IBF(国際ボクシング連盟)リンゼイ・タッカー氏は、米・リング・マガジンに、IBF世界ウェルター級王者・ケル・ブルック(英)が、60日間の指名防衛戦の期間延長を申請したことを明かした。IBFはブルック陣営の60日間の期間延長を承認。これにしたがい、ケル・ブルック、エロール・スペンスの交渉は12月26日に開始される。

 IBFは、ケル・ブルックに対し10月26日に同級ランキング1位のエロール・スペンスJr.(英)と指名防衛戦を命じる予定であった。

 ケル・ブルックは2016年9月10日、イングランドにあるO2アリーナで、WBA・WBC・IBF世界ミドル級王者・ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)へ挑戦し5回TKO負け。ブルックは試合後、右眼窩底骨折したことが判明。手術を受けていた。

 IBFは、ケル・ブルックの怪我の状況を受け、治療のため指名防衛戦の期間延長など、ブルック陣営から要望があれば協力する姿勢を示してた。IBFは、ウェルター級から2階級上げミドル級で、ゴロフキンへ挑戦するケル・ブルックに対しゴロフキンに負けた場合、エロール・スペンスJr.と指名防衛戦を行うことを条件に、IBFウェルター級王座を剥奪しない特例を認めていた。

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 ケル・ブルックをプロモートするマッチルーム・プロモーション エディ・ハーン氏は、IBFへエロール・スペンスJr.と指名防衛戦を行うかは明らかにしていない。ケル・ブルックは術後、10月に入り軽いジムワークを開始、2016年春頃を目処に復帰戦が計画されている。

 ケル・ブルックは、ゴロフキンに敗戦したとはいえ一躍その名を世界に知らしめた。陣営は来年以降、ビッグマッチを視野に入れている。次戦以降、スペンスJr.と指名防衛戦を行うかは、ウェルター級でのコンディショニングと、ビッグネームとのビッグマッチの実現次第だと言える。

期待通りに評価を挙げているスペンスは、ブルック戦が実現すれば最大のチャンス

 ケル・ブルックは、2階級あげゴロフキン戦を望んだことからスペンスJr.との対戦は望むところだろう。スペンスJr.は、2試合連続で米地上波NBCのメーンに抜擢され、関係者からの期待値も高く次世代のスターとさえ言われている。

 スペンスJr.にとってブルック戦が実現すればメリットは大きい。ブルックはゴロフキンに敗戦したが、関係者やファンの間でも4団体の王者の中でも事実上ウェルター級最強の王者と呼ばれている。

 スペンスJr.は、米地上波の大観衆が見守る中、パッキャオが倒せなかったアルジェリを仕留め、サーマンが倒せなかったレオナルド・ブンドゥに対し圧倒的な実力差を示し勝利。ブンドゥ戦の視聴件数はPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)史上最大の600万件を超え、今や米国に置ける人気・知名度はうなぎ登り。

今後は、ブルック陣営の動向次第

 そのスペンスが、事実上ウェルター級最強と呼ばれているブルックとの対戦が実現し、スペンスが勝利すればウェルター級最強を証明することになる。そうなれば、サーマン、ガルシアの勝者も黙ってはいないだろう。ウェルター級最強の称号を掛け、メイウェザー引退後の後継者が決まる一戦が行なわれる公算は高い。

 とはいえ、エディ・ハーン氏は147パウンド〜160パウンドで多くのオプションを検討。入札となれば不利となる見方もしており、ビッグマッチ路線も同時に検討。ハーン氏は、ミゲール・コット(プエルトリコ)、アミール・カーン(英)、WBO世界スーパーウェルター級王者・サウル・”カネロ”・アルバレス(メキシコ)らを候補に挙げており、ビッグマッチ路線に方針を転換することも十分考えられる。

 2016年、カネロ、ゴロフキンの延期に加え、メインキャスト達の不活性の影響もあり「最悪の年だった」と言われているとおり、好試合が多かったが話題となるビッグマッチが少なかったのは事実である。

 サーマン、ガルシアが2017年3月に王座統一戦も決まり、ようやく動き出したウェルター級。ブルックの王座返上の可能性が高いが、2017年スペンスJr.はサーマン・ガルシアの勝者と絡んでくることはほぼ間違いない。2017年ビッグマッチ実現の期待を願うばかりである。

(Via: The Ring

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