トップランク(米大手ボクシングプロモーター)ボブ・アラム氏は、WBA世界ライト級王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)と、ホルヘ・リナレス(ベネズエラ)の再戦について言及。ダイレクト・リマッチ(即時再戦)は行わない方針であることを明らかにした。

 ボブ・アラム氏は、ダイレクト・リマッチを否定したが、2018年後半から2019年はじめに再戦を行う意向があるという。「リナレスは素晴らしいファイターです。再戦が行われるかは、彼の有能なプロモーターであるゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)と、私の友人である帝拳プロモーションズ本田会長次第だ。

 我々は、今年後半から来年のはじめに再戦について、議論しているだろう。ただ、今再戦を行うのは時期尚早だ」。と語っている。

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 ロマチェンコは、2018年5月12日米ニューヨーク州ニューヨークにあるマディソン・スクウェアガーデン・アリーナでWBA世界ライト級王者ホルヘ・リナレスと対戦し、10回TKO勝ちを収めプロ世界最速の3階級制覇を達成、WBAスーパー王座に認定され米リング誌のリングマガジン王座も獲得した。

 ロマチェンコ、リナレスがキャリアをピークにして、ニューヨークの殿堂MSGアリーナに初登場。直前の予想では、ロマチェンコ有利は固く海外メディアでも大方の関係者が、挑戦者であるロマチェンコのKO勝利を予想していた。

 これは他でもないロマチェンコが直近のSフェザー級の防衛戦において圧倒的な勝ち方をし次々と挑戦者らを戦意喪失に追い込んだからである。一方、リナレスを高く評価していた記者や関係者がいたこともまた事実である。

 試合内容は想像以上、正統派スタイルでハイスピード、スキルを誇示するリナレスが、現代ボクシングの最高傑作と呼べるロマチェンコの新たなスタイルを迎えうつ構図。ダウンの応酬、ハイスキル・セットをもつ両雄の戦いは文字通りライト級頂上決戦に相応しい名勝負となった。

 当日計量、リナレスは152ポンド、ロマチェンコは138ポンド。リングで対峙すると両雄のフレームの違いは一目瞭然でフィジカルの差は無視できない。フェザー級スタートとは言えナチュラル・ウェイトに近いロマチェンコと違い、リナレスは8年以上ライト級を主戦場とし身体を作り上げている。

 ムービンセンスに優れるロマチェンコは、フェイントを多段にかけリナレスを翻弄。機動力を活かしたスタイルで試合をハイ・スピードで組み立ててゆく。考えたらおわり、考える隙さえ与えない。このスピードについてこれるのはリナレス、WBC世界フェザー級王者ゲーリー・ラッセルJr(米)くらいだろう。

 ハイガードは崩さず、リスペクトするマイク・タイソンを思わせるハイテンポで右サイド、左サイドへ移動し頭の位置を変え照準をあわさせない。角度を変えポジションを変えビジーに動く。リナレスのカウンターを警戒する姿勢は崩さず、距離を潰し空間を支配。決してパワー・ショットは狙わず徹底的にポイント・アウトするのがロマチェンコ。打ち終わりはとにかく貰わない。

 ステップバック、スウェー、ポジショニングを変え相手のカウンターに備え、いつでも迎撃できる姿勢を崩さない。スピード、コンビネーションが目につくが、このスタイルは高水準な防衛能力があり成り立っていると言っても過言ではない。


 一方、リナレスはロマチェンコを研究していた。152ポンドに上げてもスピードは落ちず、コンディションも良さそうだ。いつもなら多段で左サイドをとり、安全圏から左ストレートを叩き込む技をリナレスは肘を使いピボットの原理で幾度となく阻止していた。
 
 6回、ロマチェンコがギアを上げてきた所を、リナレスの右ロマチェンコを捉えプロ初のダウン。しかし、その後ロマチェンコは丁寧に立て直し10回、左ボディでリナレスからダウンを奪い返しTKO勝利となった。9回までのジャッジのスコアは三者三様のドロー、リナレス(86-84)、ロマチェンコ(86-84)、ドロー(85-85)拮抗していた。

 32歳でビッグマッチを手にしたリナレス。報酬はキャリアで最も高額な1億円を手にしている。惜しくも敗戦を喫したがリナレスの商品価値は下がるどころか、全階級を通じてボクシングIQが高いロマチェンコを苦戦させたとし米本土で評価を上げたにちがいない。

 初戦が接戦だっただけに、ロマチェンコ・スタイル攻略の糸口が見えたこともあり、再戦が行われればリナレスの戦略・戦術も興味深い。拮抗したがスキルで勝ったロマチェンコがどんな変貌を遂げるかといった観点でも再戦は興味深いものになるはずである。

 3階級制覇を達成したロマチェンコは、これまでオルランド・サリド(メキシコ)のダーティー・テクに屈しプロの洗礼を受けたとは言え、キャリアを通じて劣勢になった経験はない。

 6回、リナレスの右がロマチェンコにヒットしプロ初のダウン。フラッシュダウンにしろあの場面から丁寧に立て直し、臆することなく自身のボクシング・スタイルを貫き通し最終的にTKO勝利を飾ったことは、メンタルの強さをも示したと言える。

 「プロモーターが再戦を議論するのであれば、それはファンにとっても面白いと思う」。

 ロマチェンコはリナレスとの再戦を歓迎。プロモーターのアラム氏は、ロマチェンコの次戦 の具体的な日程について言及している。

 8月25日米カリフォルニア州イングルウッドにあるザ・フォーラムで計画していることを明かし、対戦相手はトップランク傘下であるWBO世界ライト級王者レイ・ベルトラン(メキシコ)が候補に浮上。

 すでに、ベルトラン陣営はロマチェンコとの統一戦に向け前向きな姿勢を示している。ベルトランは、36歳にしてようやくWBO世界ライト級王座を獲得。年齢からしてもキャリアが後期に入っている。ロマチェンコ戦はリスキーだが本人が言う通りビッグマッチを実現し報酬を稼ぎたいのが本音だろう。

 現時点で、具体的な話はないが8月後半であれば6月には具体化してくるはずである。ただ、ロマチェンコはリナレス戦で肩を負傷、ベルトランもモーゼス戦で負傷していることから開催日程が変更となる可能性もありそうだ。

(Via:boxingscene

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