落胆するファンは少ないだろう。なぜなら、ボクシング界では待望されるビッグ・ファイトほど先送りにされることは珍しくないからだ。ワイルダー対フューリーのダイレクト・リマッチ(即時再戦)は事実上消滅した。

 これまで、トップランク社ボブ・アラム氏はダイレクトリマッチについて明言しなかったが、中東ドバイで米ESPNの電話インタビューを受けたアラム氏は、ワイルダー対フューリーの再戦を2019年秋頃に実現したいと方針を明らかにした。


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 ボブ・アラム氏は、副社長トッド・ドゥボエフ氏、フューリーをマネージメントするMTK Globalとフューリーの今後について会談。ワイルダーとの再戦は秋頃実現を目指し、5月か6月にフューリーのESPNデビュー戦を行う方針を固めた。

ワイルダー対フューリー即時再戦は消滅

 トップランクはワイルダー陣営に、臨時の試合を挟みフューリーと再戦するプランを掲示したが、交渉はまとまることはなかった。ワイルダーの窓口シェリー・フィンケル氏は5月18日に防衛戦を行うと話している。

 当初、フューリーとのダイレクト・リマッチも匂わせていたが、大方の見方どおり再戦まえに臨時の試合を1戦挟み、その後ワイルダーとの再戦交渉に臨み秋頃に実現させたい構えだ。一方、ワイルダー陣営はShowtime(米ケーブルTV局)が抑える5月18日開催で再戦を強く臨んでいた。

 トップランクの詳しいオファー内容は明かされてないが、ワイルダーには800万ドル(約8億9525万円)が掲示。トップランクとの直接契約はなく、フューリーとの再戦、3戦目が契約が含まれていたという。

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ワイルダー対フューリー再戦は先延ばし

photo by:boxingscene

 アラム氏が先延ばしにしたい気持ちも理解できなくもない。フューリーはワイルダー戦で米国で知名度を上げたとは言え、まだその名は全米レベルとは言えない。

 その証に、2018年12月1日、Showtimeがペイ・パー・ビュー(PPV)で配信したもの購入は32万5000世帯に留まっている。アラム氏は、再戦前にしっかりとESPNの舞台で売り出しておきたいといった思惑があることは間違いない。

 もちろん、ワイルダー、フューリー共に初のPPVで、損益分岐点を突破し興行的に見れば十分成功したことにちがいないが、米英対決として注目を浴びたヘビー級トップの戦いとしては寂しい結果だった。

 「12月1日、ワイルダー対フューリーはエキサイティングな戦いを演じたけど、ロサンゼルスのファンの中で彼が誰であるか知ってる人は少なかったんじゃないかな。彼のバック・グラウンドもストーリーも知らなかったと思う」

 アラム氏の言う通り、ワイルダー戦のあとタイソン・フューリーというボクサーを認識した人は多いかもしれない。当時、リネラル王者ウラジミール・クリチコ(ウクライナ)を下したフューリー。欧州で知られてるにせよ、それまで米国での露出は低くワイルダー戦のプロモーション・ツアーが始まるまで殆ど話題に上がることはなかった。

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ワイルダー対フューリーの再戦は実現するのか

「米国でワイルダーの存在感が大きくなり、ファンが彼を知るようになればPPVも150ー200万件に到達すると思う。」

 PPVがミリオン・ヒットするかはともかくとしても、アラム氏の言うとおり、ワイルダー対フューリー再戦前にフューリーのESPNデビュー戦を挟んだほうがPPVは第一戦より売れる可能性は高い。おそらく、ダイレクト・リマッチになったとしてもアラム氏が試算したとおり、PPVは40万件前後捌ける可能性は高い。

 米国ではケーブルTV局離れが深刻化してるとはいえ、ESPNはShowtimeより大きなプラットフォームをもつ。最盛期に1億人以上のユーザーを抱えたESPN、いまではTV離れの影響もあり1億人を大きく下回っているもの、それでもShowtimeより圧倒的に母体は大きい。

  ただ、再戦の交渉は間違いなくハードになる。興行権、PPV報酬分配をめぐり難航することは目に見えている。再戦の権利をShowtimeが握っているなどの情報も伝えられている。ただ、実際、フューリー、ワイルダーにしろヘビー級でビッグ・ファイトが成立する相手は限られてくる。

 これから、両者が直近の試合に勝利してトップランク、ESPN連合、アル・ヘイモン陣営が話し合う場を設け合意にもっていくのかどうか。はたまた、交渉決裂しワイルダーはオルティスとの再戦に向かうのか。ヘビー級トップ争いの行方から目が離せない。

(Via:ESPN)

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