急転直下、ロマチェンコ、ウォータースが決定!

 2016年6月、ローマン・マルチネス(プエルトリコ)と対戦しセンセーショナルなKO劇で幕を閉じ世界最短の2階級制覇を達成。そんな記録よりも、素晴らしい試合内容でファン、関係者を沸かせたことは事実だろう。スーパーフェザー級での衝撃的なデビューを飾り、次戦の期待値が更に高まった試合だった。

 今後、トップランク(米・大手ボクシングプロモーター)、HBO(米最大手ケーブルTV局)の新たな顔となるだろうWBO世界スーパーフェザー級王者・ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)の次戦が、米国現地時間2016年11月26日ネバタ州ラスベガスにあるコスモポリタン・ホテルで、ニコラス・ウォータース(ジャマイカ)を相手に初防衛戦を行うことが決定した。

ウォータースの前回の報酬は55万ドル

 2016年前半、両雄の対戦交渉はあったが、ウォータース陣営が100万ドルの高額報酬を要求。HBOはボクシング中継枠の予算が大幅に削減された影響も有り交渉は決裂した。

 ウォータースはキャリア最高値となる55万ドルの報酬が約束され、勝利した場合30万ドルが追加報酬となる提案がなされたが、ウォータース陣営はオファーを断っている。

 ウォータースは、ノニト・ドネア(フィリピン)と対戦しネーム・バリューを上げたのは事実だが、全米で絶対的な人気を得ているわけではない。

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ウォータースは、前回の交渉時より報酬アップが確約

 今回、ウォータース陣営がロマチェンコとの対戦に同意したのは、前回以上の報酬が得られること。減量苦による王座剥奪から再びトップ戦線に繰り出すウォータースのキャリアにおいてこれ以上のブランクを作らせない陣営の判断だろう。

 ウォータースは2015年12月、ジェイソン・ソーサ(米)と試合をしたのが最後。30歳を迎えたウォータースの今後のキャリアを考えれば、1年以上ブランクを空けることは選手として痛手なのは間違いない。

 報酬や契約条件に拘るより選手としては、試合をし実績を積むことのほうが重要である。今回、前回交渉時55万ドルだった報酬がアップされるという。このあたりもウォータース陣営がロマチェンコ戦に同意した理由だろう。

コラレスは、出しに使われた?

 トップランク ボブ・アラム氏は、ロマチェンコの次戦の対戦候補に、WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者・ジェスレル・コラレス(パナマ)、ニコラス・ウォータース(ジャマイカ)を挙げていた。HBOの予算が削減されていた影響もあり、次戦へ向けての弊害になると危惧されていたが、無事HBOでの中継が決まった。

 当初、コラレスとの交渉が報じられていたが、ウォータース戦が決まる前、ウォータースと再度交渉していることが明らかとなった。ウォータース戦が纏まった理由は、マッチメークの最終決定権をもつと言われているHBOの意向があってのことだろう。

 コラレスは、内山高志を破ったとは言え米国での試合経験はなく米国ではほぼ無名。今後、トップランク、HBOの顔となるロマチェンコと対戦するには知名度が低く、決まったとしても高視聴件数は期待できない。

 対して、ウォータースは米国での試合経験もあり、HBOでも中継されていることから、米国で一定以上の知名度を持つ。ビジネスが先行するのが米国ボクシング界、必ずしも実力者であれば北米の舞台が約束されるわけではなく人気によってマッチメークが大きく左右される。

 真意はわからないが、ボブ・アラム氏がコラレス戦の交渉を表に出したのは、ウォータース陣営がロマチェンコ戦に同意する為、出しに使ったとも考えられる。再びトップ戦線に食い込みたいウォータース陣営にとってもロマチェンコ、コラレスが決まっては、次のチャンスが掴みにくいのは事実だろう。

 何れにしても、ウォータース、コラレスが交渉テーブルに並んだ場合、ロマチェンコの相手として米国で知名度があるウォータースは、興行収益を考えれば有利に違いない。そして、両雄の対決は以前にも浮上していたことから話題にもなりやすく多くの視聴件数が期待できる。

心配されていたHBOでの中継

 ボブ・アラム氏は、ワシル・ロマチェンコの次戦は、親会社タイム・ワーナーの業績不良の為ボクシング中継の予算が大幅に削減され中継枠が限定されたHBOではなくライバル局であるShowtime(米大手ケーブルTV局)での中継も検討していた。

 11月26日にHBOでの中継が纏まったもう1つの理由として、2016年後半にHBOが計画していたボクシング中継が大幅に変わったことにある。また、これにより他のビッグマッチ実現の機運も高まっている。

 HBOは12月10日米ニューヨークで東海岸に初上陸を果たすサウル・”カネロ”・アルバレスの試合中継を計画していたが、カネロがスミス戦で親指を剥離骨折したことにより、12月10日に予定していた試合が急遽中止となった。

 これにより、その空いた12月10日の枠に、11月26日に試合を予定していたWBA・WBC・IBF世界ミドル級統一王者・ゲンナディ・ゴロフキン(ウクライナ)の試合がスライド。

 現在、同級WBA正規王者・ダニエル・ジェイコブス(米)との試合が交渉されている。11月26日の中継が白紙となったことが、ロマチェンコの試合がHBOで中継されることになった背景としてもあるだろう。

(Via: boxingscene

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