「ボクシング人生で最高の舞台だった」夢のラスベガスの大舞台で、「コット、カネロ」のセミ・ファイナルでフランシスコ・バルガス(メキシコ)に敗戦した三浦隆司は試合後の記者会見でそう語った。三浦隆司は、歴代の日本人としては最高の舞台が用意された。試合前の記者会見で「KO防衛する」と語った三浦の言葉に嘘偽りはなく最強挑戦者・バルガスと死闘を繰り広げ、ボクシングの聖地ラスベガスで多くのボクシング・ファンを魅了し、爪痕を残した。

2015年5月2日、メイウェザー、パッキャオの「世紀の一戦」を皮切りにボクシングの本質を問うボクシング・ファンの声も大きい。しかし、そんな懸念を吹き飛ばすほどの激闘「心に刺さる試合」だった。この試合は、米・ボクシングメディア、ソーシャル・メディアをはじめ、”Fight Of The Year 2015”(年間最高試合)の「最有力候補だ」と次々と声が挙がっている。

米国現地時間2015年11月21日、ネバタ州ラスベガスにあるマンダレイ・ベイ リゾート&カジノで行われたWBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ、王者・三浦隆司(帝拳)が、同級ランキング1位の指名挑戦者フランシスコ・バルガス(メキシコ)に9回TKOで敗戦し王座から陥落した。

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4回時点ではバルガスが優勢

バルガスに敗れはしたが、試合前に三浦は「豪快なスタイルを見てもらいたい、米国ボクシングファンに向けて自身の存在をアピールしたい」そう語っていた。現地観戦は勿論、世界中の多くのボクシング・ファンのハートを掴んだ試合なのは間違いない。しかし現実は、厳しくボクシングは「最後まで何が起こるか分からない」そんなボクシングの醍醐味が詰まった試合。以外な結末が待っていた。

入場から硬さが見えた三浦は、1ラウンド、死角からバルガスの右フックを貰い膝が折れダウン寸前。試合が終わってしまうかと思えたが、なんとか持ちこたえた。その後も終始、体の硬さは残り4回に左ストレートでバルガスからダウンを奪い12、000人超満員のマンダレイ・ベイの観客を沸かせた。。ダウンを喫したバルガスは「4ラウンドのダウンで、この戦いに勝たなければ負けられない、このダウンが私のモチベーションになったんだ」と語っている。4ラウンド終了時のスコアは、バルガスが優勢「 37ー38, 37−38, 36−38」だった。

8回終了時点では三浦が優勢

4ラウンド、バルガスがダウン後は三浦がペースを握っていた。8ラウンド、終了時にバルガスを追い込むも、気持ちが前に出る三浦は、ディフェンスの甘さが目立ちバルガスのラッシングをもらう場面も多かったそれでも三浦が主導権を握る展開となっていた。レフェリーを務めたトニー・ウィークスは、8回終了時にバルガスに9ラウンド終了後に試合をストップすると宣言。劣勢に立たされたバルガスは、最後まで諦めなかった。

9ラウンド、劣勢に立たされたバルガスは、左ダブルからのコンビネーション5連打を放ち三浦はダウン。これで終わりかと思ったが、強靭な精神力を持つ三浦は立ち上がったがその後、レフェリーは試合をストップした。8ラウンド終了時のスコアは、三浦がリードしていた「76−75, 77−74, 75−75」。

三浦、再戦を望む

メキシカン特有の強いハートを持つバルガスは、三浦隆司の今までに戦った相手で間違いなく最強の挑戦者であった。一撃のパワーは三浦であったが、体の柔らかさ、スキル、メキシカン特有のラッシングは三浦にとって脅威だった。試合後、三浦隆司は、「できることならバルガスと再戦したい」とリマッチに意欲を示している。三浦は、ラスベガスの大舞台が用意され、結果的にバルガスに敗戦したがこの舞台で米国のボクシング・ファン、世界中の多くのボクシング・ファンのハートを掴んだことは事実だろう。

バルガスとの米国デビュー戦を経て、三浦隆司の「商品価値」も上がったのではないだろうか。米国では、勝つことは勿論「試合内容」が問われエキサイティングな試合が求められる。バルガス戦は、正真正銘のベスト対ベストの試合。三浦陣営としては、「ハイリスク・ハイリターン」な試合だったのは違いないが、再度、北米での試合に声が掛かる試合内容だったと言える。

4団体に複数の世界王者が居る時代に、求められるのは防衛記録、肩書だけの複数階級制覇では無い。誰(強者)と、いつ、どこで、どんなタイミングで試合をしたかだ。ボクシング・ファンが求めるのは「ベスト対ベスト」の試合。この試合は、”真の王者”を目指す方向性として正しかったのではないだろうか。素晴らしい試合に感謝したい。

(Via: boxingscene