WBC(世界ボクシング評議会)は、2016年5月21日ロシア、モスクワで行われる予定であったWBC世界ヘビー級タイトルマッチ、王者・デオンテイ・ワイルダー(米)、挑戦者・アレクサンデル・ポベトキン(ロシア)の試合延期を発表した。4月27日VADA(ボランティア・アンチ・ドーピング協会)による薬物検査で、アレクサンデル・ポベトキンの検体から禁止薬物として指定されてるメルドニゥムの陽性反応が検出され延期を決定した。

 WBCはサンプルBによる2度目の薬物検査後に最終決定を下す方針を示していたが、5月21日の試合開催まで時間が無いことから急遽試合の延期を決定した。WBCマウリシオ・スライマン会長は、安全を最優先とし5月21日のイベントの延期を決定。薬物検査については引き続き調査を継続し、この試合の最終的な決定(中止するか否か)を数日中に発表すると述べている。

 アメリカ、ロシアは、数時間時差があることから、英国シェフィールドでトレーニング・キャンプを張っていたワイルダー陣営は、15日に英国からモスクワ入りする予定だったが、今回の件を受け米国へ帰国準備を始めている。

 ポベトキンをプロモートするアンドレイ・リャンビンスキー氏は、ロシアの通信社Rスポーツに対し、ポベトキンがメルドニゥムを禁止薬物として指定される前の2015年9月まで使用していたことを明かし、「体内に低濃度のメルドニゥムに残留物が残っている可能性がある」と主張。別のインタビューでは、2016年1月1日から使用していないと語っている。しかし、4月7日、8日、11日、VADAによる薬物検査の結果は陰性。4月27日の検査で陽性反応を示している。

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 敵地ロシアでの開催に熱を燃やしていたデオンテイ・ワイルダーは、一連の報道をうけ憤りを隠せない「ポベトキンが薬物検査で陽性反応を受け、試合が行われないことに失望しています。私は、ロシアでの重要なタイトルマッチの防衛戦に向け、ヨーロッパでの戦いに備えイングランドで最後の2週間トレーニングに費やしていました。私はファンに素晴らしいショーを観てもらいたかったです。

 ポベトキンとの試合が中止になり、私の目標も後退してしまいました。私は、ヘビー級で最もアクティブなチャンピオンでありたい。私は4団体を統一し世界の誰もが認めるヘビー級チャンピオンになるが私の目標なんです。」とコメントしている。

 ワイルダー、ポベトキンは入札となりアンドレイ・リャビンスキー氏が、715万ドルで興行権を獲得。当初、米国開催も考慮されたがロシア、モスクワでの開催となった。ワイルダーは、キャリア最高額となる70%の450万4500ドル、ポベトキンは30%の19万3千50ドルの報酬を受取るはずだった。ワイルダーをプロモートするルー・ディベラ氏は、WBCの最終決定を待つとしているが、訴訟起こす構えも見せている。
 
 ファンの間では、”リアル・ロッキー”米・露の構図で注目が集まっていた興行だけに落胆の声も多い。クリチコの長期政権が崩壊しアンソニー・ジョシュア(英)がIBFヘビー王者となりShowtime(米・大手ケーブルTV局)と契約。WBAでは、ヘビー級トーナメントが開催され近年に無い盛り上がりを見せていたヘビー級戦線に非常に残念なニュースとなった。

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(Via:ESPN