WBO世界ミドル級王者・ビリー・ジョー・ソーンダース(英)は、米国現地時間2016年9月17日テキサス州アーリントンにあるAT&Tスタジアムで行なわれるWBO世界スーパーウェルター級タイトルマッチ、王者・リアム・スミス(英)、対、サウル・”カネロ”・アルバレス(メキシコ)のペイ・パー・ビュー(PPV)アンダーカード枠で初防衛戦が計画されていたが、ソーンダースの参戦が消滅したことが明らかとなった。

 ゴールデン・ボーイ・プロモーションズ(GBP)エリック・ゴメス氏は、ソーンダースの参戦について、ソーンダースをプロモートするフランク・ウォーレン氏と交渉に従事していた。

 ソーンダースの対戦候補にガブリエル・ロサド(メキシコ)が挙がり、交渉が進み両陣営で大筋合意したが、ソーンダースがロサド戦のオファーを断ったという。

 GBPはロサドの他、カーティス・スティーブンス(米)、ウィリー・モンローJr.(米)との対戦も提案するがソーンダースは何れのオファーも拒否。理由について、「GBPは私が要求した対戦相手を用意できなかった」。GBPが提案した選手は、何れもゴロフキンに負けていることを理由に挙げている。

Sponsor Link

 ソーシャル・メディアでは、ソーンダースの一連の行動から、批判的な意見が数多く発信されている。また、エリック・ゴメス氏は、「ソーンダースは9月17日の参戦は消滅したが、12月の試合は確保する」。と強調した。

12月のカネロ戦、実現なるか?!

 ソーンダースが9月のカネロ、スミスのアンダーカードに参戦することは、カネロがミドル級へ正式に転向を計画する12月に、カネロ、ソーンダース戦を実現する上で顔見せ的な意味合いも有り重要視されていたのである。

 なにより、ソーンダース戦は一度話題となったWBA・WBC・IBF世界ミドル級統一王者・ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)とのメガマッチに向けての準備である。

 カネロは、スーパーウェルター級に戻ったが、ゴロフキン戦へ向けミドル級へ本格参戦することは確実視され、HBOもカネロ、ゴロフキン戦を来年2017年秋にも実現させたい意向を示している。

 WBO王者ソーンダースへの挑戦が暗雲が立ち込めたが、北米のリング参戦を望むソーンダースとの対戦はまだ、少なからず望みがあるという状況だろう。

ソーンダースにしてもカネロ戦はメリットが大きい

 ソーンダースとしてもカネロ戦を実現することはメリットが大きい。カネロは、米国西海岸ではヒスパニック層に絶大的な支持を集めており、フロイド・メイウェザーJr.、マニー・パッキャオに次ぐ興行価値も高く、報酬も十分見込める。
 
 試合が決まれば、プレミア・ケーブルTV局 HBO(米最大手ケーブルTV局)が中継、米国デビュー戦で大舞台が用意。仮にカネロに勝利すれば米国での知名度も上がり、商品価値を上げることもできる。

 ミドル級本格進出を狙うカネロとってみれば、ソーンダースはWBOのベルトを持ち、ミドル級試運転の最も都合の良い相手にちがいないが、ソーンダースとしてもカネロ戦を断る理由は見当たらない。

 ソーンダース陣営は10月に英国で初防衛戦を行い、2016年12月にカネロ戦を実現したい意向を示しており、近いうちに次戦の詳細を発表するとアナウンスしている。

 一方、カネロがソーンダース戦を望むのは、何もミドル級の王座奪取だけでない。カネロ陣営からすれば、ソーンダース戦は、2017年秋にも実現するとみられるミドル級絶対王者・ゲンナディ・ゴロフキンとのメガマッチ実現前の、ミドル級リミット(160パウンド)の試運転として重要な一戦という位置づけなのだろう。

村田諒太のミドル級挑戦はいつ?

 ファンも知ってのとおり、ソーンダースを標的とするのはカネロだけでなく、ロンドン五輪メダリストの村田諒太(帝拳)も世界タイトル奪取の標的としてソーンダースをあげている。ただ、今やドル箱スターの人気があり高い興行価値を持つカネロを横目に、ソーンダース戦のマッチメークを実現すること簡単ではない。

 「まだウェイティング・サークルに入っていない」と村田自身がそう認識しているとおり、ミドル級には絶対王者・ゴロフキンが君臨。その周りにはカネロという高い興行価値をもった選手がメガマッチを模索。この階級では世界ランキングはもはや飾り、人気・知名度がモノを言うことをは知ってのとおりだろう。

 一方で、村田陣営に、ソーンダース戦のオファーがあったという。陣営からすれば世界挑戦することさえ難しいミドル級で願ってもない機会だが、既に次戦が決定していること、ソーンダースがサウスポーで準備期間が短い為オファーを断ったことが明らかとなっている。

 陣営としてもソーンダース戦のオファーは難し決断だったはずだ。次戦は2016年11月を予定。対戦相手は世界ランカーを予定しているという。2016年7月ジョージ・タドーアーニッパー(米)に圧勝し試合内容で魅せたとは言え、対戦相手のネームバリュー不足感が歪めないのは事実。注目を浴びるにはビッグネームとの対戦が不足しているのである。

 村田をプロモートする帝拳プロモーション 本田会長は、世界挑戦前に数試合行いたい意向を示している。ソーンダースへの挑戦機会はタイミングが悪かったが、村田は順調にキャリアを積み毎試合、スキル・アップしていることはTVから見ても分かる。
 
 村田は、プロのキャリアはまだ僅か11戦。あと数試合し世界タイトル挑戦しても決して遅くはない。ここから課題の1つである名のある選手と対戦し、インパクトのある勝ち方をすればメディアにも大きく取り上げられ、世界前哨戦でペイ・パー・ビュー(PPV)のアンダーカード枠に起用など、大きな舞台が用意されるチャンスもある。何れにせよ、ここからが本番だ。

関連記事

カネロ、ゴロフキン、2017年に実現か?!

2016年9月メキシコの独立記念日、次世代のスーパースーターを決めるべくファン待望のカネロ、ゴロフキンのメガマッチが流れてしまったことは残念だが、ファンの希望に反して、選手の商品価値、キャリア、プロモーター、TV局、様々な意向でメガマッチが流れることはよくあることで不思議では無い。マッチメークに関し否定的な意見もあるが、筆者は2017年実現を望んでいるメガマッチの1つである。 …

カネロ、GGGは本当に実現しないのか?!

「2016年ビッグマッチが少ない年になる」そう言われていただけに、残念なニュースが飛び込んできた。ゴールデン・ボーイ・プロモーションズ(GBP)は、サウル・”カネロ”・アルバレス(メキシコ)がWBC世界ミドル級王座を返上することを正式に発表。これを受けWBC(世界ボクシング評議会)は同級暫定王者・ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)を正規王者として認定。カネロ、ゴロフキンの一戦は、事実上延…

(Via:ESPN