トップランク社(米・大手ボクシングプロモーター)ボブ・アラム氏は、プロ最速最短の3階級制覇を達成したWBA世界ライト級王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)の次戦を2018年8月25日米カリフォルニア州イングルウッドにあるフォーラムで計画していることを明かした。交渉は具体化してないが、アラム氏はWBO世界ライト級王者レイ・ベルトラン(メキシコ)を挙げている。

 アラム氏によると、ロマチェンコはライト級に留まる意向だという。「我々はロサンゼルスに向かうことになるだろう。ロマチェンコから8月25日の日程に関して良い返事をもらっているしね。

 しかし、彼らが本当に試合を行うかは分からない。ロマチェンコと今後のキャリアを話し合っていた時、彼は”今はこの戦いに集中したい”と言ったんだ。だから本当に分からない」。アラム氏はこう語っている。

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ベルトランとの王座統一戦が規定路線か?!

 3階級目となるライト級王座獲得に成功したロマチェンコ。ライト級に留まり次戦アラムの言う通りの日程、会場であればWBO世界ライト級王者レイ・ベルトランとの王座統一戦は有力候補と考えて間違いない。WBO世界Sフェザー級王座も保持するロマチェンコは、10日以内にWBO王座を返上しライト級に留まるかSフェザー級に階級を下げるか決断をする必要がある。

 ロマチェンコの今後の方針次第では、Sフェザー級へ階級を下げることも少なからずあるだろう。Sフェーザ級で、ローマン・マルチネス(プエルトリコ)、ニコラス・ウォータース(ジャマイカ)、ジェイソン・ソーサ(米)といった実力者達に圧倒的な力量差を見せつけ無類の強さを誇示したロマチェンコも、パワー・レスが露呈してしまった。

 ライト級に階級を上げ臨んだリナレス戦で依然として高い機動力を誇り、相手の長所を無効化し自身が持つスタイルを最大限に活かす戦略は大きなアドバンテージである。しかし、Sフェザー級時代相手の顎を幾度となく上げ、相手からダウンを奪ったが、Sフェザー級と比較するとパワー・レス感は否めない。

 大方、ライト級にとどまる方向で間違いないだろう。Sフェザー級に留まった場合、交渉締結は簡単ではないがSフェザー級屈指の高い身体能力をもつWBA世界Sフェザー級スーパー王者ジェルボンテ・デービス(米)との統一戦が実現すれば興味深い。

 デービスをプロモートするメイウェザー・プロモーションズ、フロイド・メイウェザーJr.氏は、ロマチェンコがリナレスに勝った場合、トップランク重役とデービス戦実現に向け交渉することを示唆している。しかし、順当にキャリアを歩ませ王座獲得の後、ロマチェンコとは別路線に方針を示したデービス陣営が、若干23歳のデービスにリスキーな一戦を挑ませるかは疑問が残る。

 一方、ベルトランは2015年5月薬物問題のほとぼりが冷め、2018年2月パウルス・モーゼス(ナミビビア)とテリー・フラナガンが階級を上げるため空位となったWBO王座決定戦を制しWBO世界ライト級王座獲得に成功している。

 ベルトランはロマチェンコと同じくトップランクがプロモートしている。そのため、マッチメークの際に支障をきたすTV局やプロモーター間の問題はない。両陣営が交渉に前向きな姿勢を示せば、交渉締結は容易。メキシカンのベルトランにとって、ヒスパニック層が多く居住する南カリフォルニアは立地としても悪くない条件である。

ライト級活性化

 しばらく停滞していたライト級だが、リナレス対ロマチェンコ戦が実現し大きく動き注目を浴び、ビッグマッチの機運が高まっている。7月28日米カリフォルニア州ロサンゼルスにあるステープルズ・センターで、WBC世界ライト級王者マイキー・ガルシア(米)対IBF世界ライト級王者ロバート・イースターJr.(米)の王座統一戦が決定。ロマチェンコを筆頭に、ライト級ではWBO王者レイ・ベルトラン、WBC王者マイキー、IBF王者イースターと役者が揃い、ビッグマッチの期待感は高まる。

 一方、ロマチェンコと歴史に残るハイスキルな攻防の名勝負を繰り広げ、米本土で商品価値を上げたリナレス。アラム氏が言うとおりロマチェンコとのダイレクトリマッチは厳しい。しかし、ロマチェンコとの再戦のチャンスは十分あるだろう。

 ゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)と確執のあるアル・ヘイモン傘下選手の交渉は難しいが一度は消滅したマイキー・ガルシアやライト級で規格外のフレームをもつロバート・イースターJr.といった実力者達との戦いもファンにとっては、興味深い一戦になることは間違いない。

スター確実と言われていたリナレスも32歳にしてようやくニューヨークの殿堂MSGアリーナへ登場。負けたとはいえロマチェンコとの名勝負を経て米東海岸で大きな存在感を示したことは間違いない。復帰戦を含め再度ビッグマッチのチャンスはやってきそうな気配だ。

(Via:boxingscene)

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