階級屈指の実力者でありながら試合枯れの代表といえばこの男だろう。米リング誌によると、WBC世界フェザー級王者ゲーリー・ラッセルJr.(米)/29戦28勝(17KO)1敗と、同級1位指名挑戦者のジョセフ・ディアス(米)/26戦全勝14KOの一戦が口頭レベルで合意したという。

 ジョセフ・ディアスをプロモートするゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)エリックス・ゴメス氏は、現地時間4月6日にリング誌のインタビューに応じWBC世界フェザー級王者ゲーリー・ラッセルJr.と、ジョセフ・ディアス戦が口頭レベルで合意したことを伝えた。

 エリック・ゴメス氏によると、交渉の進捗について報酬分配など主要な契約条件について両陣営で同意したが、開催日程の他に会場、中継局を最終合意に向け確定する必要があることを明らかにしている。

 現時点で5月19日から6月30日の期間で、HBO(米大手ケーブルTV局)、Showtime(米ケーブルTV局)で中継することが計画されているという。

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 この一戦は、WBC(世界ボクシング評議会)が2017年10月6日にWBC世界フェザー級王者ゲーリー・ラッセルJr.とWBC同級1位のジョセフ・ディアスに対して指令した指名戦となっている。

 興味深いのは、この指名戦はGBPとアル・ヘイモン氏の構図にある。記事によると、交渉の窓口となったのはヘイモンと協調関係にあるトム・ブラウンだったという。ラッセルJr.はアル・ヘイモン氏がマネージメントを務めている。GBPとヘイモン氏は犬猿の仲で有名である。

 交渉締結に向けての最大の難関はホスト局の決定だろう。GBPとHBO(米・最大手ケーブルTV局)は関係性は深いが、HBOの予算削減は明らかで資金を捻出できるか不安要素は多い。ラッセルJr.をマネージメントするヘイモン氏はHBOと相反するShowtimeがビジネス・パートナーである。

 もし、Showtimeで中継することが決まれば、大きな変化を迎えるかもしれない。ボクシング黄金期に1億ドルの巨額の資金を投じてきたボクシング界の巨人HBOも親会社のタイム・ワーナー社の業績不良を受け、ボクシングの予算は縮小。2015年は3000万ドル、2016年は2500万ドルにまで激減している。

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 トップランク(米・大手ボクシングプロモーター)は長らくパートナーを組んできたHBOを離脱し、ESPN(米・スポーツ専門チャンネル)と契約することを発表。HBOを取り巻く環境は変化している。

 もっともトップランクがESPNに乗り換えるのも無理もないだろう。傘下に収める選手達の試合を決めようにも、ホスト局が承認しなければイベント開催は事実上困難な状況にあった。

 実際に2017年4月22日に米・カリフォルニア州カーソンにあるスタブハブ・センターで挙行されたWBO世界フェザー級王者オスカル・バルデス(メキシコ)、WBO世界Sミドル級王者ヒルベルト・ラミレス(メキシコ)、WBO世界Sバンタム級王者ジェシー・マグダレノ(米)のトリプル・ヘッダーは、HBOではなくトップランク社独自のインフラ網を利用したPPVイベントとなっている。
 
 前述しとおりHBOの予算削減は明らかで急スピードで進行。ビッグイベントは放映権を支払う必要がないペイ・パー・ビュー(PPV)イベント頼り、新たな市場として軽量級を開拓している。予算減からすれば方向性としては正しい。GBP、HBO、ヘイモンの関係性、HBOの今後の行方を占う上でも非常に興味深い交渉になりそうだ。

(Via:Ring TV)

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