近藤明広対リピネッツ、アンダードッグが噛み付く光景をみたい


photo by:boxingscene

 米国現地時間2017年11月4日にニューヨーク州ニューヨークにあるバークレイズ・センターで開催されるIBF世界スーパーライト級王座決定戦の前日計量が現地時間3日に、決戦地バークレイズ・センターで行われ、IBF同級1位のセルゲイ・リピネッツ(ロシア)が139.75パウンド、近藤明広(一力)が139.5パウンドで計量をパスした。
 

 リピネッツ対近藤の決戦地は米東海岸のニューヨークの新たなメッカになりつつあるバークレイズ・センター。イベントのメーンはWBC世界ヘビー級王者デオンテイ・ワイルダー(米)と、バーメイン・ステイバーン(カナダ)の再戦、セミ・ファイナルにはショーン・ポーター(米)とアドリアン・グラナドス(メキシコ)戦、Showtime(米・大手ケーブルTV)のトリプルヘッダーという大舞台で行われる。

出し惜しみしない日本人のサムライ達は高評価

 欧米はじめ中央アジアの勢力も強く強豪が揃うスーパーライト級、もし近藤が勝ち新王者誕生となれば25年ぶりの快挙だという。

 中量級の主戦場である本場米国で世界タイトルのチャンスを得ることは難しい。しかし、近年では日本人が米国に渡り試合をすることは珍しくない。米関係者の間でも日本人ファイターの評価は上がっていることは間違いないだろう。

 最近では、2017年8月にコットの対戦相手として亀海喜寛(帝拳)が抜擢。WBO世界スーパーフライ級井上尚弥(大橋)が全米デビューを果たし日本人ファイター達の海外での活躍目立つ。

 過去には西岡利晃、三浦隆司、荒川仁人、亀田和毅、チャーリー太田、ミドル級帝王ゲンナディ・ゴロフキン、ジェームス・カークランド、ポール・ウィリアムス、ピログらビッグネームと対戦した石田順裕の活躍もある。

 統括団体でも規定に厳格なIBF(国際ボクシング連盟)の王座決定戦の指令とはいえ、交渉が成立した背景には前述したとおり米国で出し惜しみしない好ファイトを演じる日本人ファイターらが活躍した影響は大きいだろう。プロモーターやホスト局のShowtimeも日本人ファイターを起用することに躊躇はなかったはずである。

近藤はアンダードッグ

 「リピネッツはノックアウト・アーティストだ。将来、有望なスター候補の初の世界タイトルマッチが決まった」。
 こう語るのは米東海岸の興行を取り仕切るディ・ベラ・エンターテイメントを主宰するルー・ディベラ氏である。現地では、近藤のキャリアをリスペクトする声もあるがアンダードッグであることは否めない。

 リピネッツはルー・ディベラ氏も太鼓判を推すスーパーライト級プロスペクトである。キックボクシングでは500戦以上のアマチュア経験を持ち、ボクシングのアマチュア戦績は40戦35勝5敗、2014年にプロへ転向している。

 現在は米国へ居住し大物アドバイザーであるアル・ヘイモン氏と契約し米国を主戦場にしている。プロ戦績は僅か12戦だがキャリアの対戦相手は濃厚。プロ戦績は近藤が上回るが、リピネッツの対戦相手の水準は高く、接近戦、中間距離でも戦え戦術の幅は広く総合力は高い。

 2016年12月10日に、レオナルド・ザッパピグナ(豪)/39戦36勝(26KO)3敗(2KO)とIBF世界スーパーライト級挑戦者決定戦を行い8回にワンツーをクリーン・ヒットしKO勝利。さらに、小原佳太と引き分けたウォーター・カスティージョ(ニカラグア)と対戦しKO勝利。プロモーター達の期待値の高さも納得できる。

 リピネッツは、パンチャーであることに違いないが戦術面も幅広い。ザッパピグナ戦では出て来る相手に出鼻、打ち終わりにパンチをコネクト。防衛能力も高い。この戦いでピンチに陥るがサバイブしKO勝ちを収め証明したことは大きい。

 ヘッドスリップとダッキングの複合的なディフェンス・ワークで相手のパンチを無効化。ブロッキングの精度も高く、ショルダーロールから高速の右リターンで相手を迎撃できる能力も持っている。ザッパピグナ戦では4回、打ち合いで右のカウンターでグラつきキャリア最大のピンチに陥っているが何とかサバイブしている。

 2015年10月30日に行われたライデル・ローズ(米)/28戦25勝(12KO)2敗戦では、丁寧に攻め込む面も見れパンチャーであるがクレバーさも兼ね備えている。アジリティ、スピード身体能力で上回相手に対しプレスをかけ慎重にロープへ追い詰めた。

 追い足もはやく9回にはパワフルな右で相手をグラつかせ、追撃の右をコネクトし相手をダウン寸前まで追い込んでいる。結果、ミッションであるKO勝ちを収めることができず苦戦を強いられたがリピネッツにとって成長が得られる重要な一戦だったはずである。

 36戦のキャリアを誇る近藤、この階級で何度も世界タイトルの挑戦はやってこない。だからこそ中量級で王座を獲得することに大きな価値がある。実力ではリピネッツが上だろう。乱打戦に持ち込めば勝機があるかもしれない。近藤が言うように”番狂わせ”アンダードッグが噛み付く光景を見たい。

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