トップランク(米・大手ボクシングプロモーター) 副社長 カール・モレッティ氏は、WBO世界フェザー級王者・ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)が次戦、WBO世界スーパーフェザー級王者・ローマン・マルチネス(プエルトリコ)と対戦することを発表。ロマチェンコは、フェザー級からスーパーフェザー級へ階級を上げ、2階級制覇へ挑む。

 試合は、HBO(米・大手ケーブルTV局)が中継。米国現地時間2016年6月11日、ニューヨーク、マンハッタンにあるマディソン・スクウェア・ガーデン シアターで開催。ニコラス・ウォータース(ジャマイカ)との交渉が決裂し、一時WBA世界スーパーフェザー級王者・ハビエル・フォルトゥナ(ドミニカ共和国)との対戦も浮上するが、マルチネスとの対戦交渉が進み合意に至った。

 現地時間15日、フェリックス・ベルデホ(プエルトリコ)の試合で、プエルトリコに訪れいていたカール・モレッティ氏は、ローマン・マルチネスのプロモーターであるプエルトリコ・ベスト・ボクシング・プロモーションズ ピーター・リベラ氏、ローマン・マルチネス、電話会議でボブ・アラム氏らと会談。

 開催地がプエルトリカンが多く居住するニューヨークであること、プエルトリカン・パレードが行なわれる前日に開催することから、ローマン・マルチネスとの合意に至った。

 当初、マルチネス陣営が契約条項に同意が得られないとし、カール・モレッティ氏は、新たな対戦候補を検討。WBA世界スーパーフェザー級王者・ハビエル・フォルトゥナ(ドミニカ共和国)を挙げ、フォルトゥナをプロモートするサンプソン・リューコーイッツ氏と交渉に従事していたことを明かしている。

Sponsor Link

 正式合意前、トップランク ボブ・アラム氏は、ロマチェンコ、マルチネス戦が基本合意に至ったことを発表したが、その後、ロマチェンのマネージャーを務めるイージス・クリマス氏が、ソーシャル・メディアを通じて「フォルトゥナとの対戦に期待」とフォルトゥナとの交渉を示唆するコメントを発信し、一時情報が錯綜していた。

 ワシル・ロマチェンコはフェザー級で統一戦、ビッグマッチを望むが、フェザー級の他団体王者はトップランクと相反するアル・ヘイモン氏と契約。現フェザー級には、レオ・サンタ・クルス(メキシコ)など好適選手が居るが、マッチメークは現実的ではなく、プロモーターの障害に阻まれた。ロマチェンコは、ビッグマッチ実現へ向けスーパーフェザー級へ階級を決意した。

ウォータース、100万ドルを要求!

当初、ニコラス・ウォータースとの交渉が進み、HBOも放映権料として100万ドルを用意していたが、ウォータース陣営が報酬に難色を示し交渉は難航。トップランクは、ウォータースへキャリア最高報酬となる55万ドルを掲示したが同意することはなく報酬金額として100万ドルを要求。

 痺れをきらしたロマチェンコは、ウォータースが勝利した場合、個人的に30万ドル支払うことを契約条項に組みことを提案するもウォータース陣営が同意することはなく交渉は決裂。ウォータースは、スペインの新たなプロモーターBBプロモーションズと契約したユリオルキス・ガンボア(キューバ)との対戦の噂が浮上しているが、次戦は未定となっている。

激化するスーパーフェザー級戦線

 カール・モレッティ氏は、はやくも、ロマチェンコが勝利した場合WBA世界フェザー級王者・ハビエル・フォルトゥナとの王座統一戦を示唆。しかし、仮にロマチェンコが勝利しWBO王者になった場合、フォルトゥナとの王座統一戦の実現性は限りなく低い。なぜならWBO(世界ボクシング機構)は、WBAの王者はスーパー王者と認識しているからである。

 プロモーター、TV局の意向も有り流動的となるが、統一戦であれば、2016年6月4日米・カリフォルニア州カーソンズにあるスタブハブ・センターで開催されるWBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ、王者・フランシスコ・バルガス(メキシコ)、オルランド・サリド(メキシコ)の勝者が有力候補として挙がるだろう。

 また、スーパーフェザー級トップコンテンダーとして、2015年11月フランシスコ・バルガスと激闘を繰り広げ、米国で評価を上げた元WBC世界スーパーフェザー級王者・三浦高志(帝拳)は、バルガス、サリドの勝者と対戦する噂も有り、5月7日に予定されている復帰戦に勝利すれば、スーパーフェザー級トップ戦線に絡んできそうな雰囲気はある。

 WBAは、スーパー王者として最強王者の呼声が高いWBA世界スーパーフェザー級スーパー王者・内山高志(ワタナベ)が君臨している。期待されていたウォータース、フォルトゥナとの交渉が決裂。次戦は同級暫定王者・ジェスレル・コラレス(パナマ)との防衛戦が決まっているが、ファンは米国での試合を望んでいるはずだ。
 
 しかし、北米でのキャリアがないことを考えれば、報酬、条件面をのまなければ、北米で試合の実現は難しいのが現実。WBA(世界ボクシング協会)が指示した正規王者・ハビエル・フォルトゥナとの対戦交渉は、条件面で難航。WBAは、フォルトゥナとの王座統一戦を延期し、コラレスとの統一戦を行うことを承認している。王座統一戦、ファンからビッグマッチが期待されるが、ジム側の交渉力、どこまで踏み出せるかが鍵だろう。

(Via: ESPN