ゴロフキン、カネロ、直前の予想!


photo by:boxingscene

 50-50、最高の戦いになる。興行規模で言えば2017年後半に行われるイベントでは最大級。マッチメークではここ数10年類を見ない最高のカード。歴史的な一戦はお互いが真価を問われる重要な一戦となる。

 数多くのビッグマッチが実現しているが、ビッグマッチが必ずファンが求める好試合になるとは限らない。実力者同士が故に凡戦で終わることも珍しくない。

 しかし、この戦いはエキサイティングが保証されると言っても過言ではない。パワー・パンチを持つ両者、ショッキングな結末となっても不思議ではない。ゴロフキン、カネロ、2人は好戦的ファイター、ここまで人気を獲得してきたのはファンが求める結果を出してきたからである。

 WBA・WBC・IBF世界ミドル級王座統一戦、2017年9月16日に米・ネバダ州ラスベガスにあるT-Mobileアリーナで、統一王者ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)/37戦全勝33KOが、サウル・”カネロ”・アルバレス(メキシコ)/51戦49勝(34KO)1敗1分の一戦が行なわれる。

GBPは公約を守った

 ようやく決まったミドル級頂上決戦、ゴールデン・ボーイ・プロモーションズ(GBP) オスカー・デラ・ホーヤ氏は「ゴロフキン対カネロ」を実現する公約を守った。結果的に実現の話が浮上し約2年の歳月が経過したが、今がベストタイミング、GBPの思惑どおりにことが進んでいることは間違いない。

 ビッグマネーが動くボクシング界、何もビッグマッチが先送りされることは珍しいことではない。2015年5月2日にようやく実現したフロイド・メイウェザーJr.(米)対マニー・パッキャオ(フィリピン)がいい例である。

 商品価値が高い選手であれば、負けた時のリスクは大きい。プロモーターは選手の商品価値を最大化するのが目的。先に伸ばした方がより大きな舞台になることも事実だろう。ファンの声に反して全盛期同士の決戦が行なわれるケースは少ない。それでも、約2年で実現させた意味は大きい。

最適なタイミングでミドル級帝王と決戦

 思えば、2016年5月7日に米・ラスベガスでアミール・カーン(英)を戦慄KO、場内がまだ騒然とする中カネロは、リングサイドで観戦していたゴロフキンをリングに招き入れ「今すぐにグローブをつけて戦ってもいい」と公言。しかし、WBC(世界ボクシング評議会)が指令した交渉は纏まらずGBP、カネロ陣営は、王座返上を選択。カネロはそれ以降ゴロフキンから逃げたレッテルを貼られることになる。

 GBP、カネロ陣営は、以前にカネロが所属していたプロモーションズと契約問題を抱えていたことを明らかにしている。しかし、GBPはこの時点でカネロをゴロフキンにぶつける気はなかったはずである。2016年9月、2017年5月にカネロに経験を積ませ、2017年9月のメキシコの独立記念日の週に実現させる青写真があったのだろう。

 カネロは2015年11月にミゲール・コット(プエルトリコ)に勝利しWBC世界ミドル級王座を獲得したとはいえ、155パウンドの契約ウェイト。まだ160パウンドのミドル級のファイターと拳をあわせた経験はない。さらに、カネロはGBPの看板選手でありドル箱スターである。カネロが負ければ、GBPとしても大きな打撃を受ける。たとえ、カネロがゴロフキン戦を臨んでもミドル級試運転なくして、ミドル級帝王ゴロフキンに挑戦するのはあまりにリスキー。GBPの決断は決して間違ってなかった。

カネロが有利か?!

 ESPN.comは、14人のライターが勝敗予想を実施。半数以上9人がカネロ勝利を支持している。2年前では明らかにゴロフキンに傾いていただろう。カネロに傾いている理由は、直近の試合のパフォーマンスが予想に大きく反映していることは間違いない。筆者は、カネロが中盤以降にKOすると予想している。

 カネロ、ゴロフキンを比較した際に、キャリアの対戦相手の水準の違いは大きい。カネロはアマチュア・キャリアこそ少ないが、プロに入りし、その中で試合毎に自身のスタイルをブラッシュ・アップし成長し続けている。キャリアの中でここまで成長する選手は稀だろう。

 「負けていた」と言われているエリスランディ・ララ(キューバ)戦や、オースティン・トラウト(米)はプロモーターが反対したが本人が強く臨んでいたという。若干24歳で、元トップアマ出身の技巧派のララと戦えば負けるリスクの方が大きい。しかし、そういった難的に挑んだ経験がカネロを成長させたことは間違いないだろう。

 GBPはゴロフキン戦実現にむけ、カネロの成長と興行バランスを上手く調整してきている。階級差は否めないが、自分より速く難的であるアミール・カーン(英)相手に、リングで主導権を握り戦慄KO。

 迎えた、2017年9月フリオ・セサール・チャベスJr.(メキシコ)戦は、164.5パウンドで行われている。仮想ゴロフキンとしてこれ以上最適な相手はいない。チャベスJr.は、パワーで上回り、フィジカルで上回る相手、カネロにとってミドル級の試金石となる試合だった。

 結果としてチャベスJr.の減量苦は否定できないが、それでもミドル級以上のウェイトで相手を圧倒した意味は大きく、ミドル級で戦えることを証明したといえる。カネロが得意とするカウンターから相手を迎撃する高速コンビネーション、接近戦でも押し負けないフィジカル、パワーも十分だった。

 2016年9月、リアム・スミス相手にボディで悶絶KO。スミスは地味だが攻防一体型のスタイルは、ディフェンスだけでなく引き出しも多く攻撃能力は高い。その相手にカネロは突破を許さずKOで仕留めた意味は大きい。

 それでも、ミドル級以上のウェイトで相手を圧倒した意味は大きく。ミドル級で戦えることを証明したと言える。カネロが得意とするカウンターから相手を迎撃する高速コンビネーション、接近戦でも押し負けないフィジカル、パワーも十分だった。

ゴロフキンは本当に評価を落としたのか?!

 一方で、ゴロフキンは37戦全勝33KO、いままでKOの山を築いてきた帝王も35歳を過ぎアスリートとして下り坂であることは否定できない。素晴らしい記録をもっていることは事実だが、高水準の対戦相手とキャリアを積んできたとは言い難い。直近2試合のパフォーマンスで、ファンから評価を落としている。

 ダニエル・ジェイコブス戦では苦戦を強いられている。しかし、一言に”衰え”で結論付けるのは適当ではない。2017年3月に行われたダニエル・ジェイコブス(米)は、ゴロフキンがキャリアの中で対戦してきた相手でもっとも強豪、拮抗しても不思議ではなかった。評価を落としたのは、ゴロフキンに対する期待が多かったのが影響しているのだろう。

 今でこそ米・東海岸のメッカMSG(マディソン・スクウェア・ガーデン)アリーナを満杯にする観客動員を誇るが、以前のゴロフキンは北米における商品価値は高くなく、避けられてきたのは事実だろう。高水準と言える相手は、元IBF世界ミドル級王者・デビッド・レミュー(カナダ)、元WBA世界ミドル王者ダニエル・ジェイコブス(米)のみである。
 
 しかし、ケル・ブルック(英)戦では雑さが目立ちクリーン・ヒットを幾度と許し、ディフェンスに難があることを露呈したことは間違いない。カネロが踏み入る隙は多いだろう。ダニエル・ジェイコブス戦では、ジェイコブスに再三に渡り打ち終わりを狙われカウンター、パワーショットを浴びている。

 ジェイコブス戦、ゴロフキンは打ち終わり、さらに相手の攻撃をブロックした際に止まる傾向が多った。この日のゴロフキンは、攻防一体型でなく分離型に近かった。カネロの迎撃が上手く機能する可能性は高い。

 ディフェンスにおいてはカネロが”A+”、全階級を通しても間違いなくトップクラスだろう。トラウト、コット、カーンと試合毎に高水準のディフェンス・ワークを披露している。

 一方で、ゴロフキンの最大のアドバンテージは驚異的なプレスと、パワー・ショットだ。攻撃面ではゴロフキンが”A+”。プレスで相手をロープ、コーナーに追い詰め、パワーの乗ったジャブで崩し左フック、右のパワーショットを当て込む。このオフェンスがゴロフキンのディフェンスとしても上手く機能している。

 ゴロフキンが勝つには、ジャブが階級屈指の防衛能力を誇るカネロに対し機能するかどうかだろう。ゴロフキンのジャブはダメージを与えることに加え、相手のペース・ワークをも崩せる。

 もし、ゴロフキンのジャブが機能しなければ、前述した通りカネロの迎撃が機能し、試合は一方的な展開となる可能性もある。逆に言えば、このジャブをカネロが外せないと、キャリア最大のピンチに陥る可能性もある。

 勝敗を分けるポイントとして、両者の耐久力も重要なポイントだろう。ゴロフキンはクリーン・ヒットを許す場面もあるが、ピンチに陥った経験はない。カネロは、2010年にプロ6戦目でホセ・ミゲール・コット(プエルトリコ)戦で、左フックを貰いグラつきキャリア初のピンチになった。これはカネロにとって耐久面で不安要素となるが、実にこの試合は7年前。参考程度だろう。
 
 カネロはゴロフキンのプレスに屈することなく、自分から攻撃を仕掛けヘッド・ショットだけでなく、得意のアッパー、ボディを中心に攻めて勝機を見出すだろう。1ラウンドで勝敗は見えるそんな展開となることを予想。カネロが帝王ゴロフキンを敗れば世界のボクシング界のけん引役が決まる。

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