パウンド・フォー・パウンド(PFP)最高位に君臨するWBC世界スーパーフライ級王者・ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)は9月29日、保持しているWBC世界フライ級王座を返上することを正式に発表した。

 ゴンサレスの王座返上により、WBC(世界ボクシング評議会)は空位となったWBC世界フライ級王座決定戦として、同級1位ナワポーン・ソールンビサイ(タイ)、2位ファン・エルナンデス(メキシコ)を命じ、両陣営に対し交渉を開始するよう通達した。30日間の交渉期間が与えられ10月21日までに纏まらない場合、興行権は入札となる。

 ローマン・ゴンサレスは、2016年9月10日米カリフォルニア州イングルウッドにある「ザ・フォーラム」で、WBC世界スーパーフライ級王者・カルロス・クアドラス(メキシコ)と対戦し、12回3-0で判定で勝利。ニカラグア初の4階級制覇を達成した。

 米・西海岸イングルウッドにある伝統的な会場「ザ・フォーラム」のメーン・イベンターを務めたゴンサレスの報酬はキャリア最高の40万ドル(日本円で約4000万円)、前回のマックウィリアムス・アローヨ(プエルトリコ)戦より、1000万以上報酬がアップしている。

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 この日、「ザ・フォーラム」は約8000人のキャパに仕切られ、6,714人の観客動員数を記録した。HBO(米・最大手ケーブルTV局)での、平均視聴者数は83万3千人を記録。米国進出したゴンサレス、軽量級とは言え米・西海岸での人気、知名度を得てメーンを務めるまでに成長した。

ロマゴン、井上尚弥との王座統一戦が現実味を帯びる

 この日、井上尚弥(大橋)は「ザ・フォーラム」の会場にゴンサレスの視察に訪れていた。試合後、HBOで馴染みのインタビューア、マックス・ケラーマン氏は、井上尚弥との王座統一戦について言及。

 ゴンサレスは「井上尚弥との対戦を望んでいる。」と王座統一戦に意欲を示し、ファンの間でゴンサレス、井上の”スーパー・ファイト”の機運が高まっている。

 会場には、スーパーフライ級に正式に参戦し、井上尚弥との対戦を熱望するファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)も駆けつけ、井上尚弥と記念写真を撮るなど多いに盛り上がっていた。

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ロマゴンは、井上との対戦の報酬について不満を示した

 ゴンサレスは、井上尚弥との対戦オファーの報酬に不満を示しているという。ゴンサレスをプロモートする帝拳プリモーションズは、ゴンサレス、井上尚弥のスーパー・ファイトは2017年末開催へ向け実現する方針であることを示している。

 ゴンサレスは、「エストラーダが再戦に関心があるかは気にしていない。ただ、彼が多くの報酬を要求するのであれば、再戦は起きないだろうね。クアドラスの再戦はより多くの報酬を得ることが出来る。

 HBOが北米の舞台で井上尚弥との対戦に関心を持っているかは、私には分からない。ただ、井上戦のオファーは低報酬で私にとってメリットが無い金額だった。この試合を実現するのは報酬であり、HBOに依存する。」と語っている。

 「米国でもメーンを張れるが、日本で行う必要がある。井上をスターにさせる試合だからね。」

 そう語ったのはアジア圏内だけでなく、トップランク、ゴールデン・ボーイ・プロモーションズ(GBP)、K2プロモーションズなど海外のプロモーターとの太いパイプがあり、日本で行なわれる世界タイトルマッチに深く関わることで知られている、ローマン・ゴンサレスをプロモートする帝拳プロモーションズ 本田会長である。

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ゴンサレス、井上尚弥、なぜ日本開催なのか

 ファンの間では、「なぜ年末に日本開催なのか?」「スターにするなら米国では?」という声が後を絶たない。それもそのはず、この試合は北米で軽量級のスーパー・ファイトとして期待されていたのである。もっとも、実現までの課題も多いのも事実である。

 井上尚弥は、王者とはいえ米国での実績が無い。ゴンサレスとの王座統一戦を北米で開催するとなれば、最低1試合以上は実績を作らなければ、HBOがこのスーパー・ファイトに関心を示しているとはいえ、人気、知名度が物を言う北米でのマッチメークは難しいのが現状だ。

 勿論、ゴンサレス、井上のスーパー・ファイトが日本開催であればファンにとって喜ばしいことはない。しかし、近い将来、日本のボクシング界をけん引していくであろう井上尚弥の活躍の場として、日本のリングは狭く世界へ飛躍してく時期に差し掛かっていることは間違いないだろう。

 そして、噂される井上尚弥の米国進出に関して、日本で一定上のファン層を持ちTV局のバックアップもある井上尚弥を素直に米国に送り出すかは不透明。北米初参戦となれば、報酬も当然日本開催より大幅に激減する。こういったことも、日本開催が浮上した理由の1つだろう。

 勿論、日本で開催しHBOが米国へ配信するなども考えられるが、放映権も関わってくるのでそう簡単にはいかないだろう。

 ただ、KO決着も予想されるスーパーフライ級のスーパーマッチを北米の地でやらない理由はない。エキサイティングな試合が保証されるこの試合、勝者のインパクトは計り知れないことは言うまでもない。

 ゴンサレス、井上尚弥のスーパー・マッチが米国、国内開催になるのかは、HBO、帝拳プロモーションズ、2017年の井上陣営の方針次第だと言える。1つ確かなのは、井上尚弥は日本の至宝で終わらせてはならないということだ。

(Via: boxingscene

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