ビリー・ジョー・サンダース(英)がWBOミドル級王座を返上することを発表した。WBO(国際ボクシング機構)へ不服申し立てを行う権利があったが、サンダース陣営は王座返上を選択した。サンダースの王座返上により、10月20日米マサチューセッツ州ボストンにあるTDガーデンで行われる同級1位デメトリアス・アンドレード(米)/25戦全勝16KOと同級2位ウォルター・カウトンドクワ(ナミビア)/17戦全勝16KOの全勝同士の対決は、WBO世界ミドル級暫定王座決定戦から空位の王座決定戦へ格上げされ争われることになる。

 サンダースは、10日以内にWBOに対し不服申し立てを行う権利があったが申立は行わなかった。不服申し立て行わず自主的に王座を返した明確な理由はわかっていないが、サンダースの処分は今後WBO委員会によって正式に決定する。WBOパコ・バルカルセル会長によれば、6ヶ月のサスペンド処分が科せられる見通し。サンダースの復帰はやくても、サスペンド処分が溶ける2019年2月以降となる。

 VADA(ボランティア・アンチ・ドーピング機構)によって行われた薬物検査で陽性反応を示したサンダースは、試合を管轄するマサチューセッツ州のコミッション(MSAC)からライセンス交付が認められず予定していたアンドレード戦が中止となり、WBOがサンダースにどういった処分を下すかに注目が集まっていた。

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サンダース、WBOは6ヶ月のサスペンド処分の見通し

 パコ・バルカルセル会長は、サンダースの復帰について次のように言及した。「社会奉仕活動とあわせ引き続きランダム薬物検査でクリーンであることを証明しなければならない。復帰には、BBBofC(イギリス・ボクシング・コミッション)の推薦状が必要。そうすれば、サスペンド処分を解除しWBOのランキングへ復帰が可能となる。」と述べている。

 サンダースは、8月30日地元英国シェフィールドでVADAによって行われた薬物検査で、尿検体から禁止薬物として指定されるオキシロフリン(興奮薬)の陽性反応を示した。サンダースは鼻づまりを抑えるスプレーの影響で故意ではないと主張。サンダース陣営は、検出された物質はWADA(世界アンチ・ドーピング機関)で試合前に限り禁止薬物として指定されてないことを盾に、タイトルマッチ開催にあたり問題ない姿勢を貫いていた。

 サンダースの薬物陽性反応を受け、タイトルマッチ開催が危ぶまれ開催日が迫りイベントを主宰するマッチルーム・ボクシング、エディ・ハーン氏は、サンダースにライセンスが与えられない場合に備え同級2位ウォルター・カウトンドクワ陣営と交渉をスタートさせた。その後、MSACはサンダースにライセンスを交付しないことを正式に発表、WBOはアンドレード対カウトンドクワ戦を、サンダースの処分が決まるまで暫定王座決定戦として承認する方針を示していた。

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サンダースは3度防衛し王座を明け渡した

 サンダース陣営は、MSACに対し法的措置も検討しているという。サンダースをプロモートするクィーンズ・ベリー・プロモーションズを代表するフランク・ウォーレン氏は、MSACがサンダースの審理において、MSACは法的にWADA(世界アンチ・ドーピング機関)の規定に準拠していることからサンダースのライセンスを認める余地があったと主張している。

 一旦は、WBOもサンダースの王座を即時剥奪しない方針だったが、サンダース対アンドレードの契約にはVADAによる薬物検査が盛り込まれており、MSACがライセンス交付を認めなければ、WBOがサンダースの王座を剥奪するのは時間の問題だった。

 実際に、オキシロフリンはVADAでは常時禁止薬物と指定されるが、WADAとBBBoC及びUKAD(イギリス・アンチ・ドーピング機関で)では、オキシロフリンは試合前は禁止薬物として指定されてなくサンダースは、BBBofCから処分は科せられてない。英国のコミッションからは逃れられたが、WADAの規定に沿うMSACがサンダースのライセンスを認めなかったのは、VADAの薬物検査にサインしていることが裁定の決め手となった。

 今回の防衛戦がサンダースにとって初のビッグ・ファイトだった。もちろん、米本土で行われるアンドレード戦は地味で話題性に乏しかったがキャリア最高の230万ドル(約2億6000万円)の報酬が約束されていたのである。通算成績26戦全勝、2015年にWBOミドル級王座を獲得したもの、試合のキャンセルは留まることを知らずサンダースは高額報酬を手にすることなく、WBO王座を3度防衛し王座を手放すことになった。WBOの処分が待たれる。

(Via:boxingscene)

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