2017年12月、米ニューヨークの殿堂マディソンスクウェア・ガーデンでワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)とのPFP(パウンド・フォー・パウンド)対決に敗れ、その後の行方が全くわからなかった元Sバンタム級2団体統一王者ギレルモ・リゴンドー(キューバ)が約12ヶ月ぶりに再起戦を行う見通しであることが分かった。

 PBC(プレミアム・ボクシング・チャンピオンズ)を主宰するアル・ヘイモン氏と契約したリンゴンドーは米リング誌によれば、リゴンドーの再起戦は、2018年12月22日か2019年1月13日に調整されているという。

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リゴンドーの再起戦は12月22日か1月13日

photo by:boxingscene


 12月22日の場合、米ニューヨーク、ブルックリンにあるバークレイズ・センターで、Showtime(米プレミアム・ケーブルTV局)が中継するPBCのトリプル・ヘッダーのイベント開催がすでに決まっている。

 WBC暫定ミドル級タイトルマッチ、ジャーモール・チャーロ(米)/27戦全勝21KOとウィリー・モンローJr.(米)/26戦23勝(6KO)3敗(1KO)の防衛戦。WBC世界Sウェルター級王者ジャーメル・チャーロ(米)/31戦全勝(15KO)が、トニー・ハリソン(米)/29戦27勝(21KO)2敗(2KO)と4度目の防衛戦を行うことが決まっている。

 空位のWBC世界バンタム級王座決定戦がラウシー・ウォーレン(米)/19戦16勝(4KO)2敗対ノルティ・ウーバーリ(仏)14戦全勝11KOの間で争われる。勝者は、12月30日東京・大田区総合体育館で行われる同級2位ペッチ・CPフレッシュマート(タイ)/48戦全勝33KOと同級4位井上拓真(大橋)/12戦全勝3KOの間で行われるWBC暫定王座決定戦の勝者との王座統一戦がWBC(世界ボクシング評議会)から義務付けられる。

 翌年(2019年)になった場合、米ロサンゼルスで米地上波FOXが中継する舞台となる。IBF世界Sミドル級王者ホセ・ウスカテギ(ベネズエラ)/30戦28勝(23KO)が、カレブ・ブラント(米)/17戦全勝10KOを相手に初防衛戦を行うことが決まっている。

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リゴンドーはアル・ヘイモンと契約

 米リング誌によれば、リゴンドーは北米で影響力のあるPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)を主宰するアル・ヘイモン氏と契約を結んだ。ヘイモンと契約したことで、今後はSバンタム級のオプションに加え、フェザー級でビッグマッチも見えてくる。

 アル・ヘイモンは、米国でプレミア・ボクシング・チャンピオンズ(PBC)を主宰。有力選手を数多く抱え、契約するShowtimeやFOXなどにカードを提供し、事実上の決定権を持つボクシング界では重要人物の1人である。最近では、ヘイモンはShowtimeと契約を3年延長し、これまで米地上波FOXの放送枠を買ってきたが、FOXが放映権を支払う新たな契約を結ぶことに成功している。

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リゴンドーのプロ歴史

 オリンピック2連覇を果たしたリゴンドー、一部では不遇の王者とも言われるが、有力プロモーターと契約し順風満帆なキャリアをスタート。不遇ではなく自らが招いた結果だろう。もちろん、米本土でバックグラウンドがないことや周囲に恵まれなかったことは事実だが、チャンスはあったはずである。

 キューバから亡命。米有力プロモーターのトップランク社と契約し順調にキャリアをスタートするも、エキサイティングでない試合内容から当時トップランク社と提携関係にあった米プレミアム・ケーブルTV局HBOはリゴンドーの試合中継に難色を示していた。

 Sバンタム級に進出にした軽量級のスター、ノニト・ドネアとの対戦話がもちあがるも、米国にファン・べースがないリゴンドーとドネア戦は米国内の需要が懸念され一旦は流れたが、2013年4月にドネア戦が締結した。リゴンドーは12回3−0の判定でWBA王座防衛に成功した。

 WBO王座獲得に成功したもの、HBO解説を務めるラリー・マーチャント氏は「リゴンドーは素晴らしいボクサーであることは認める。ただ、これはアマチュアではなくプロの戦い。レストランへ行くのと同じで、また行きたい見たいと思わせる戦いを演じなければならない」と中継したHBOはリゴンドーの評価は認めるものリゴンドーの試合運び、内容に苦言を呈している。

 しかし、その後もリゴンドーのスタイルは改善されることはなく、迎えた2014年トップランクとリゴンドーの契約は期限切れとなり、トップランクはリゴンドーと延長契約を結ぶことはなかった。北米のリングを失ったリゴンドーは、軽量級の拠点である日本に招かれ天笠尚と防衛戦を行った。

 その後、スコット・クイッグ(英)や、ワシル・ロマチェンコ戦が持ち上がるも、リゴンドーのネーム・バリューや報酬面で交渉が難航し決裂。WBO(世界ボクシング機構)は、2014年12月を最後に防衛戦を行ってないことを理由に2015年10月、リゴンドーのWBO王座剥奪を決定した。

 リゴンドーは、2015年11月米国で音楽プロデューサーとして活躍するJay-Z率いるロックネイション・スポーツ(RNS)と契約を結ぶことに成功。RNSは米ボクシング界に新たに参戦し、傘下に収める選手を増やしていた。

 RNS傘下となり、試合枯れがようやく解消。2017年12月ツィッターで大きな話題となっていたワシル・ロマチェンコ戦が締結した。合意に向けウェイト面が大きなハードルだったが、リゴンドー陣営がSフェザー級でのウェイトに同意し、PFP対決が実現した。

 その後、リゴンドーはまだRNSとの契約が一年残っていたが話し合いのもと、RNSを離脱することが決まった。もっとも、RNSは傘下に収めていたアンドレ・ウォード(米)が引退、ミゲール・コット(プエルトリコ)が去り、主力選手を失い米ボクシング界からは手を引く可能性が高かった。

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リゴンドーの今後はどうなるのか

 北米で影響力のあるヘイモンと契約したとはいえ今後は、文字通り生き残りをかけたサバイバル・マッチを強いられるだろう。かつて避けられた王者もロマチェンコとのPFP対決で為す術なく敗れ、38歳を迎えアスリートとしても下降線を辿っていることは否定できない。

 リゴンドーがヘイモンと契約した背景はわからないが、リゴンドーが復帰戦に勝てばSバンタム級から階級を上げれば魅力的なマッチアップが見えてくる。ヘイモンは、フェザー級では群を抜き人気があるWBA世界フェザー級スーパー王者レオ・サンタ・クルス(メキシコ)、同級WBC王者ゲーリー・ラッセルJr.(米)を傘下に収めている。

リゴンドー、ラッセルJr.など好カードが見えてくる

 なかでも、フェザー級でなかなかビッグ・ファイトが叶わない実力がありながら試合枯れ気味なワシントンD.C.出身のWBC世界フェザー級王者ゲーリー・ラッセルJr.戦はリゴンドーと共にトップアマで実現すれば興味深いマッチアップだ。

 ラッセルJr.は、アマチュアで163勝10敗のレコードを誇るトップアマである。2005年全米選手権、ゴールデングローブで優勝。2005年世界選手権にバンタム級で出場し銅メダルを獲得している。2008年北京五輪の代表権を獲得し、出場するも減量苦で試合を放棄しプロへ転向している。

 プロでは30戦29勝(17KO)1敗、1敗はパウンド・フォー・パウンド(PFP)首位のWBA世界ライト級スーパー王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)に敗戦したのみで、負けたとはいえスピードでは互角にウクライナ傑作の”ハイ・テク”と互角に対峙している。

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ラッセルJr.はサンタ・クルス戦は延期?

 ソーシャルメディアでは、ラッセルJr.とWBAスーパー王者レオ・サンタ・クルス(メキシコ)/37戦35勝(19KO)1敗1分との王座統一戦実現の噂も挙がったが、どうやら2019年後半以降までメキシカンの人気者サンタ・クルス戦は実現しそうな気配はない。

 米西海岸で抜群の人気・知名度を誇るサンタ・クルスは次戦、2019年2月16日米ロサンゼルスで、ミゲール・フローレス(米)と防衛戦を行うことが決まっている。

 26歳のフローレスは25戦23勝(11KO)2敗(2KO)Sフェザー級を主戦場にしているが、ワールド・クラスとの経験は少なく、世界タイトル挑戦をもつクリス・アバロス(米)に敗戦している。サンタ・クルス有利は動かず統一戦の期待感が高かっただけに批判は高まりそうだ。

 リゴンドーが誰と戦うはまだはっきりしないが、再起戦に勝利すればトップアマ対決のゲーリー・ラッセルJr.(米)やレオ・サンタ・クルス(メキシコ)とのビッグ・ステージが見えてくるかもしれない。

(Via:The Ring

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