WBA(世界ボクシング協会)は、WBA・WBO世界ライト級統一王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)とアンソニー・クローラ(英)による指名防衛戦の入札を2月13日まで延期することを発表した。WBAの延期はこれで2度目、交渉はまとまるのだろうか。

 当初、2月4日に入札が予定されていたが、ふたたび延期となることが決まった。交渉が一向に進まないのは、すでに、ロマチェンコとIBF世界ライト級王者リチャード・コミー(ガーナ)の統一戦が決まっていたのが理由だ。


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コミーはすでにロマチェンコ戦に同意

photo by:boxingscene


 プロモーターは、2月に行われた空位のIBF王座決定戦の勝者と、ロマチェンコとの統一戦を示唆。2月、米テキサスで空位のIBF王座決定戦を争ったリチャード・コミーと、イサ・チャニエフは、ロマチェンコとの統一戦の条件に同意。すでに契約にサインしていたという。

 北米のリングで戦う、ロシア人とガーナ人の思いは序盤から交錯する。思いが強かったのはコミーだ。ロバート・イースター(米)とのタイトルマッチは接戦だったとはいえ敗れ、ロシアに出向きデニス・シャフィコフ(ロシア)とIBF指名挑戦権を争うもを勝ち取れなかった。

 そのあと、コミーは所属するザウアーランドとの契約は打ち切り。プロモーターから見放され、復帰戦を経てようやく、ニューヨークを中心にプロモーター活動するディ・ベラ・エンターテイメントを主宰するルー・ディベラ氏と契約を結びタイトルチャンスにたどり着いた。

 1回、コミーの右ストレートがチャニエフを捉えダウン。2回、ダメージの大きいチャニエフは、打ち返すもコミーの左オーバーハンドが顎を打ち抜き2度目のダウン。なんとか立ち上がったが後退を強いられたチャニエフは、コミーの追撃で3度目のダウンを喫し、レフェリー・ストップとなった。

ロマチェンコ対コミーの統一戦は今夏に延期

 「右手の靭帯を負傷しているようだ。火曜日にMRIによる検査を行う。」

 ようやく、世界タイトルを獲得。ロマチェンコ戦のプラチナ・チケットを手にしたが、雲行きが怪しくなった。

 トップランク社カール・モレッティ副社長も4月12日開催へ向けて動いていたが、コミーはチャニエフ戦で右拳を負傷してしまった。WBAの入札がたびたび延期となっていたのは、コミーの怪我の状態がはっきりしなく、4月に試合ができるかわからなかったためである。

 MRIの結果、コミーは最低でも6週間〜8週間の安静が必要。4月12日米ロサンゼルスにあるステープルズ・センターでロマチェンコとの統一戦のプランは霧散。リングから離れ休養することを余儀なくされた。

ロマチェンコはクローラとの指名戦か?!

 トップランク社が、IBF王者リチャード・コミー戦を画策したのは、指名挑戦権のあるクローラ戦回避であることは言うまでもない。WBAも、ロマチェンコに対しIBF王者との統一戦を条件に特別に承認する方針を示していた。
 
 もっとも、ロマチェンコの対戦相手としてリナレスに敗れたアンソニー・クローラ(英)では役不足感は否めない。ただ、コミーとの統一戦が消滅したことで、クローラとの指名戦は避けられなくなった。

ロマチェンコ場合によってはWBA王座返上も

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 「取引方法は2つある。1つはESPNで戦うことことを受け入れることは全く問題ない。入札になれば、DAZNが勝つかロマチェンコが王座を明け渡すか」

 入札となり興行権がクローラ陣営が獲得した場合、ロマチェンコ陣営がWBAタイトルを返上を明け渡すのか、どういった選択を下すのか興味深い。実際、強力なバックがあり潤沢な資金があるDAZNはESPNといえども脅威である。

 クローラは、米ボクシング界に新たに切り込んだ英パフォーム傘下のDAZN(ダ・ゾーン)と契約したマッチルーム・ボクシングと契約。DAZNの年間予算は2億ドル(約219億4600万円)以上、ESPNの年間予算9000万(約98億7600万円)ドルを超える。

 「ロマチェンコとクローラ戦を締結させたい。ロマチェンコを辞退させたくない。だから、今こうしてトップランク社と協議している。」

 おそらく、入札となればマッチルーム・ボクシングはかなりの資金を投じるだろう。母国マンチェスターに大きなマーケットがあるクローラ。オッズは大きくロマチェンコに傾くが、マンチェスターで合意すれば英国でPPV(ペイ・パー・ビュー)ファイトが成立する可能性は高い。

 ただ、ロマチェンコがDAZNのリングに上がることは限りなくゼロに近い。ロマチェンコをプロモートするトップランク社は、ESPN(米スポーツ専門チャンネル)と数十年ぶりにタッグを組み、去年契約を7年に延期したばかり。トップ選手のロマチェンコを、やすやすとライバルのDAZNに引き渡すことはまずない。今後、トップランク社がDAZNと協業する道を模索するのかどうか、興行権をめぐるバトルからも目が離せない。

(Via:ESPN)

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