再び世界タイトルのチャンスを獲得できるだろうか。IBF同級3位岩佐亮佑(セレス)/28戦25勝(16KO)3敗(2KO)と同級5位セサール・フアレス(メキシコ)/29戦23勝(17KO)6敗(1KO)でIBF世界Sバンタム級挑戦者決定戦が行われることが正式に決まった。

 ESPN(米スポーツ専門チャンネル)によると、IBF世界Sバンタム級挑戦者決定戦は、PBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)で現地時間2月16日米ロサンゼルスにあるマイクソフト・シアターで挙行されるWBA世界フェザー級スーパー王者レオ・サンタ・クルス(メキシコ)の防衛戦のアンダーカードにセットされる。


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ドヘニーはローマンと統一戦の方向

 勝者は、IBF世界Sバンタム級王者TJ・ドヘニー(アイルランド)への挑戦権を獲得できる。マッチルーム・ボクシングと契約したドヘニーは、4月に同傘下のWBA世界Sバンタム級王者ダニエル・ローマン(米)との統一戦実現に向け前向きな姿勢を示しており、2019年4月米ロサンゼルスでまとまる公算が高い。

岩佐は再び世界挑戦にたどり着けるか

 再び世界王座へ返り咲くことができるだろうか。高校3冠を達成、プロへ転向、周囲からの期待も高かったが、チャンスに恵まれたもの王座獲得までの道のりは決して楽ではなかった。

 プロ8戦全勝、キャリアを順調に歩んでいた。しかし、2011年3月日本バンタム級王者山中慎介(帝拳)に挑戦するもTKO負け。再起戦を経て日本バンタム級タイトル、OPBFタイトルを獲得。2015年にようやく世界戦のチャンスがめぐってきた。

 完全アウェイ敵地ブリストルに出向き、リー・ハスキンス(英)とIBF世界暫定バンタム級王座決定戦を臨むが、序盤からトリッキーなハスキンスに翻弄。岩佐は自分の距離感を掴めず6回、ハスキンスの猛打でレフェリー・ストップ、暫定とはいえ王座獲得に失敗した。

 岩佐は再び世界挑戦を求め始動、再起戦を含め3戦を消化。ルイス・ロサJrとIBF挑戦者決定戦が決まっていたが、ロサが前日計量で失格となり試合は中止。IBFは、岩佐を次期挑戦者として認定することを決め再びチャンスを獲得した。

 2017年9月、両国国技館でアマチュア時代に対戦経験のあるIBF世界Sバンタム級王者小國以載へ挑戦。初回、小國から3度のダウンを奪い、6回TKO勝ちを収め悲願の世界タイトル獲得に成功した。

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ドヘニー戦で王座から陥落

 初防衛戦をクリアーした岩佐は、2018年8月に無敗のアイリッシュTJ.ドヘニーとの指名戦を迎えた。タイトルマッチは米スポーツ専門チャンネルESPNの月額定額制のESPN+でストリーム配信される舞台となったが、0ー3の判定で敗れ2度目の防衛に失敗し王座から陥落した。

 ドヘニーは、プロ通算21戦全勝15KO。アイルランド出身だが、世界各国を転々とするジャーニーマン。11歳でアマチュア・キャリアをスタート、アマチュアでの実績はドヘニーが上だ。

 戦績は200戦以上、40以上の国際舞台で活躍。5つのナショナルタイトルを収めている。オリンピックを目指すが2008年アイルランド選手権で、後に2012年ロンドン五輪で銀メダルを獲得するジョン・ジョー・ネビンに敗れた。

 そのあと、世界的な金融危機が襲い、多くのアイルランド人と共に母国を離れオーストラリアに移住。建設労働者として働きながら2012年プロへ転向。オーストラリアでキャリアを積み、数年前に米国で大きなアイリッシュ・コミュニティのあるボストンに移り住んだ。

 日本でも馴染み深いマイク・タワッチャイを下し、IBF指名挑戦権を獲得。米ボストンに移住してジョナサン・グスマン、ハビエル・フォルトゥナのトレーナーとして知られるヘクター・エルナンデスとタッグを組んでいる。

「インテリジェントに戦ったよ。トレーナーからの指示もあったしね」

 試合後、新王者になったドヘニーは顔を腫らしたもの、この言葉どおり自分のボクシングを徹底。チェス・マッチを制した。序盤はジャブの差し合い、制空権争いはドヘニーに軍配が上がり主導権はドヘニーが握っていた。

 ドヘニーは出入りを多くビジーに動き、右リードを当てたびたび、岩佐の顎を跳ねあげた。ディフェンスはステップ・バック、フットワーク、ボディワークが中心。左オーバーハンドからダック、接近戦はクリンチで回避。岩佐のうち終わりにパンチをまとめた。

 ドヘニーが距離を徹底する一方、岩佐はあと一歩、踏み込めず印象的シーンを作れなかった。右リードはステップ・バック、フットワーク、チェック・フックで外され空を切った。打ち終わりを狙われたのも岩佐が踏み込めなかった要因の1つだろう。

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岩佐は正念場、チャンスを掴むことができるかどうか

 岩佐はドヘニーに敗れ王座から陥落したが、最新のIBFランキングでは3位とハイ・ランクを維持。上位にランクを維持できたのは内容が接戦だったという理由があるかもしれない。いずれにせよ、再起戦が世界再挑戦の切符が懸けられる高待遇となった。

 一方、27歳のセサール・フアレス(メキシコ)はタフでしぶとい。岩佐にとって、ファイター・タイプのフアレスはタイトルを失ったドヘニー戦よりも、相性が良くカウンターも当てやすい。ただ、タフなメキシカンに攻勢を許してしまうと危ないシーンがでてくるかもしれない。


 フアレスは、ファン・カルロス・サンチェスに勝ちWBO地域タイトルを獲得。その後、ノニト・ドネア(フィリピン)と空位のWBO世界Sバンタム級タイトルマッチに臨んだが、ドネアに4回に2回のダウンを奪われ判定負けした。

 序盤、ドネアが優勢だった。しかし、フアレスからダウンを奪ったもの5回以降、フアレスが盛り返し右目をカットしたドネアは、一気にスローダウン。ここぞとばかり、メキシカンは攻勢を強めた。

 ドネアは後退を強いられカウンターで迎撃を狙うもメキシカンは、最終ゴングまで攻勢を弱めることはなかったが、ドネアが何とかサバイブ。王座奪取は失敗に終わったが、メキシカンらしい粘り強いボクシングを見せた。

 ドネアに負けたもの、再起戦を経て敵地アフリカで再度世界タイトルのチャンスが到来。しかし、23歳の新星ドグボエの左の強振に屈しタイトル挑戦は失敗した。相手は、プロ通算17戦全勝12KO、WBO地域タイトルを総なめ、ロンドン五輪代表のトップアマ、快進撃を続けるアイザック・ドグボエ(ガーナ)だった。

 フアレスは、ドグボエに敗れてからは3連勝中。岩佐に勝てば、IBF世界王者ドヘニーへの挑戦権を獲得できる。他団体のWBO(世界ボクシング機構)王座は、ナバレッテとドグボーのあいだで再戦交渉が進められている。

 岩佐は、幸運にも今戦が世界タイトル挑戦権を懸けた戦い。相手はタフなメキシカン、待ちのボクシングをすれば相手に攻め込まれる可能性もある。リスクをテイクし踏み込めるかどうか。主導権を握り、見せ場をつくれるかどうか。階級でふたたび存在感を示すことができるかどうか、岩佐は文字通り正念場を迎える。

(Via:boxingscene)

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