フロイド・メイウェザーJr.(米)引退後のウェルター級は次期スターの座をかけて覇権争いが過熱している。その中でも、アマチュア経験豊富、ロンドン五輪米国代表、実力を兼ね備えたエロール・スペンスJr.(米)は事実上、次期ウェルター級スターの有力候補であり未来ある選手であることは間違いないだろう。

 実力者クリス・アルジェリ(米)に完勝し、自身の強さを世界に証明したエロール・スペンスJr.に次期指名挑戦者決定戦の機会が到来。エロール・スペンスJr.は、米国現地時間2016年8月21日ニューヨーク州ブルックリンにあるコニー・アイランドで、同級ランキング2位のレオナルド・ブンドゥ(シエラレオネ)を相手にIBF世界ウェルター級挑戦者決定戦を争う。
 
 IBF世界ウェルター級王者・ケル・ブルック(英)は9月にWBA・WBC・IBF世界ミドル級統一王者・ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)へ挑戦することが決定。空位となることから、王座決定戦となる可能性もある。

 エロール・スペンスJr.は、ウェルター級トップファイターを抱えるアル・ヘイモン氏傘下の選手。クリス・アルジェリにセンセーショナルなKO勝ちを収め次戦もNBCでの中継が決定。

 知名度ではWBA世界ウェルター級王者・キース・サーマン(米)、WBC世界ウェルター級王者・ダニー・ガルシア(米)にはまだ及ばないが、堅実にキャリアを重ね知名度も上げてきている。彼らと同じくウェルター級の次期スター候補のメインキャストの1人である。

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ビッグ・ネーム クリス・アルジェリに勝利

 クリス・アルジェリ戦は、ウェルター級トップ・ファイターを抱えるアル・ヘイモン氏が陣頭指揮を執るPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)で、ニューヨーク、ブルックリンにあるバークレイズ・センターで開催された。

 それまで実力者との対戦経験が無いエロール・スペンスJr.のテストマッチが、米地上波4大ネットワークの1つNBCでのプライム・タイム中継のメーンの大舞台が用意されたのである。

 ロンドン五輪米国代表の実力は伊達ではない。身体能力を活かしたパンチはコンパクトながらパワフル、ヘッドショット狙いではなくパンチも散らし的中率も高い。試合の主導権を握るスキルにも長けている選手。あのフロイド・メイウェザーJr.のスパーリング・パートナーを務め、メイウェザーが絶賛し太鼓判を押す選手だ。

 まだ、知名度は低いがNBCプライム・タイムでのメーンに起用されたことはヘイモン、TV局の期待値が高いことが分かる。

 スペンスJr.にとって、マニー・パッキャオ(フィリピン)、ルスラン・プロボドニコフ(ロシア)、アミール・カーン(英)らビッグネームとの試合経験をもつクリス・アルジェリとのテストマッチは、大きな意味を持つ試合だった。

 その大舞台でクリス・アルジェリを相手に全米地上派NBCのプライム・タイムの大舞台でセンセーショナルな勝利を飾ったことは、ボクシング・ファン、TV関係者を魅了し与えたインパクトは大きく。視聴者も満足する試合内容だった。

次戦以降はタイトルマッチが濃厚

 次戦はレオナルド・ブンドゥが相手。ブンドゥは年齢こそ40歳だが経験豊富でWBA世界ウェルター級王者・キース・サーマン(米)との対戦経験を持ち、サーマンが最後まで仕留めきれなかった相手。

 「サーマンは彼をノックアウトできなかった。彼をストップすることができれば大きな声明を発表することができる」ブンドゥ戦を前にそう語ったスペンスJr.自身の立ち位置をよく理解している。

 一度は、キース・サーマンの対戦候補に挙がったスペンスJr.が、サーマンが仕留めきれなかったブンドゥを印象的な勝ち方で下せば、スペンスJr.は更に大きな舞台が用意されるだろう。

2017年は統一戦

 ケル・ブルックが王座を返上し、スペンス、ブンドゥが王座決定戦に格上げするかは不透明だが、ブンドゥに勝利すればIBF世界ウェルター級王座挑戦権を得る。早ければ年内にも世界タイトルマッチが実現する可能性もある。
 
 その後、スペンスがIBF世界ウェルター級王者となれば、WBO王者・ジェシー・バルガスを除き、ウェルター級3団体の王者はヘイモン傘下の選手となる。Showtime(米・大手ケーブルTV局)スティーブン・エスピノーザ氏は、2017年WBA・WBCウェルター級王座統一戦に言及している。

 キース・サーマン、ダニー・ガルシア、エロール・スペンスJr.は言わば未来が約束された選手。2017年王座統一戦の機運が上がるだろう。そして、どういった形であれ真の実力者を決める時もそう遠くない未来にやってくるだろう。

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(Via:boxingscene