スパーリングでメイウェザーを圧倒、ブローナーをダウンさせた。そんな、都市伝説が独り歩きしたこともあった。当時、実力者と戦ってないことから過大評価だと指摘する声もすくなくなかった、しかし今では正真正銘の”The Truth”(本物)になった男、それがエロール・スペンスJr.(米)だ。

 ESPNは、パウンド・フォー・パウンド(PFP)ランキングを更新。マイキー・ガルシア(米)に勝ったIBF世界ウェルター級王者エロール・スペンスJr.(米)をランキング4位にランク・アップさせた。

 PFPと聞くと老舗の米リング誌が思い浮かぶが、ESPNも独自にPFPランキングをもっている。パネラーには、シニア・ライターのダン・レイフィール記者、元WBO世界ウェルター級王者ティモシー・ブラッドリー、ESPNアナリストのテディ・アトラス氏、ベテラン記者ナイジェル・コリンズ氏、スティーブ・キム氏などが評価している。


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 ESPNのランクは以下の通り。
 1位 ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)
 2位 テレンス・クロフォード(米)
 3位 サウル・”カネロ”・アルバレス(メキシコ)
 4位 エロール・スペンスJr.(米)
 5位 ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)
 6位 オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)
 7位 井上尚弥
 8位 マイキー・ガルシア(米)
 9位 シーサケット・ソー・ルンビサイ(タイ)
 10位 アンソニー・ジョシュア(英)

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スペンスはマイキー戦でインテリジェンスの高さも証明

photo by:boxingscene

 スペンス対マイキー戦は、PFP対決でもあったが、サイズの違いが大きな話題となり、より大きくフィジカル有利でパワーのあるスペンスがマイキーを圧倒するといった見方が多かったが、スペンスはパワーは勿論、スピード、戦術面でも評価を大きく上げた試合だった。

 「多くの専門家は僕がマイキーと同じようなボクシングができないことを指摘していたよね。でも、この戦いを通じてその指摘が間違いだったことを証明してみせた。」

 スペンスはリング後のインタビューでこう述べていた。

 最大の長所であるパワーを活かし、マイキーの入り込めないロングから長いジャブでマイキーを苦しめた。実際、手数、パンチの的中率でも大きくマイキーを上回った。この試合でパワー、強靭なフィジカルで相手を抑え込むだけではなく、スキル、主導権支配の面でも能力の高さも証明してみせた。
 
 CompuBoxによると、スペンスのジャブは618発、内108発(17%)をヒット。パワー・パンチは、464発、内237発(51%)、トータル 1082発中、345発を当て的中率は32%。一方、マイキーは、ジャブは188発中、21発(11%)、パワー・パンチは、218発、内54発(25%)、トータル406発中、75発を当て全体の的中率は18%となっている。

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マイキーは評価を落とす内容ではなかった

 一方、マイキーはスペンスに勝てば、フェザー〜ウェルター級制覇という偉業達成となったが叶わなかった。実際、無謀な挑戦という批判的な声も多かったが、この試合はマイキーにとって無駄ではなかったはずだ。

 後半は、ダメージもあり前半の疲れから疲労困憊。スペンスのソリッドな、的確なパワー・パンチはマイキーにダメージを与え、体力を着実に奪っていった。場合によってはレフェリー・ストップもあっただろう。止められないためか、マイキーは時よりパワー・パンチを繰り出していた。

 結果的には負けてしまったが、あれだけスペンスの猛攻に絶えたことは、メンタル、タフネスがウェルター級真の強豪に通用することを証明したと言っても過言ではない。
 
 「今夜、サポートしてくれたみんなに感謝している。階級屈指のチャンピオンと12ラウンド戦った。彼は素晴らしいチャンピオンだ。そして、彼は”The Truth”(本物)だった。負けてしまったけど、フル・ラウンド戦った。それは、最近では誰も成し遂げなかったことだ。これを出来た自分を誇りに思う」

 完敗を認めたマイキー、今戦に掛ける思いがひしひしと伝わってきた戦いだった。ウェルター級はマイキーの適正階級を大きく超えてしまっているが、サーマン、ガルシア、ウェルター級エリート・クラスでも十分通用するだろう。

 本人はウェルター級への再度の挑戦を諦めてないが、マイキーのパワー、スピードが高い次元で発揮できるライト級へ戻り、PFP首位のロマチェンコ、一度は交渉が決裂したホルヘ・リナレスとの対戦が実現すれば興味深いファイトになるはずだ。

(Via:ESPN

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