決まればPBCによる事実上のウェルター級トーナメント開催だ。もし、実現して勝者同士が戦うことになればWBA・WBC・IBF3団体王座統一戦。PBCがビッグネーム、パッキャオを手に入れたことで一層、ウェルター級戦線でのビッグマッチの期待感が高まっている。

 米リング誌記者でPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)にも主演するマイク・クッピンガー氏によれば、ウェルター級統一戦の交渉がが2路線で進められていることが分かった。ウェルター級の最新の動向を見てみよう。


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 まず、先日米リング誌パウンド・フォー・パウンド(PFP)にランクするマイキー・ガルシア(米)に完勝したIBF世界ウェルター級王者エロール・スペンスJr(米)は次戦、WBC世界ウェルター級王者ショーン・ポーター(米)との王座統一戦の交渉が具体化しているという。

 まだ、会場は決まってないが、スペンスの地元米テキサス州ダラスにあるフォード・センターや、PBCと提携関係にある米ニューヨークにあるバークレイズ・センターも候補地として挙がるだろう。

スペンスPPVデビュー戦としては好調のすべりだし

 スペンスは、2019年3月マイキー戦でペイ・パー・ビュー(PPV)デビューを果たした。購買件数も好調で米ESPNによると、38万件に到達することが確実視されている。

 もちろん、ここまでPPVの購買件数を伸ばし、47,525人の観客を動員して興行的にも成功を収めたのは、米地上波の舞台に抜擢されたスペンスの知名度だけでなく、テキサスという土地柄メキシコにルーツをもつマイキーの求心力も大きく貢献したことも背景にあるだろう。

 一方、そのスペンスの対戦候補に浮上するショーン・ポーターは、WBA世界ウェルター級スーパー王者キース・サーマン(米)が休養を理由に明け渡したWBC世界ウェルター級王座決定戦をトップアマ、ヨルデニス・ウガス(キューバ)と争い12回判定勝ちを収め王座返り咲きに成功。しかし、勝ったとは言えスコアに救われた感が強くポーターの印象的なシーンは少なかった。

パッキャオ、サーマンの交渉が開始

 もう1つ進められているカードは、40歳となりWBA世界ウェルター級セカンドタイトルを保持するマニー・パッキャオ(フィリピン)とWBA世界ウェルター級スーパー王者キース・サーマン(米)の王座統一戦だ。交渉はフィリピン議会が閉会となる7月開催に向け進められている。

 パッキャオがトップランク傘下だった時代であれば、まとめることは困難だったが、サーマンと同じへイモン傘下となったことから、両陣営が臨めば交渉締結は難しくない。

 一時は、引退も囁かれトップ戦線から離脱したパッキャオがふたたびウェルター級で強い存在感を示している。PBCを主催するヘイモンと手を結び迎えた1月、米ラスベガスでエイドリアン・ブローナー(米)と戦い12回判定勝ちを収めた。タフなブローナーからダウンを奪うことはできなかったものブローナーをぐらつかせ、幾度もロープに追い詰めたことは印象的だった。

 当然、全盛期のパフォーマンスでないにしろ、衰えとトレーニング不足が指摘され引退も囁かれたジェフ・ホーン(オーストラリア)戦以降、ルーカス・マティセ(アルゼンチン)戦で評価を戻しブローナーを破ったことで、パッキャオに対する評価は上昇。ヘイモン傘下のビッグネームらとの対戦機運が高まっている。

パッキャオはどの道へ向かうのか

photo by:boxingscene


 パッキャオは、マイキー対スペンスをNFLダラス・カウボーイズの本拠地であるAT&Tスタジアムのリングサイドで観戦「もちろんだよ。スペンスとの戦いはファンにとって素晴らしい戦いだ。また、このゆかりの地であるダラス・カウボーイズ・スタジアムにこれて幸せだよ。ここにすぐ戻ってくるでしょう」スペンスとの対戦を歓迎した。

 パッキャオは、サーマン戦に舵をきるのだろうか。PPVであれば、メイウェザーとの再戦が有力視される。二人とも40才を超えているが依然として、米本土での求心力は高く再戦が実現すればPPVは100万件は期待できる。

 ただ、パッキャオがブローナーを寄せ付けなかったことで、キャリアで黒星をつけたくないリスク・ヘッジに余念がないメイウェザーが再戦に踏み切るかどうか実現に向け懸念されることは多い。もっとも、再戦の実現はメイウェザー次第だが現時点では不透明にあることにかわりはない。

パッキャオ対サーマンか?!

 一方、キース・サーマンとのWBA王座統一戦に進んでも、PPVはかなりの数値が期待できるだろう。ミリオンヒットに届かなくても60万件前後に到達する可能性は高い。

 サーマンは、度重なる怪我でリングから遠ざかりウェルター級での存在感は弱まっているが、PBCのメーンを務め米地上波での露出は多い。特にニューヨークではポーター、ガルシアと注目度の高いファイトを実現しており集客能力も高い。直近、米ニューヨークにあるバークレイズ・センターで行われ米地上波CBSで中継されたライバルのダニー・ガルシア(米)との統一戦は平均374万件、ピークで510万件を記録している。

 もっとも、サーマンにとっても将来殿堂入りが確実視されるパッキャオは格好の相手だ。ブローナーに勝ったパッキャオは、米リング誌ウェルター級で5位に評価をあげている。サーマンが勝てば一気に評価をあげることができる。

 サーマンは24ヶ月ぶりの再起戦でロペスとの調整試合に大苦戦。2019年1月、約24ヶ月ぶりのリングで格下のホセシト・ロペス(メキシコ)と再起戦を行い序盤ダウンを奪ったもの、中盤以降はロペスの猛攻に後退を強いられ一時はダウン寸前まで追い込まれた。

photo by:boxingscene


 ファンにとっても、決まればスペンス対ポーター戦の勝者との統一戦の期待も高まり、ウェルター級トーナメントのシナリオとしては悪くない。もちろん、この先の行方は全く白紙だが、スペンス対パッキャオが実現すればファン待望のファイトになる。

 パッキャオがふたたび番狂わせを起こすのか。ただ、全盛期は不利予想をことごとく覆したフィリピンの英雄も40歳、ピークは過ぎ衰えは隠せない。それにマイキー戦でパワー、フィジカルだけでなく戦術面でも高いレベルであることを示したスペンス戦となれば、オッズはスペンスに大きく傾ことは避けられない。

 パッキャオの次戦は議会が閉会となる2019年7月頃が濃厚。遅くても5月頃には決まってくる。ふたたび不利予想の中、強豪に挑むパッキャオの勇姿が見られる日が来るだろうか。

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