K2プロモーションズ、マッチルーム・ボクシング・プロモーターは8日、2016年9月10日英国ロンドンにあるO2アリーナで、WBA・WBC・IBF世界ミドル級統一王者・ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)、IBF世界ウェルター級王者・ケル・ブルック(英)の一戦を行うことを正式に発表した。

 試合はミドル級リミット(160パウンド)で行なわれる。英国SkyBoxOfficeがペイ・パー・ビュー(PPV)配信。HBO(米・最大手ケーブルTV局)が米国へ配信する。ゲンナディ・ゴロフキン、ケル・ブルック共に次戦に向け、別々の対戦相手と交渉が進められていたが交渉は決裂した。

 ゲンナディ・ゴロフキンは次戦、クリス・ユーバンクJr.との交渉が報じられていたが、ユーバンクJr.をプロモートするマッチルーム・ボクシング・プロモーター エディ・ハーン氏は、ユーバンクJr.から同意を得る事ができなかったことを明かしている。

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ブルック、2日でゴロフキン戦に同意

image source to:The Ring

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 K2プロモーションズ トム・ローフラー氏は「エディ・ハーン氏からは、ユーバンクJr.から同意を得ることが出来るだろうと聞いていた。しかし6日ハーン氏からいくつかの問題があり合意は難しいことを伝えられたんだ。

 その時ハーン氏から別の提案があったんだ。以前、ケル・ブルックがゴロフキンとの試合に興味を示していたことから、ユーバンクJr.と同じ契約条件でケル・ブルックにゴロフキン戦を打診してみると。それから、2日間で契約合意することが出来た。短期間で契約合意出来たことは、お互いが戦いを望んでいれば合意することは難くしないことを示せたと思う。

 エディ・ハーン氏はユーバンクJr.が同意しなかった理由は、報酬面なのか正確には分からないと言っていたよ」と語っている。

ブルック、バルガス戦は消滅

 ケル・ブルックはWBO世界ウェルター級王者・ジェシー・バルガス(米)との統一戦の交渉が、エディ・ハーン氏、トップランク(米・ボクシングプロモーター)の間で進められていたが、ポンド下落の影響を受けトップランクへ20%の支払いが出てきた為、交渉は暗所に乗り上げた。

 IBF世界ウェルター級王者・ケル・ブルックは、ウェルター級で最も突出しているファイター。多くのボクシング・ファンは、WBA世界ウェルター級王者・キース・サーマン(米)、WBC世界ウェルター級王者・ダニー・ガルシア(米)との頂上決戦に方針を示すだろうと思っていたはずだ。

2017年ビッグマッチの鍵を握る

 ブルックはマッチルーム・プロモーションの看板選手。今後は、他団体のウェルター級王者との統一戦が現実路線だったはずだ。しかし、2階級上げゲンナディ・ゴロフキンに挑むことが決まった。ウェルター級で最も総合力が高いブルックだが、ゴロフキン戦はあまりにもリスキーな選択と言える。

 英国での人気を考えれば次戦以降にアミール・カーン(英)らとのビッグマッチが考えられる。しかし、米国を主戦場とするウェルター級トップファイター達とのマッチメークは、英国開催が交渉の障害となるだろう。ビッグマッチ実現が難しければ、リスキーな対戦相手ゴロフキンを選択するのもブルック陣営としては1つの手段なのかもしれない。

ゴロフキン戦は、一気にスターダムにのし上がる絶好のチャンス

photo credit by:badlefthook

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 メイウェザー、パッキャオが引退した今、その後のけん引役はまだ明確には決まっていないが、米・東海岸、西海岸で多くのファンを持ち人気、実力を兼ね備えたゴロフキンを中心に回っているといっても過言ではない。

 ゴロフキン有利は揺るがないが、仮にブルックがゴロフキンに勝利すれば番狂わせとなり、北米で知名度、人気が無いケル・ブルックの商品価値を一気に上昇する。そうなれば、HBO(米・最大手ケーブルTV局)、Showtime(米・ケーブルTV局)も本格的にケル・ブルック獲得に乗り出すはずだ。

 ゴロフキン、ブルックの勝者は、WBA世界ミドル級正規王者・ダニエル・ジェイコブス(米)。2016年後半にもWBO世界ミドル級王者・ビリー・ジョー・ソーンダース(英)へ挑戦が考えられるサウル・”カネロ”・アルバレス(メキシコ)らとのドリームマッチ実現の可能性が見えてくる。

 ウェルター級はスター候補生達が集うが、実力は別としてミドル級の役者たちほど商品価値がある高い選手は居ない。これらを考えれば、ビッグマッチ実現を目論むケル・ブルック陣営としてはゴロフキンとの試合はリスキーだが一気にスターダムにのし上がる絶好のチャンスと言える。2017年ビッグマッチ実現の鍵を握る重要な一戦となるだろう。

(Via: ESPN