次世代のスター候補、サウル・”カネロ”・アルバレス(メキシコ)が、プエルトリカンの英雄、ミゲール・コット(プエルトリコ)に勝利し、WBC世界ミドル級王座獲得に成功した。2015年後半、最も大きなボクシング・イベント「コット、カネロ」は、試合前コットが承認料の支払いを拒否し波乱の幕開けとなっていた。カネロ、GGGとの統一戦は実現されるのだろうか。

コットは、WBC(世界ボクシング評議会)へ30万ドル(3700万円)の承認料の支払いを拒否。WBCへ12万5千ドルへ減額を要請していた。WBCは、コットが承認料を支払う意思がないと判断し、コットのWBC世界ミドル級王座剥奪を決定した。コットは、承認料拒否の理由については、「コットとの試合に王座は必要ない。貯蓄すると」と述べているが、事実上ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)との統一戦回避の行動だろう。

WBCは、コットへギール戦後に暫定王者・ゲンナディ・ゴロフキンとの統一戦を義務付けていた。コットは、ゴロフキンとの統一戦について、キャリアについては自ら決定すると述べ、強制されるのであればタイトルを辞さない構えを見せていた。

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高度な打ち合いを披露

 好戦的同士の対決はKO必至は免れないと見られていたが、両者はスキルフルな試合を展開。両者はほぼ互角の戦いだったが、パワー、フィジカルの差がでた試合と言えるだろう。有効打でカネロが上回っていた印象が強いが、コット勝利の判定があってもなんら不思議では無かった試合だった。

 カネロは、コットが後半、アウトボックスに切り替えた影響もあるが、明確な決定打を与えられなかったのは、引き続き対アウトボックス型ボクサーへの課題だろう。一方で、コットの固いディフェンスを崩した複合的なフェイントは見事だった。

 試合前、コットのトレーナーを務めるフレディ・ローチは、カネロのディフェンスの甘さを指摘 。若き才能溢れるカネロのディフェンス・ワークは、ステップバック、パーリン、ブロッキング、ボディワークを中心に披露。ディフェンス能力は高いが、攻防が分離している場面も多くみられ課題は多いが、若干25歳の若武者は、試合の中で自分のスキルを1つずつ試していた印象が強かった。

GGGとの統一戦

 次世代のスーパースター候補カネロは、どこか話題先行型で過大評価されている意見が多かったが、コットとの試合はキャッチウェイトとは言えどちかがが優位にたつ条件ではなかった。カネロとしては、過大評価を払拭し金星が欲しかったのが本音。コットの試合に明確な勝利は出来なかったが”過大評価”を払拭し、評価を上げた試合ではないだろうか。

 WBCは、カネロに対しゲンナディ・ゴロフキンとの王座統一戦を指令。「ゴロフキンと戦う準備ができている」と試合後にカネロは語り、ゴロフキンとの統一戦に意欲的だ。カネロをプロモートするゴールデン・ボーイ・プロモーションズ(GBP)は、オスカー・デ・ラ・ホーヤ氏は、2016年のカネロの試合を、5月、9月に行うことを発表。

 デ・ラ・ホーヤ氏は、ゴロフキンとの統一戦は明言していないが、アル・ヘイモンと相反するGBPとして、ビッグマッチを実現するにはゴロフキンとの統一戦は避けては通れない道であり、カネロはGBPの看板でもある。もし、カネロがゴロフキンとの統一戦でショッキングな結果で敗戦すれば、カネロの「商品価値」の低下は免れなく、ミドル級初防衛戦にしてゴロフキンとの統一戦は時期相応かつリスクが高い。

「ファンが望んでいる試合を実現する」と明言したデ・ラ・ホーヤ氏は、一体どんな決断を下すのであろうか。

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(Via: boxingscene