HBOとマッチルームと契約することがジェイコブスのキャリアにとってベストの選択であると同意した」。とジェイコブスのマネージャーであるキース・コノリー氏は語っている。ジェイコブスとアル・ヘイモン氏の契約はそのままだという。

 ジェイコブスにとってHBOとの契約は最善の選択だったにちがいない。ジェイコブスは、ミドル級に階級を上げたジャーモール・チャーロ(米)とのオプションは好カードであるが、ジェイコブスが望むビッグマッチとは言い難い。

 TV局の障害からその後のシナリオをは見え難く、ジェイコブス、アル・ヘイモン氏がHBO、マッチルーム・プロモーションと契約したことに同意したことは十分理解できる。

 ミドル級の中心人物、WBA・WBC・IBF世界ミドル級統一王者ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)、サウル・”カネロ”・アルバレス(メキシコ)この2人である。

 しかし、ゴロフキン、カネロはHBOと独占契約しており他のTV局のイベントで試合を行うことが事実上困難な状況にある。ゴロフキン戦はWBAの指名戦という理由もありHBOで実現したが、それでも交渉は難航しようやく実現している。

 さらに、前述したとりヘイモン傘下でミドル級の選手は少なくジェイコブスがShowtime、PBCでの試合のオプションは限られミドル級トップクラスとの試合を実現するにはフレキシブルな環境が必要不可欠だった。

 HBOと契約したことにより、ゴロフキンとの再戦、カネロ、デビッド・レミューらとのビッグマッチが現実味を帯びてくる。HBOは近い将来にゴロフキンとの再戦、或いはカネロ戦のシナリオを考えていることは間違いないだろう。HBOとの契約内容は明らかとなってないが、ゴロフキン、カネロらとの対決が契約条件に入っていても不思議ではない。
 
 交渉もスムーズに進みそうだ。マッチルーム・プロモーションズは英国のみならず、北米を拠点とし活動するゴロフキンのプロモーター、K2プロモーションズや、カネロをプロモートするGBPとも良好なビジネス関係を築いている。

マッチルーム・プロモーションの米進出はカンフル剤となりそう

 ジェイコブス、エディ・ハーン氏は、2018年以降の対戦候補としてゴロフキン、カネロ、レミューらを挙げている。マッチルーム・プロモーションズが米国へ進出することでさらに競争力が増すだろう。

 英国ではボクシング界がバブル絶頂期、ここまで大きなマーケットに成長したのは、WBA・IBF世界ヘビー級統一王者アンソニー・ジョシュア(英)をはじめ、各階級に多くの有力選手がいること、ファンが望むマッチメークが次々と実現していることも大きな理由の1つだろう。出し惜しみしないマッチメークは最大の魅力である。

 リスキーと言われたWBA・IBF世界ヘビー級統一王者アンソニー・ジョシュア(英)対元3団体統一王者ウラディミール・クリチコ(ウクライナ)戦を早期に実現している。

 最近では、アンソニー・クローラ(英)対リッキー・バーンズ(英)など好カードのマッチメークを実現している。そういった意味でもマッチルーム・プロモーションズの米国進出は北米のマーケットで良い刺激にもなりそうだ。

ヘイモン陣営は大きく方針を転換か?!

 影響力が大きいヘイモン傘下の看板選手が有力プロモーター、HBOと手を握ったことは、ヘイモン陣営は今後大きく方針を転換するのかもしれない。

 数百人以上いる契約するファイターがいるが中には試合枯れが露呈。トップクラスの選手を除きリソースを上手く捌ききれていない感は否めない。

 さらにヘイモン傘下同士のマッチメークに限界が見えていることは事実である。つまり、こういった局面を打開するための施策で今後は他プロモーターと歩み寄るのかもしれない。

 GBPとヘイモンは裏で繋がっているという噂もある。何れにせよマッチルーム・プロモーションが米国進出することで勢力図が大きく変わり、ヘイモン陣営、各プロモーター、TV局らとの関係性も変化していることは間違いない。

(Via:ESPN

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